*星空文庫

南美さんとちゅっちゅしてるだけ

くらうでぃーれん 作

マジガールの南美さんとちゅっちゅしてるだけです。タイトルままです
知らなくてもなんとなくで読めると思うので、知らない人もゼヒゼヒ読んでみてください
えっちはしないですが色々と練習もかねて若干生々しい表現を使っているので、そういうのが苦手な方や清純なお付き合いをしたい方はお気を付けください
読むの早い人なら10分もあれば読めると思うので、気軽に読んでもらえると嬉しいです

×××


 放課後の学園。日はすでに山の後ろ身を隠し、空は藍色に染まりつつある。窓に映るのは暗く沈んだ外の景色ではなく、鏡のように映し出された自分の顔。生徒はもう寮に帰っていなければならない時間なので学園内はシンとしていて、コツコツと自分の足音ばかりが廊下に反響して静寂を助長している。
 いつも騒がしい学園も、この時間になるとまるで違う場所のように静かだ。人口の灯りに照らされた廊下を歩く姿は自分以外になく、世界に自分1人だけになってしまったような、なんて陳腐な表現を思い出す。
 緊急出動となった場合にすぐ動けるよう必要な施設には常時人が配備されているが、教室などそれ以外の場所は夜になると施錠される。今日はその当番が自分だったため、こうして見回りも兼ねて学園を回っているというわけだ。

 一通りその仕事を終え、最初に見た時にまだ明かりが灯っていたので後回しにしていた教室を覗くと、中には見慣れたひとつの背中があった。
 赤みがかった髪は腰辺りまでを覆い尽くし、綺麗に結われた髪の一部が側頭部を飾っている。椅子に腰かけた背筋はすらりと伸びていて、制服越しにもそのスタイルの良さが窺い知れる。普段から落ち着きのある態度を保つ彼女だが、その静かな佇まいはまるで大人の女性のようにも見えてしまうほどだ。

 何をしているのか知らないが、この教室も施錠しなければならない。声をかけようと口を開き、しかし悪戯心によって開いた口は声を発する前に閉じられてしまう。
 オレは足音を立てないように彼女の背後に忍び寄り、そっと、後ろからその生徒を抱きしめた。

「なーみ。こんな遅くまでなにやってんの」
「きゃあっ! ‥‥な、なんだ先生ですか。もう、びっくりしたじゃないですか」

 その女生徒、南美(なみ)は可愛らしい声を上げて跳び上がるように体を震わせると、困ったような笑みを浮かべて首を振り向かせた。驚いた拍子に胸部の豊満な双丘が揺れていたことを、もちろん見逃しはしない。
 南美はオレの問いに答えるため、手元に置かれていた数枚の用紙を見やすいように持ち上げてくれる。

「これです。今日戦った魔獣、少し変わった特性を持ってたじゃないですか。だから、今日分かったところだけでも大まかにまとめていたんです」
「え? そんな作業、渡してくれりゃコッチでやるのに」

