憂鬱、疲労


早朝暗いうちに家を出て

月も見えない曇り空

なぜこんなにもつらいのか

心はどこかに置いてきた


そんな毎日の繰り返しで何とか生きている


「誰だって疲れてるんだから頑張ろう」

なんてどの口が言うんだよ

他の人がどうとか関係なくて

自分が今つらいのだ




暗いうちに家を出て暗いうちに家に帰る

楽しい思い出だってそれより多い

つらい思い出に踏みつけられるんだ

それでも思い出って言えるだけまだいいか

ただの記憶も思い出って言えるようになれば十分だ




まるで漫画のように白黒の景色は

きっと色だって潰えた夢の跡

アスファルトに出来た水の染みが

殺害現場の人の痕みたいだ




満員電車に充満する謎のにおい共が

僕の臭細胞を絶滅させる

そして五感は死んでしまった




白旗を掲げたって退いてくれないし

いつだってそこは前線だった

死と隣り合わせとでも言うべきか

死なんて簡単に言うのも憚られる世の中

誰もが自分勝手にエゴを振り撒いて

思想紛争は毎日起こってるよ




胸を締め付ける情熱は

もはや空想の産物かな

憂鬱、疲労

憂鬱、疲労

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-31

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