1+1はやっぱり2だった

なんとも言えない作品が完成しちゃった・・・
一回全部ぶっとんだけど負けずに書ききった・・・!!
最後まで読んでくれたら嬉しいです!!

マスター

「マスター殿ーマスター殿ー」
いつもなら朝食を食べにやってくるマスター殿だが、今日は何故か現れない。取り敢えずマスター殿の寝室と仕事部屋を覗く。
ガチャっ「マスター殿?」
「おう、がくぽ。飯、出来た?」
こちらが我がマスター・・・・の一人である桜希(おうき)殿である。
「はい」
やはり、仕事部屋にいたか・・・しかしもう一人の姿が見えない。
「桜希殿、桜花(おうか)殿はどちらでござるか?」
「ああ、桜花ならクローゼットの中だと思うよー」
やはりか・・・クローゼットを開けると桜花殿が服に埋もれて寝ている。
「桜花殿、朝食が出来たでござるよ」
揺すぶってやると桜花殿がぐずりながら出てくる。もう、そんな歳ではないと思うのだが・・・
「がくぽぉー・・・」
我がマスターよ。その歳で抱っこはどうかと思うぞ。聞いた話によると桜花殿はかなりの甘えん坊で桜花殿のその小振りな体型と桜希殿のガッシリした体型を活かして(?)よく桜希殿が抱っこしていたのだとか・・・今ではその役が私に回ってきているんだがな・・・まあ、こんな甘えたな桜花殿も私のマスターである。二人は双子の兄妹である。ここには私しかボーカロイドはいない。なんでも桜花殿が駄々をこねたとか・・・二人で曲を作り、撮影する。二人の仕事は小説家だ。とても大変らしいが・・・二人の曲は結構支持され、ライブをしたり、CDを発売したりしている。二人の周りには明るくていい人が沢山いる。人望も厚い。
リビングに桜希殿と桜花殿と行くと二人は椅子に座ったまま動かない。ご飯をよそっておかずと並べるとのそのそ食べ始める。
「早く食べてください。」
「「はーい」」
「おう、そうそうがくぽ。これから久しぶりのガチ曲やんぞー」
桜希殿の声がかかる。
「何時からやりますか?」
「飯食べたらスグ」
「しかし、桜希殿、この間から睡眠時間を削っているのだろう?
「あー、大丈夫、大丈夫。」
「いや、しかし・・・!」
桜希殿と言い合いになりそうになったとき玄関のチャイムがなる。
「?誰でござるか?」
「私見てくるー」
「んー」
桜花殿が見に行ってくれた。しかし、大丈夫だろうか?桜花殿は知らない人を見ると固まってしまうのだが・・・
そんなことを思っていた矢先・・・


「あのー、すみませーん」
やはり、固まってしまったのだろう。お客様の声が聞こえる。
「全くー、桜花のヤツー」
桜希殿が立ち上がる。
「私も行きましょうか?」
「いいから、座っとけ」
「・・・・・」
桜希殿が玄関へ向かっていく。誰なのだろうと考えていたら、突然桜花殿の悲鳴にも近いような叫び声が聞こえた