 しかし南美はにっこりと微笑んで、身体の前に回されたオレの手をそっと包み込んだ。

「先生がお忙しいのは分かっていますから、少しでも力になれたらと思ったんです」

 あ、好きだわ。

 オレは改めて確信する。この子、好きだわ。超可愛い。

「迷惑でしたか?」
「いいや、超助かる。ありがと南美。けど無理はしなくていいからな。ちゃんとオレにも頼ってくれないと」

 言うと、南美はなぜかクスクスと笑って、もたれかかるようにオレの胸に頭を預けた。

「先生、私だって同じですよ。先生ももっと私たちに頼ってください」

 南美はそこでふと言葉を止めて、悪戯っぽい笑みを浮かべて半分だけ振り返る。

「間違えました。私に、もっと甘えてください」
「なみすき」

 あっという間に尊さが限界に達し、ぎゅーと抱きしめた。そして――頬に唇を添える。
 南美は目を丸くして、頬にわずかに朱を灯しながら笑みの形に瞳を細めた。

「‥‥もう、ここ学校ですよ」
「けど、誰もいないよ。それに教室でするのって、ちょっと興奮しない?」

 南美はくすりと妖艶な笑みを浮かべ、同じように頬に唇を触れさせた。

「ふふ、そうですね。せっかくのふたりきりですもんね」

 南美は横向きに椅子に座り直してこちらに体を向け、真っすぐに腰を落ち着けたままオレの瞳を見上げた。

「先生、もっと、シていいんですよ‥‥?」

 許容する言葉で、しかしその瞳に宿るのは期待の色。
 それに応えるように、オレは今度こそ正面からその柔らかな唇に自分のものを触れさせた。

「‥‥ん」

 唇の隙間から漏れ出る声は、どこか弾んでいるように聞こえる。それが思い上がりでないことを願うばかりだ。
 ゼロになった距離から、数センチだけ顔を離して見つめ合う。
 そうしていると南美が少しだけ首を伸ばして、もう一度唇を触れさせた。

「‥‥先生がし足り無さそうな顔をしていたからですよ」

 あくまで主導権を握りたがる南美は、どこまでも可愛くて。
 だから、南美だって同じ顔をしていたということは言わないでおいた。

「そうだな。全然足りない。もっとシたい」
「もう、しょうがない先生ですね。いいですよ。今だけですからね」

 そんな台詞とは裏腹に言葉尻が上がり気味の南美の肩に手を置いて、もう一度顔を近づけた。

「‥‥んっ。ん、んぅ‥‥」

 一度では終わらせず、触れては離しを繰り返す。押し返すような形で胸の前に添えられている南美の手は、しかし突き放すような力が加えられることはなく。むしろ控えめに服が握られて、引くことを留められているようだった。

 何度そうしていたか分からなくなるほどの後、顔を離すと「あ‥‥」と南美の口から切なそうな声が漏れた。自分でもそれに気付いたのか、すぐに少しだけ恥ずかしそうに視線が逸らされる。

「‥‥我慢しなくても、好きなだけしていいんですよ?」

 それでも自分の立ち位置を崩そうとしない南美は本当に愛しくて可愛くて、それこそ我慢なんて出来そうにはない。

 オレは南美から体を離すと隣の椅子に腰かけて、ぽんぽんと自分の腿を打つ。南美はすぐに意図を察してくれて、腰を浮かせてオレの足を跨ぐように座り直した。
 ぴったりと体を密着させて向かい合い、座る位置の関係で南美の豊満なお胸が眼前に差し出されるような形となる。南美もすぐにそれに気付くと、ぐっと体を押し出して膨らみを押し付けるようにそれを密着させる。

「もう、これが狙いだったんですか先生。本当にえっちな先生ですね」

 そういうわけではなかったのだけれど、大きくて柔らかいので全て許された。
 南美の腰を抱いて、遠慮なく顔を押し付けてみた。南美はあらあらと嬉しそうにオレの頭を撫でてくれる。

「ふふ、先生は甘えんぼですね。こうしてると、本当にお姉ちゃんになれたみたいです」
「‥‥ホント、南美は甘えられるの好きだよな」
「ええ、大好きです。けど誰でもいいわけじゃないですよ? 先生は特別です。クラスの子たちに甘えられるのも、もちろん大好きですけど」

 そこだけ聞くとすごく節操ない子みたいだ。

「おいおい、なんだよそれー。オレが一番じゃないの?」

 おどけた調子で不満を漏らしてみると、南美はくすりと笑みを浮かべてから頭を包み込まれるように抱きしめられてしまった。
 頭の位置のせいで、本当に優しい姉にあやされる甘えたがりの弟のようだ。少しだけ、気恥ずかしいというか、悔しい。

「もちろん、先生が一番ですよ。だって先生は甘えてくれるだけじゃなくて、私のことも甘えさせてくれますから」

 南美が嬉しそうだから別にいいけど、そこまで甘えた覚えはないんだけどな。
 けどまあ、今の体勢じゃあそんな言い訳も通じそうにない。

「ねえ、先生‥‥。ナニがしたいですか? 遠慮しないで、何でも言ってくれていいんですよ?」

 ほんの少し高い位置から、南美のねだるような視線が向けられる。
 言葉にはせず、キスすることでそれに応えた。南美は微笑んで、頬を包み込んでキスを返してくれた。

 南美を見上げながらのキスというのもなかなかに新鮮だ。たまにはこういうのもアリかもしれない。これは、甘えているという内に入るのだろうか。少なくとも、南美は今そう思って受け入れてくれているのだろうが。

