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ぼんぐ

蝉はどんな気持ちで声を上げるのだろうか。
ただ、命のサイクルを乱さぬように声を上げるのか。
それとも親の教えを守り、人間という不規則な生き物に邪魔させずにサイクルに沿って生きるために声を上げるのか。
ただの強がりなのか。
私たちが知る術がないのは言うまでもなく、あくまで推測の中でしか答えは出ない。

ただひとつ、私が聞こえる彼らの鳴き声の本当の意味は、
『生きた証』
である。
死を逃れようと日々、叫び続ける。
死はいつもすぐそこにあり、自身が諦めたとき、それは一気に襲う。
生きる。という気持ちが彼らの声となって漏れ出している。一週間という限られすぎた時間を脱ぎ捨てた過去の自分に捉まらないように声を上げ続けるのだ。

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-26

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