大切

「え!?そらる様!?え!?本物!?ずっと憧れてたんです!!握手してください!!」
何事かと思い、玄関へ行ってみると桜花殿が客人であろう方に迫っていた。
「あ、はぁ・・・ありがとうございます」
客人であろう方は桜花殿の勢いに押されつつ礼を言い握手をする。桜花殿はポーッとしておる。
「あ!がくぽ!!」
桜希殿も大興奮している。
「こちら、某動画サイトで歌い手さんとして活躍中のそらるさん!!」
「あ、初めまして。そらるです。」
「あ、どうも、初めまして。がくぽでござる。」
しばらく前にライブで共演したときに私とのライブが決まったそうだ。
それにしてもそらる殿は可愛い顔をしておる。なんと言ったか・・・ポ○モンのヒト○シとか言うヤツに似ているな・・・ええい!うるさいぞ!私の心臓!!ふと、前をみるとニヤニヤしている桜希殿がいる。この顔は・・・あれだ、人で遊ぼうとしているときの顔だ。
「それじゃあ、早速始めようか。あっ、がくぽ。そらるさん1週間ほど家にいるから、ご飯よろしく!!」
「了解したでござるよ」
そして、仕事部屋へ向かう。
仕事部屋に着いて、桜希殿が説明を始める。
「今回はこんな曲なんだけど・・・取り敢えず聞いてみて」
桜希殿が曲を流す。やはり、桜希殿と桜花殿は良い曲を作るな・・・などとメロディーに聞き入る。そして、最後が終わり曲が終了する。
「こんな感じなんだけど・・・どう?」
「桜希殿、楽譜はどこでござるか?」
「え?ああ、ここだよ」ピラッ
「俺のもください」
「ああ、はい!!」
「良い歌詞でござるな、桜希殿」
「ありがとう!!」
桜希殿が笑う。笑った顔が桜花殿にそっくりだ。
「うーん・・・でも・・・なぁ、桜花ーここの歌詞なんだけどさーもうちょい良いのない?なんか、しっくり来なくてさー」
「ああ、そこ?やっぱり?じゃあ、編集しようか」
桜花殿と桜希殿が編集をし始める。
こうなったら二人とも暫くは二人の世界から出てこないから扉のところへ行き、そらる殿に手招きする。仕事部屋から出て手紙を中へ放り込んだらそらる殿の方へ向き直る。
「これからそらる殿は1週間、家に居るのだろう?」
「あ、はい」
「ならば、私と今から買い物へ行ってはくれぬか?」
「ああ、良いですよ」
そらる殿が笑う。可愛いなぁ・・・
「それでは、行くでござるよ」
「はい」



「ふむ、そらる殿。今日は何が食べたいでござるか?」
「えっ?俺が決めても良いんですか?」
「勿論でござるよ」
「じゃあ、俺、ハンバーグが良い・・・・です。」
ハンバーグとか可愛すぎるとは思いませぬか?
「了解したでござるよ」
そして、ハンバーグの材料を買って帰る。

「桜希殿ー」
食材を冷蔵庫に片付けてそらる殿と仕事部屋へ向かう。
「ああ、がくぽにそらるさん。今、終わったよ。」
「あのさー、お兄ちゃん。ガチ曲を1週間って、あんな軽く辛い生活をそらる様にさせる気?」
「ああ、そっか・・・じゃあ、1ヶ月にしよう」
「??」
そらる殿がハテナマークを浮かべている。そらる殿に、1週間ぶっ通しで睡眠時間2~3時間、寝るまで殆ど歌いっぱなし、撮影のための桜花殿からの手厚い指導、1日の休憩時間のトータルはざっと1時間ということを桜希殿が説明する。
「そこまで無理はさせたくないんだけど」
「わかりました・・・それしゃあ、1ヶ月お世話になります。」
そらる殿が頭を下げる。
これはマズイ、非常にマズイ。体がマズイぞ・・・

1+1=?

「こっちがお風呂場でござるよ」
私は、そらる殿にこの無駄に広い家の案内と少し変わった使い勝手を桜希殿の命でしているのだが・・・1ヶ月、耐えれる自信がないでござる(泣)理性が・・・理性が保てないでござるよぉ!!読者の方には伝えてないんだが、私、そらる殿が好きなんでござるよぉ!!体が持たない・・・(泣)
「うーん、なんでこんなに使い勝手が難しいんだろ・・・1人で使えるかな・・・」
「よかったら、呼んでください。いつでも行くでござるよ」
唸っているそらる殿に声をかけるとはい!と笑顔で返事をする。それがとても可愛くて私の理性は・・・・(泣)


そんな葛藤を続けつつ1ヶ月が経つ。理性はギリギリである。
「2人に桜花!!お疲れさま!たった今、曲が完成しました!!」
「「「お疲れさまでした!」」」
楽曲作りが終了する。今日は楽曲完成を祝って、パーティーをするらしい。3人が笑顔になる。それが嬉しい。
部屋を出て、買い物へ行こうとしている時だった。
「がくぽ、まだ自分の気持ち伝えてねぇのな」
ふいに、桜希殿に声をかけられる。やはり、私の気持ちはバレバレだったようだ。
「桜希殿には関係ないでござろう?」
つい、キツい口調になってしまう。
「関係ないよ。でも、お前はそのままで良いのか?」
「・・・・・・行ってくるでござる」
「おう」
複雑な気分になりながら、買い物へ向かう。