 身体をすり合わせるようにしながら見つめ合い、口付けを交わす。それが一度始まってしまえば、後は本能に全てを委ねて貪り合うだけだ。

 脚の上に乗られて首に腕を回され、行動の主導権は南美に握られていると言っていい。けれど実際は主導権がどうだなんて考えている余裕など2人にはなく、ただただ、その唇を奪うことしか考えられなくなっていた。

 ちゅ、ちゅ、とわざと音を立てながら吸い付くようなキスを交わし、数度唇を重ねる毎に閉じた瞳を薄く開き、文字通り目と鼻の先で見つめ合う。そのまますぐに唇を重ねる。

 南美の余裕ぶった笑みはいつの間にか消えてなくなり、今はすっかり頬を上気させて息を荒くし、まどろむように薄められた瞳の奥には雌の色が見え隠れしている。
 そしてその瞳に映り込んだ自分の表情も、人のことをどうこう言えないような有様だった。こんな顔、他の生徒には絶対に見せられない。そもそも、今のこの状況が見せられるものではないのだが。

 唇を耳元に寄せ、耳たぶを食むついでにわずかな嗜虐心を乗せて囁きかけた。

「こんな姿、クラスの誰かに見られたら大変だぞ」

 どちらかと言えば大変なのはこっちなのだが、細かいことは気にしない。

「膝の上に乗って抱き着いて甘えてる姿なんて、南美のお姉ちゃんのイメージが一気に崩れちゃうな」

 わざとらしくそう言ってやると、南美はだらしない笑みを浮かべたまま額に唇を添えた。

「違いますよ。先生が甘えてるの。間違っちゃダメなんだから‥‥ちゅ」
 
 そのまま何度も、頬がほんのりと湿った熱に晒される。こちらからも仕返しのように、南美の頬の柔らかさを口先で堪能する。
 南美はそのまま首筋に顔を埋めると、囁くような呟きが耳に届けられた。

「‥‥もし、誰かに見つかって、それで先生が私だけのものになるなら、見られちゃってもいいかな‥‥なんて」

 興奮の熱とは別の色が南美の頬を染め、誤魔化すように唇が塞がれた。長く長くそれは続き、狙い通りと言うべきなのか、その感触に思考が鈍り何も考えられなくなってゆく。
 けれど唇が離れると真正面から視線が合い、南美は気まずそうにエヘヘと頬をかいた。

「とか言って、ホントはすっごくドキドキしてるんですけど‥‥」
「知ってる。さっきから心臓の音、伝わってるよ」
「うふ、触って確かめてみますか?」

 からかいの言葉にはいつもほどのキレが感じられない。逆にニヤニヤと笑みを浮かべてじっと見つめていると、唇を小さく尖らせて首元に顔を埋めてしまった。

「先生、イジワルです‥‥。そんな先生には、お仕置きが必要ですね」

 言うなり、首筋に口付け、何度も何度も同じ場所を責め立てる。ちゅっと音を立てて吸い付き、舌まで這わされる。
 もしかして、と思うと南美は顔を上げ、得意げな笑みを浮かべて見せた。

「キスの痕、ついちゃいましたよ。言い訳を考えておかないといけませんね」

 やっぱりか、と思って嘆息する。言い訳なんてまあ、虫に刺されたかなーとかとぼけておけばいいだろう。
 しかしまあ、なかなか大胆なことをしてくれるじゃないか。

「ったくもー。これはオレも仕返ししなきゃいけないかな」
「ダメですよ。女の子の肌は繊細なんですから」

 指先で南美の首筋に触れると、どれくらい本気かは分からないが、やんわりと拒否されてしまった。

「‥‥じゃあ、痕にならないくらいだったら、いい?」

 唇の先だけで、南美の肌に触れる。柔らかくてハリがあって温かくて瑞々しくて、ほんのりと甘くて。
 肌のケアには人一倍力を入れている南美だが、そんなことしなくたってこの子の肌はこんなにも甘美だ。いや、それこそが努力の賜物なのだろうか。

「もう、しょうがない先生ですね」

 まんざらでもなさそうな南美から、制服のブレザーを脱がせる。そのままブラウスにまで手をかけると少し驚いた顔をしていたが、抵抗はなかった。
 上から3つほどボタンを外し、胸元をはだけさせる。豊満な胸の谷間が露わとなり、思わず視線が吸い寄せられた。

