鳥の写真

 親戚の子を連れて、自然公園へと出かけて行ったときのこと。

 木の根っこに向かって「みっけ」なんてしゃがみ込んむものだから、何を見つけたのかと思ったら、携帯ゲーム機。レンズが付いていて立体も撮れるという、例の、あれ。
 親戚の子も同じ型のものを持っているらしく、当然の結果として、いじくり始めてしまっている(およしなさいって)。私が画面をのぞきこんだときには、人様が撮った写真のスライドショーを出している。

 一枚目(順番で言うと、最後に撮ったものになるのかな)から、妙な写真がある。今、私たちが立っている小道を、仲むつまじく連れ添って歩く、お年寄り夫婦……上から見下ろしたもの。次いで二枚目、中心を外してしまっているものの、まあ、許容範囲に収まっている、女の子の手を引くお母さん……同じく、上から見下ろしたもの(お子さんのリュックサック姿が可愛らしい)。奥行き感が誇張されていて、ずっと高さを感じる。どうやって撮ったのだろう。

 木を見上げる。写りこんでいた枝の感じからして、この木の上から撮ったものになる。ちょうどY字になっているところがあるので、あそこだろうか。三、四メートルはある。でも、この木は、幹も枝も頼りなく、到底、人が登れるようなものではない。

 親戚の子は、「鳥が撮ったんだよ」と言う。
 ウなりサギなりが飛んできて、落ちていたゲーム機を拾い上げ、あのY字のところへと降り、人が通るのをじっと待ち構えて、くちばしでツンツン? 写真一枚ならともかく、二枚は無いでしょう。
 
 写真は、カモ、花壇……、入口のトーテムポールと、ここで撮ったものが並んでいて、あたり一面の紫色の花、雲、塀?、自宅の庭で撮ったと思しき犬……と続く。白の本体カラーも踏まえて察するに、持ち主は、わりとしっかりした感じの女性ではなかろうか。

 証拠物件Aとして、眼鏡ふきで丁寧に包んで(無断でいじったことがばれないように指紋を拭いたわけではない)、管理事務所に届ける。
 子どもは細かいことをよく知っているもので、「持ち主から一割くれるかな」と、そればかり。携帯ゲーム機だからね、難しいと思うよ。一割といったら、電池くらいでないかい?

 ちょっと変わった、鳥の写真のお話し。

鳥の写真

二〇一八年五月 初稿
ワープロ

鳥の写真

ちょっと変わった、鳥の写真のお話し。

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-27

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