心友

「ロン!ほら、ロン!コッチだよ!!
よーしよし、良い子だ。
おすわり!はい、ご褒美。」
ボクはあらん限りの勢いでしっぽを振った。
ボクの好きなおやつの時間!


「また今度、俺と一緒に遊びに行こうな」
そう言って、いつも通りボクの首輪にリードを繋げた。
「腹減ったなー、今日の夕飯なんだろ」
そう言ってとも君は道路に駆け出した。その瞬間

ガシャン!!

とも君!!とも君!!
大丈夫!?
誰か!来て!誰か!!

とも君は倒れたまま動かなかった。

リードを噛みちぎろうとしたが無理だった。引っ張ったり、首輪から頭を抜こうと思ったがダメだった。足が震えてしまい、鳴くことしかできない。
そうこうしてる間に赤いランプをつけた車が何台か来て、とも君を連れていってしまった。



とも君に会いたいよ。
あの優しくて力強い手で撫でてもらいたいよ。
声を聞かせてよ。聞きたいよ。
ねぇ。

ボクはとも君を見上げてしっぽを振った。

とも君が投げるフリスビーをキャッチするのが本当に楽しかったんだよ。
近くの草むらで寝転んで日向ぼっこをしたりとか、
また一緒に遊ぼうなって言ってくれたのに。
約束だよ、って…


目が覚めた。
「ゆめ、……か」
俺はカーテンを開け、眩しい朝日を浴びた。


とも君が来てくれるの、土の中で待ってるよ。

ロンがそう言ってる気がした。

心友

私も愛犬が1匹います。一緒にいる時間を大事にしたいです。

心友

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-13

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