 魅惑の狭間へ顔を埋めるように近づき、ゆっくりと鎖骨の辺りに唇を寄せる。南美はぴくりと体を震わせて反応しながらも、それを受け入れるように優しく抱きしめてくれた。

 吸い付かないように唇を触れさせるだけに留め、物足りないぶんは舌を這わせて南美の肌を堪能する。静かに、ほとんど音を立てることはなく、教室に響いているのは南美の悩ましげな吐息だけ。鎖骨から胸元へ、胸元から首筋へ、首筋から頬へ舌を伸ばし、耳を唇で食んでから、唇へと帰還を果たす。

 そこへ辿り着けばもう遠慮することはない。思うさま南美の味を楽しませてもらう。

 南美は唇の離れた隙にそれ以外の場所、頬や首筋などを遠慮なく責めてくるので、首から上がキス痕だらけにならないか心配だ。そこまでいくとさすがに言い訳を考えるのに必死にならざるを得ない。

 気付けば2人とも、すっかり無言でお互いを求めることに必死になっていた。乱れた呼吸音に混じる、淫靡な水音。少し前までは生徒たちの喧騒で満ちていたはずの教室内に響いているのは、今はそれだけ。

 唇を触れさせ、食み、舐め上げ、混じり合った唾液が滴り落ちてアゴを濡らす。 唇を合わせながら、露わになった南美の肩や胸元に指を這わせる。南美もオレの耳や鎖骨に触れ、互いの感度を高め合う。
 どちらもすっかり、ここがどこかなんてことは忘れてしまっていた。遠慮も恥じらいも忘れてしまったように、激しく湿り気を帯びさせながらぶつかり合うような口付けを繰り返していた。

 息継ぎも忘れてしまいそうになるほど熱烈な唇の混じり合い。感じられるのはもはや吐息ばかりで、体温は同化し触れ合った部分が溶けて1つになってしまったのではとさえ思えてくる。

 顔を離して見つめ合うと、視線は飽くことなくその唇に引き寄せられて、ごくりと喉が鳴った。肌に触れる手を口元へと伸ばし、より鮮明にその感触を確かめるかのように指先を口内へと沈めた。南美はそれに応えて、侵入した指に舌を絡ませてくれる。
 南美も同じように指先を口の中へ押し込み、細くしなやかな指先を舌で感じる。火照った体の熱は指先にまで届けれられていて、普段は握れば少しひんやりとしているそれも、今は口腔でなお熱く感じるほどに熱を孕んでいる。

 指先を咥え合って、じっと見つめ合う。たったそれだけのことのはずなのに、興奮が止まらない。南美の指が歯をなぞり、それを追うように舌を動かす。こちらからも同じようにすると、指先は舌に絡めとられてしまう。

 やがて、ゆっくりと指を引き抜くと、蛍光灯に照らされたそれがぬらりと怪しげな光を放っていた。
 南美は愉しげに微笑んでポケットからハンカチを取り出すと唾液に濡れた指先を拭ってくれて、自分の指も綺麗にしてから再びしなだれかかるように顔を寄せた。

「‥‥先生、まだ満足できませんよね? 知ってますよ。先生は欲しがりさんですもんね」

 答えも待たず、唇を奪われる。抵抗などするはずもなく、それを受け入れる。
 南美の言う通り、まだまだ満足なんて出来るはずもなかった。南美の唇も、肌も、指先も、なにもかもが愛しく情欲をかき立て、日々変化を続けるそれらを追い求めずにはいられない。
 昨日の南美と今日の南美は違っていて、一昨日の南美も先週の南美も知っていたとしても、今日の南美も知りたくて仕方がない。南美の言う通り、オレは欲しがりなんだ。

 身体全体で南美を感じられるよう、ぎゅっと抱きしめて身動きが取れないくらいに密着する。それでも顔と口先だけを動かして、決してキスを止めることはない。
 肌をこすり合わせるようにして動き、視界を南美で埋め尽くし、瞳の奥を覗き込んだ。
 そこに宿る光は薄く、あるのはただオレを求める熱い欲望。

 南美だって欲しがりのくせに、我慢できないくらいこうやってオレのことを求めてくれるくせに、それを可能な限り口に出そうとはしない。
 欲しいとかシたいとか言わせたがっているけど、そんなのこっちだって同じだっていうのに。

