君の「なう」が君を殺す日
君が僕の「なう」を閲覧する時には 僕の肉体は循環が止まって、僕の「なう」は永久に更新されないかもしれない。
君は決してリアルタイムを僕と共有しているなんて ペテンを信じちゃいけない。
僕らの「なう」は 儚い同時性に過ぎない。
僕が君の「なう」を閲覧する時 僕に起こった「なう」と君が出くわした「なう」が 偶然一致するかもしれない。
だけどそれは共時性なんていう トランスパーソナルな神秘体験なんて代物じゃないさ。
僕らが同じことをやっていて 同じことを体験しているなんてことはありきたりなんだ。
僕らは 世界を共有しているんじゃない。
僕らの体験は 世界に隷従しているのさ。
僕の「なう」と 君の「なう」が出会う時
もし君がこの世界のループに 自由を投じる群衆の投影を 見てしまったとき、
君は自分を脅迫してくるタイプゾーンから 君の時間が万遍なく慰みものにされる事実を 知ってしまうだろう。
そして君は 自由にモバイルから自由を送り出しながら 途轍もなく不自由という情欲の奴隷になる。
でも「なう」のタイムラインを送り出してくる どこかの名前を口にしてはいけないよ。
君の魂はクリック一つで 一瞬にして完全にこの世から削除されるから。
僕らはこうしていつものように「なう」を 誰かへどこかに送り出す。
僕らは「なう」という生産活動のノルマを計測されながら 深夜のバッテリー工場のように 人生を搾取されている。
ほら、君の「なう」が漂流している
君の「なう」はいつか誰かが拾うかもしれない
だけど 僕や君が明日マンションで息絶えても
僕たちの最期を知る「なう」は この世界にどこにもない
君の「なう」が君を殺す日
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