川
少年は、河原に座っていた。
放課後の事である。
いくぶんか黄色くなってきた気がする
薄い水色だったのに、夕陽に差されて拗ねたんだろう
川を覆って、良いように人を通す橋は卑怯だと思った
そう思ったあたりで、やっと立ち上がれた
こめかみが押されたように、痛い
僕を!僕を言葉にして!と、波の中にいろんなものがチラチラと姿を出す
アレ、あれは何だろう
さっきのはなんだったろう
掴み上げる前に、全部水の中に消えて行く
濡れたアスファルトに置いたわらび餅みたいな色して
川のそばに住みたいな
橋の下が良いかしら
「行ってきます!」
「さようなら!」
さようならぁ!
ぼく、行ってきます!
さようならぁ!
なんだ、真緑に染まってら
川