 オレは南美と額と鼻先をくっつけて、唇が触れ合わないようにお預けの姿勢を取った。お預けを喰らっているのはもちろん、南美だけでなく自分もなのだけれど。

 唇に、南美の熱く乱れた吐息がかかる。南美は瞳に戸惑いの色を乗せて、じっとオレの目を見つめていた。

「‥‥先生? どうしたんですか? 遠慮しなくていいんですよ。もっと、先生がシたいだけシてください」

 余裕を保とうとしながらも少しだけ早口になっている南美をじっと見つめたまま動かない。南美が焦れたように身をよじるが、それでも離さない。

 と、そこで南美はその意図に気付いてしまったように、一瞬だけ目を丸くして、うっすらと慈しむような微笑みを浮かべた。
 なんだろう、甘えてほしかったはずなのに、ものすごい甘えているみたいになってしまった。ちょっと悔しいが、こうなったら目一杯期待に応えてもらおう。

「ふふ、先生は本当に仕方ないですね」

 少しだけ余裕の態度を取り戻し、南美は少しだけ身を引いてから頬を合わせるように抱き着き直した。心地良い吐息に乗せて、囁き声が届けられる。

「‥‥先生、いっぱいいっぱい、キスしてほしいです。私は先生が大好きですから、私のこと、全部先生のモノにしてほしいです」

 言って、南美はなぜかしばらくその姿勢のまま動きを止める。

「‥‥なんだか、改めて言うと恥ずかしいですね。それに、嘘でも演技でもありませんし」

 言って欲しかった台詞よりも、その言葉のほうにドキリとしてしまった。
 あれだけ激しくキスをしていたというのにそれだけでなんだか急に気恥ずかしくなって、抱き締める手に思わず力がこもる。

「‥‥先生」

 抱き返され、囁く声が孕む熱は、先程よりもいっそう艶を帯びて耳に絡み付いた。

「‥‥キスだけじゃなくても、いいんですよ?」

 その言葉の意味するところが何なのか気付かないでいられるほど、オレは清純な人間ではない。

「先生が期待してるの、伝わって来てます‥‥」

 南美は脚の上に跨って座っているのだ。気付かないでいるほうが無理な話か。

「ここ、学校だけど?」
「ふふ、学校でするなんて、興奮するじゃないですか」

 自分で言った言葉を返され、苦笑と共に愛しさが募る。

「せんせ‥‥んっ、ん‥‥」

 左手で頬を撫で、唇を重ねながら右手は下へ。膝から腿に触れ、少しずつ上へと滑らせる。
 スカートの中まで手を差し入れ、そこに隠された布の端に指先が触れた。

 じっと南美の目を見つめる。南美は笑顔で見つめ返してくれる。

 指が布の端を滑り、そっとその中へ指を――

「――南美? まだ残ってるの?」

 ガラガラッ、と開かれた扉の音に、ビックゥッ!と大げさなほど全身を跳び上がらせて、オレと南美はそれぞれ別の席に姿勢よく着席を果たした。
 破裂するんじゃないかというくらいに心臓が暴れまわり、全身から冷や汗を吹き出しながら2人で向き合ってお行儀よく椅子に腰を下ろすという、面接でもしていたのかというような謎の体勢となっていた。しかも南美の胸元は全開だ。

 そこに姿を現したのは、紗里衣。教室に残っていた2人を見て、目を丸くしていた。

「‥‥な、なにしてんのよあんたたち」

 密着していた場面だけは見られていないはずだが、どう見ても不自然な様子に戸惑いの声が漏らされる。

「さ、紗里衣ちゃん!? べ、別にナニもしてないわよ全然怪しくなんてないわよねえ先生!」

 大慌てで全力で否定し、むしろ怪しさを力いっぱい表明している南美である。気付かれていたかどうかは分からないが、今この瞬間に気づいてしまったのではなかろうか。

「‥‥て、ていうか南美! あ、あ、あ、あんたなんて格好してんのよ!」
「今日はなんだか暑いわね!」

 顔を赤らめて叱責する紗里衣に、同じく顔を真っ赤にして胸元をパタパタしつつ、わざとらしく手で顔を扇ぎだす南美。

 なんてこった。慌てた南美は、ポンコツ可愛いじゃないか!

