我がままでごめんね…
「やっぱり一緒にいない方が良かったんだよ…」
泣きながら言う君はソファーから立ち上がり「サヨナラ…」と呟き出て行った。
それから数日後。
チャイムが鳴り、ドアを開けるとうつろな顔をした君がいた。
喧嘩してから久しぶりに見る君は大人っぽくて変わって無いのは僕だけなのかな…。
「あのね…」と、切り出し呟く君の声が懐かしくて何故か嬉しかった。
いくら好きで一緒にいても、いつかは別れがやってくるってこんな状況の事を言うんだろうな…って、息のつまりそうなこの雰囲気にいると嫌でもそう思ってしまう。
ためらいながら、言葉を選びながら喋る君に「天気いいね…」何て意地悪をしたくなる。
こんな時まで僕は素直になれないみたいだ…。
ホントは今でも好きだって言いたいのになぁ…。
「だ、から…」とはにかむように戸惑う君。
分かってるんだ。
君はたぶん「別れたい」って言おうとしてる事ぐらい…。
でも僕はもっと君と一緒にいたいから、そんな意地悪をしてしまうんだ。
ごめんね…。
でも、もう少しだけ僕の意地悪に付き合ってよ。
僕の気持ちに整理がつくまでさ。
我がままでごめんね…。
僕は、君と唇がはれるまで交わしたキスよりも、
君と毎晩のように重ねた身体よりも、
緊張しながらたわいもない話で盛り上がってたあの頃が一番楽しかったなぁ…。
君はどうだったんだろう…?
- end -
我がままでごめんね…