冷蔵庫のトマト

トマトが笑って言いました

「僕を、殺してよ?」

大好きなB君は 「ははは。」と、言いました。

「良いよ。」僕の視界は真っ白になって

ぼこっと音がしました

B君が事もなげに僕をぶった音でした

僕はまさか。と思って

でも心の中ではすんなりとやっぱりな

と思っていました。

やっぱりB君は何かやらかすと

感情が無いなと思いました

けれどB君には何も言いません

何も言ってあげません

そのまま世界でひとりぼっちになれば

死んでしまえばいいんだ

そうおもいました

なぜ僕がそんな事を思うのかというと

とても世界がどうにも不愉快だからです

だからといって僕(トマト)にはどう

することもできないので

とりあえずはB君に消えてもらうか

と思ったわけです

「消えるのはおまえの方じゃないか」

と言われたらそうではありません

私はB君に消えてもらうことによって

自らの存在意義を 確立すること

に成功したのです

ここで言うB君に消えて貰うとは

逸脱者になって貰うということで

生きたまま牢獄に突き落とすと

いうことであり

また

世界から突き放すということでもあります

僕はB君を牢獄へ突き放すことに成功しました

これからは どうこうするも

自由です

さあてまずは冷蔵庫の外へと出なければ。



B君と、さようなら。

冷蔵庫のトマト

冷蔵庫のトマト

トマトネタは、多いです。非常に作品にしやすいです。 トマトはとても魅力的だと思います。 B君とトマトのお話し。掌編です。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-21

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