「せ、先生も黙ってないで何か言ってください! な、ナニもしてないですよね!」

 急にこちらに話を振られ、オレはさりげなくベタベタになった口元を拭う。焦っていないわけではないが、目の前でこれだけ慌てられたら嫌でも冷静になるというものだ。

「ああ、何も無いよ。勉強を教えてただけさ。で、紗里衣はこんな時間になにしに来たんだ?」

 適当に答えて尋ね返すと、紗里衣は「うっ」と言葉に詰まって視線を逸らした。

「‥‥か、帰ろうと思ったら、南美の靴がまだあるのが見えて、もし、何か困ってることがあるんだったら‥‥‥‥あ、明日の戦闘に支障が出るかもしれないから気になっただけよ!」

 顔を真っ赤にして激しく睨まれてしまう。いつも通りとても素直な紗里衣である。

「あ、あんたがいるならもういいわ! 南美もとっとと帰りなさいよね!」

 ピシャ!と扉を閉めて紗里衣は去って行ってしまった。足音が遠ざかっていくのを聞き届けて、南美はハァ~と息を吐いて大きく肩を落とした。

「‥‥びっくりしたわ。紗里衣ちゃん、気付いてなかったかしら‥‥」
「南美の慌てっぷりでナニかに気付いたきがするよ」
「だ、だって‥‥! もう、なんで先生はそんなに落ち着いてるんですか!」
「これがオトナのヨユーってやつさ。わはは」

 いい加減なことをうそぶくと、唇を尖らせた南美に胸を小突かれた。可愛い。

「で、続きする?」
「‥‥しません。ドキドキしすぎちゃって、集中できそうにありませんし」
「そのほうが興奮するんじゃないの?」
「バレるかどうかっていうドキドキとは違うんですっ! バレちゃったあとはダメなんですっ!」

 わりと大胆に性癖を暴露している気がするのだが、いいんだろうか。
 南美はもう一度ため息を吐いて、ブラウスのボタンを締めながらちらりと上目遣いの視線を寄越した。

「ごめんなさい、先生‥‥。その、先生がどうしても収まらないというのなら、お応えするのもやぶさかではないですけど‥‥」
「いや、いいよ。一回止まっちゃうとどうしても萎えちゃうしな」

 南美の視線が一瞬だけ下方に向けられたのは気づかない振りをしておいた。

「ですよね‥‥ごめんなさい」
「誰が悪いわけじゃないって。敢えて言うなら、こんな場所で誘っちゃったオレかな」
「そ、そんな‥‥! なんだかんだ私も楽しんじゃってましたし‥‥!」
「――だから、次は落ち着いた場所でゆっくり‥‥な」

 南美はぽかんと目を丸くしてから次第に口元を緩ませて、そっとオレの頬に手を添えて顔を近づけた。

「うふ、そうですね。次は、ゆっくりと‥‥」

 南美はいつもの大人びた様子で微笑んで、最後にもう一度だけ、口付けを交わした。

『南美さんとちゅっちゅしてるだけ』

 ちゅっちゅしたかったので書きました。初めて公開するマジガ作品がこんなのでいいのか‥‥
 自分は甘えられたがりなのでお姉ちゃんタイプのキャラにハマるのは珍しくて、けど南美さんにハマったのは時々甘えてくれる姿にツボったからなので、わりと平常運転でした
 とはいえ南美さんがお姉ちゃんキャラである以上その部分を完全に殺してしまうわけにもいかず、自分の性癖と南美さんの性格をどう折衷させるかで悩みました。お互い求めるものが同じだったらこんな感じかなーというイメージで書いてみましたが、展開的にもそれほど無理なく書けたんじゃないかなと思っているのですがいかがだったでしょうか
 今回は前回の綾波と少しでも違いを出すため、舌は入れないという制約を設けて書いてみました。それによってプレイの幅を出すのに悩まざるを得なかったので多少は似たり寄ったりを回避できてるような、結局同じことしてるような、同じテーマで書くのはやはり難しいです
 書きたいキャラがそう多くないので難しいですが、また他にも書こうと思っているのでその時はゼヒまたご拝読いただければこれ幸いでございます。
 読了ありがとうございました

『南美さんとちゅっちゅしてるだけ』 くらうでぃーれん 作

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日 2018-05-22
Derivative work

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