yesプロブレムな彼氏。 第二話「発端」

遡ってだいたい一年前・・・


「清瀬さん、よろしくね。」
コイツ、なんか馴れ馴れしいな。
長野雄喜・・・。
噂には聞いていたが、やっぱりチャラ男か?
「よろしく。」
そう打ってみたが、心はちっともよろしくない。
そもそも、コイツの彼女からの頼みを引き受けてしまったのが運の尽き。
女子のメアドを欲しがってると言っていたらしいが、好奇心からうっかり渡してしまった。
私以外の女子は了解していなかったことを知ったのは後のことである・・・。
もう遅い。
「彼女にもよろしくね。」
気を利かせてそう言ってみたが、
「龍樹によろしくね。」
コイツ‼
私の好きな人の名を記しおった!
しかもこの「よろしくね」のループは何なんだ。
メールする気は失せ、いつの間にか返信しなくなっていた。
あまり良い印象じゃなかっただけに残念である。
もう、どーにでもなれ。
一回メールしただけで関わりたくなくなるとは、相当だ。
勝手に末長くお幸せに。

数ヶ月後、それまで連絡は取っていなかったのだが、ある噂が気になり連絡を試みた。
なんでも、例の彼女と別れたとか別れてないとか・・・。
『彼女と別れたの?』
確かめたくなったので、メールしてみた。
何気なく聞いたつもりだったのだが・・・。
『うん、別れたよ。俺と付き合う?』
は?
今、何とおっしゃいましたか??
『いやいや、無理でしょw』
言っておくが、目は笑ってないぞ。
『残念だな~。』
何がだよ。何が残念なんだよ。
『もっといい恋愛しなよ。』
早いとこ切り抜けなければ。
『清瀬さんがいいな。』
そう来るとは思わなかった・・・。
『私じゃなくても、いい人いるよ。』
そんな感じで続けていたら、終わった頃には2時間以上も経過していた。
「やっぱり変なヤツだったな。」
残念なことに、これからも関わりそうな予感がする。
が、今は考えないでおこう。
悪いヤツに引っかからないようにしなきゃ・・・。
そんなことを思いながらベッドに横たわり、フワフワと深い眠りに落ちてゆくのだった。

yesプロブレムな彼氏。 第二話「発端」

yesプロブレムな彼氏。 第二話「発端」

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-18

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