きみは きっと 新しい顔のことを考える
きみには どこにも顔がなく
でも
こうして 泣いている
きっと
別の顔の 仕業なんだ
きみの 憎悪
きみは 新しい顔のことを 考える。
深夜の 近親憎悪な 友人たち
トイレの鏡に沈んだ 暗黙
張り合わせた顔。
ありあわせで セーブする、
きみの 完全なモザイクの 片鱗 に
ため息の
死臭 と メトロノーム が 洩れた気がした。
きみの 側を
かすれて 消えた 誰かの。
彼が 別の未来を 思うとき
床の上に凝固した
きみは
右も 左も テーブルの悲劇も 燃え尽きたベッドも わからない。
そして いつか
ありふれたエゴイスティック な 計略の蓋然性に
翻弄された
残り僅かな確率 爆撃数分前
きみは
繰り返されていた数年間
長く
本気で
告げられなかった言葉を、
なつかしむんだろうね。
最初から 生まれてこなかった 人間 のよう に
ね。
きみは きっと 新しい顔のことを考える
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