真実
どこにいるのだろう。見知らぬ世界へ来たようです。
遠くで幼児が泣いている。その幼児は母親に何をしたというのか。
静寂がまた1つの交響詩を奏でる。
なんて静かな宇宙の念仏なのでしょうか。
なんて遠のいていく宇宙の泣き声なのでしょうか。
遠くに潮が流れているようだ。海の波の調べが、微かに遠い遠い美しい過去を呼び起こす心の沈静。
私は知らなかったのです。母親が誰かを呼んでいる。
私の質問に答えてください。
私の事象が横に広く広がっていく。
心の大きさには広々としたゆとりがあるのです。
夜の波の音色が青い印象的な女性の麗しさになった。
そんな美しい調べがあったでしょうか。
見知らぬ天の広がりは何て青い御心の蝶蝶。
青き天を自由に飛翔する蝶蝶。
それは高いみそらの山の孤高なる飛天。
その上に望む宇宙に流れる雄大な天の川のダイナミズム。
自然の大きさに憧れて空を可憐に舞う大鷲の雄叫び。
その雄大な飛行フォームは雄弁な政治家の演説に例えたくなるのです。
夜が明けるのだろうか。私の夜がやっと明けたのだろうか。
もう私にはわかります。
大鳥居を抜けたここからが神の領域であり、もう人間の世界ではない不可心議な異郷の天女の住む時空。
そこに夜明けの合図を知らせるニワトリの泣き声。
田んぼの水が稲穂に命を与える。その水面に月の光が青く照りつける。
そこに山の偉大さが月の光に浮かび上がった。
月の光は天から降り注いだ安らぎの故郷のリズム。
星が回転するテンポと同調する十字架のライン。
そして、田んぼが淡白い月にほんのりと照らされた。
その中を神様が歩いて行く。
そして月を抱えて神様が田んぼの真ん中に立った。
人間の形状に似た超越する流動体。
体の形状が様々に変化する諸行無常の不可思議な模様。
青い世界が一層青くより深みを増して沈滞する白夜の奇行的な空中世界。
なんて美しい流線形のラインなのでしょうか。
頭上には星々が燦々と煌めき動いている。
神様は不可思議な虹の光を発光する。
世界の創成を超越した御神体の心。
心は和み癒されていく。そんな救いの全音階の精神。
それは天に浮遊していく念仏の音階。念仏のメタモルフォーゼの儚く点灯するホタルとの思い出。
ホタルはすでに知っているのです。
ホタルがその御神体の周囲を公転する。何万のホタルが光で包みこんだ。
天からは月の光が指し込み、さあ、天国への道標を指し示すのです。
一直線の地軸が存在するように、天からの大いなる精霊の青い微笑が煌めいて、ぱっと灯す生命の御線香。
数多の自然の精霊が静かに飛行して回転し美しく円運動する大銀河。
その天の川の中を御神体が不可思議な静けさで上昇していく。
天の川の雄大な流れに、身も心も故郷に帰っていく。
御神体は美しく飛翔する天女から拝まれて、天へとはるか彼方の夜空に昇天していく。
森と川と海が音をたてて、自然は大合唱し天の川の高らかな賛歌で青春の夢を叶えた。
そして、御神体は昇天しました。
御神体を天に昇らせる儀式は天から降り注ぐ光で行ってしまいました。
自然の真理はこのような所にあったのです。
この次元を超越した宇宙の営みで創成される素粒子の美しさ。
日本の美意識の結晶が存在している。私は広大深遠な宇宙に大声で感動したのです。
私にとって真実は、私の頭脳になるのです。
私と世界の二次元的な融合はどのような変化を起こすというのか。
真実