食べ物を並べるとすでにお酒に酔っている桜花殿がこちらを向いた。
「がくぽぉー、そりゃりゅ様なら向こうに行ったよー」
そらると言いたいのだろうが言えてないぞ我がマスターよ。などと思いながら、そらる殿の元へ向かう。
「そらる殿、こちらへ入らしたか」
「あっ、はい」
沈黙になる。その沈黙を破ったのは、そらる殿でも私でもなかった。
「がくぽ、自分の気持ち伝えろよ」
「そうだよー、がくぽー。頑張ってー」
桜希殿と桜花殿だ。桜花殿は先程までべろんべろんに酔っていたとは思えない滑舌だ。
「そらる殿・・・!!」
「はい?」
「私、そらる殿が・・・好きでござる!」
やっと言えた。1ヶ月抱えてきた思い。出会った最初に抱いた思い。これが一目惚れってヤツか・・・と実感した思い。



「ごめん、がくぽ。俺はがくぽのことをそんな風には見れない。」



これがそらる殿の答えだった。
まるでハンマーで殴られたような衝撃だった。これが涙と言うヤツなんだろうか、目から熱いモノが流れていた。
「それじゃあ、俺は帰ります。1ヶ月、お世話になりました。ありがとうございました。がくぽ、ありがとう、ごめんな・・・」
そう言ってそらる殿は帰っていった。
「がくぽ、明後日。明後日まで待ってみろ。良いことあんぞ」
そう言って桜希殿が笑う。今はそれがとても嬉しかった。



そして、桜希殿が言った日になった。その日は朝から大騒ぎ。なんでも、あのコラボ曲がスゴい勢いで再生回数が伸びているのだとか。
お昼頃、玄関のチャイムがなる。
2人はパソコンに食いついて離れないため、私が出ることに。玄関を開ける。
「あの、そらるですけどー」
そらる殿が立っていた。
「そらる殿でござるか・・・どうぞ、上がってください。」
「ありがとう。」
そらる殿は桜希殿に呼ばれたらしく、仕事部屋へと行く。きっと、コラボ曲のことだろう。私はまた家事に取り掛かる。
暫く経ったころだった。

「おーい、がくぽー!!」
桜希殿が呼ぶ。何事かと思い、仕事部屋へと行く。
「なんでござるか?」
「そらるさんが話があるんだとよ」
「そらる殿・・・どうしたでござるか?」
「あの、俺、たった1日だけどがくぽと離れてスゴくソワソワして・・・俺、がくぽと一緒にいたい。」
「!?」
「ダメ・・・・かな?」
「嬉しいでござるよ!!そらる殿!!」
嬉しさの余りそらる殿を抱き締める。
「よし!これでそらる殿が家へ住むことが決定だね!」
「!?ホントでごさるか?」
「う、うん」
そらる殿が返事をする。
「ずっと一緒ではござらんか!!!」
思わず抱き上げてしまう。
「そらる様、あの日スゴく動揺して帰ったから荷物はあるよぉ」
桜花殿がニヤニヤしながら言う。
「それはバラさないでください!」
そらる殿が顔を真っ赤にして言う。それが可愛くて、頬が緩んでしまう。
桜希殿が言った意味がわかった。2人にはわかっていたんだろう。そらる殿ですら気付いていなかったそらる殿の気持ちが。全く、侮れない人たちだ。あなたたちがマスターでよかったでござるよ。


私は世界で一番幸せなボーカロイドでござるな!


おわり

1+1はやっぱり2だった

最後まで読んで頂きありがとうございます!
もうね、何がしたいかわかりませんよ。はい。

でも、書いてて楽しかったです!
次ネタはコゲ犬様とむっち様でお送りいたします!

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最初に申し上げた通り、これは歌い手様本人には全く関係ありません。

1+1はやっぱり2だった

そらる×がくぽです。 ※この作品はBL要素が含まれています。 ※作者の妄想によって構成されているため、皆様の中のがくぽ像やそらる像を壊したら申し訳ないです。 ※この作品は、そらる様本人には全く関係ありません。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-19

Copyrighted
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Copyrighted
  1. マスター
  2. 大切
  3. 1+1=?