*星空文庫

散骨

紺 作

太陽の下では
カビ臭いニオイのする
あなたを嫌うことで
基本的に
私は、傍に居られない

時々日常から落っこちて
手の隙間から
震えて見ているくせに
私はもっと遠くにいるんだと
言い聞かせ
近くのあなたを
抱きしめられない

別にね、特別なことはなにひとつないんだよ


心が少し地面から浮かんで
髪飾りが落下した



線香の匂い
あなたの美しい灰


枯れ木の連なりから
あ、と言った後の、街



ホコリがつくづく薄まって
反射した微かな風が舞う

よく見えなくて
目を細める
その顔があんまり美しいとは思わなかったけれど
無理に良く見せようとしなかった
あなたの身振りを真似して

散り散りに去っていく
誰かの行く先に
わたしは
俯いたまま

ただ、からっぽのぬくもりを探した

『散骨』

『散骨』 紺 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-06-13
Copyrighted

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