失われた詩句
詩、俺の書いた多くの詩編達、君達に俺は話しかけよう、
神も君達に望み得なかったものを俺は君達に与えよう。
いずれはこの身も朽ち果てる
それまでは、俺は孤独な奇妙な男の一生を演じ続けよう
「呪われた名前だ、君は」
ああそんなことは分かっている。俺の星のめぐりは悪い。分かっている。時折、奇妙な男の最期を俺は見る。極熱のアフリカの地、孤独な男はそこで最期をとげる。
それまではこの男は何をするか?決まりきったことだ。言葉、言葉、言葉の魔術・・・
この男の語る物語のなんと奇妙なことだろう。
呪われた男は東洋の土地でひとり、悪いときは夢を見る。
「失われた詩句を探せ」
そう啓示が舞い降りる
ああ、赤い空、赤い空、赤い夕焼け、
戦場の光景、俺は一人、夢を見る。
背の低い兵士の夢を・・・・
彼はやがて皇帝になった。しかし無惨にも皇帝は島に流された。
波乱に満ちた生涯よ・・・
俺は彼に言葉を贈ろう・・・
最高の賛辞の言葉を・・・・
この呪われた男の、奇妙な詩の数々よ、手品でもするかのように、男は一人、詩を書く
詩人の頭には冠が、月桂樹の葉がかかっている
そこにはこうある。
「詩の王たるオーディーンの認めたる詩人」
そうここに書かれている。
俺は魔法などは持ち合わせていない。
ただ鍛えられた、神経が
俺の数々の詩を発明した。
詩の王は俺だった。俺はいずれこの世の全てを手に入れる。
富と名声と女を・・・
それまでは不幸なこの身よ、いつまでも一人きりで耐え抜いてくれ。
失われた詩句