楽器を使って演奏する俺たち!

楽器を使って演奏する俺たち!

チェロとかピアノとか弾いてて思いついた作品です。
…まぁ、楽器を見たら分かると思うのですが…
吹奏楽部に入れなかったんですよね~。幼稚園から剣道やってたんで剣道部に入りましたが。
まぁそうさせないように、こんな部活があったらなと、…めちゃくちゃ長いんですけど。
自分は楽器をやっているので実体験が入っているかと思います。

変な部活に入ったしまったなと思う。
だた後悔は、してない。

市立歌道高等学校、交響楽部部員名簿
【男子】
ヴァイオリン:藍川 恭介(2年)若島 悠也(2年)立石 啓太(1年)
チェロ:霧島 響(1年)飯山 利之(1年)
トランペット:島村 彪(1年)松下 信次(1年)夕島 光輝(2年)
チューバ:城嶋 敦(1年)田中 竜(1年)
ピッコロ:吉井 悟(1年)
クラリネット:月山 浩(1年)天童 光(1年)
打楽器:畑田 衛(2年)黒木 凛太(2年)
ピアノ:霧島 響(1年)
指揮:大島 影
【女子】
ヴァイオリン:霧島 詩音(1年)
ヴィオラ:武井 千春(1年)山下 香(1年)
トランペット:緑 真(2年)
ホルン:江藤 有加(1年)
トロボーン:雁尾 メグミ(2年)
フルート:相馬 歩(1年)
オーボエ:小西 瑞穂(1年)

交協楽部へ

桜の花びらが、ひらひらと舞っている中俺は歩く。
桜を見るともう、4月の終わりを教えているかのように、ぽつぽつと、緑色の葉っぱが見えている。
高校に入って、2週間を経とうとしている。
…いや、今の自分にはこう言うべきだろう。部活に入らず、もう2週間になってしまった…
別に入りたくないとは思わない。いやむしろ入らなきゃいけないんだが…ただ、自分に合う部活が無い。
この学校は音楽に力を入れている…が
チェロとかは…吹奏楽部に入れないだろ。運動部も良いが、やっぱり音楽が良い。
と言っているうちに、正門に着いてしまった。
そういえば入部届けって提出は…やばい…今日だ。
とにかく、掲示板に行こう。なにか、入らないと…
下駄箱に着くと…あれ、俺の下駄箱、何処だっけ?
「霧島…霧島…」
「あ!ここにありますよ!」
ん?女の子が手を振っている…おもわず回りを見渡した。あ、俺か。
「霧島 響君って言うんですね!」
「あ~、うん…君は」
「あれ?同じクラスですよ?わかんないですか?」
う~ん…
「ごめん。わからん」
「霧島 詩音って言います!同姓ですね!」
んん?…隣の下駄箱には霧島と書かれている…
ってかそんなこと言っている場合じゃない。
「一緒に掲示板、行ってくれますか?…すみません、部活、決めて無くって…」
お、味方がいたぞ。んじゃ俺も行こっと。
うなずくと、笑顔で行きましょうと行った。
良い子だな。まぁ、考えは…多分俺と同じだな。木製のかばんを持っているから。俺は背負ってるがな。
「ん~。ないな」
「ですね~…あ!」
と霧島が紙を取った…て、おい!取って良いのかよ…だが、俺たちにぴったりの部活らしい。
「「交協楽部」」ハモっとるし。
「霧島、お前の楽器は、何?」
「私は、ヴァイオリンです」
へぇ~と心の中で思った。ってこの紙。入部条件が書いてるぞ?
「え~と、何々?」
1.楽器をやっている時間が5年以上。
2.朝練、昼練、夕練があります!
3.初心者NG!うまい人待ってます!
4.あ、楽器はなんでもOK!あ、部室は視聴覚室です!
123は分かるが…4はねぇだろ。あ、ってなんだよあ、って。
「厳しいな。俺はいけるが…霧島は?」
「私もいけます!っと言うより…漢字、間違ってないですか?きょうって言う字」
「ま、良いだろ」
俺たちは入部届けに【交協楽部】と書いて、職員室に提出した。
「じゃぁ、お昼に視聴覚室に行きましょうか!」
「あぁ」


『キーコーカーコー』
心に響かないチャイムが鳴る。もうちょっと震わす感じでなれば良いのに…
「あぅ!霧島さん!」
「おうぅ!なに?びっくりした」
急に…ほら~周りの人もこっち見ちゃってるよ~…
「行きましょう!ささ!行きましょう!」
「早い早い、お昼食べてないし」
「がう!だから行きましょう!向こうで食べましょう!」
がうって、…まぁ良いか。
視聴覚室前にきてノックをした。
「あ!入っていいでぇ~」
え、関西弁?!
入ってみたらざっと30人弱ぐらいか。コレだけで演奏すんのか。
「ほぉ~君らが最後の新入部員かぁ~」
じろじろと舐めまわすように見てくる。あまり良い気分ではない
「よし!合格!わしは大島 影!よろしゅうな!」
「あぁ、よろしくお願いします…」
「お願いします!」
とそこの男の子(ちょっと幼い感じ)がこっちに来た。
「うあ!君、もしかしてチェロ?」
「あぁ、うんそう」
「おぉ!よかった!おれだけかと思っちゃった!よろしく!」
…良いやつだな。ちょっと『俺』って言うときが言いにくそうだが
「おれは飯山 利之(いいやま としゆき)って言うんだ!」
「俺は「知ってるよ!霧島 響(きりしま ひびき)だよな!」
…あれ?自己紹介したっけ?
「あー、最後やったからもうゆうてもうた。すまんな!」
…むしろそっちのほうが助かる。ありがとさん、大島さん
「めしくおーーーぜ!大島さん!腹へてしょうがネーーよ!」
ビビッタ。声でけーあのひと(体がごつい)、部屋の端だぞ?
「おぅ!すまんな!畑田(はただ)!…よし!みんな、席に着いてや~」
とりあえず、霧島と隣に座った、っと思ったら、俺の右に飯山、霧島の左には大島さんが座った。
「よっしゃ!今日から本格的に部活することやし!最後の砦もきたし!しっかり食うて部活をやろう!行くで~?」
「手を合わせて~」
「ご馳走様でした!」
…いや!
「終わっちゃいましたよ!だめっすよ!いただきますでしょ!」
ドッと笑いが広まった。飯山がお前、サイコーっと言って笑い転げている。
「はは、は~、おなか痛い~、ほな!本番や!」
「いただきま~す」
「「いただきま~す!」」

お手並み拝見

お昼を食べ終わって、皆、楽器を取り出す。
「いや~実はな、今日、皆初めて部活すんねん」
えぇ!マジか。
「大島さーん!ヴァイオリンの人て女の子1下種3っすか?」
下種って…男(ちょっぴりのっぽ)の人が言っている。
「あぁ!そうや」
「影さん。ピアノの人いないよ?どうする?」
男(前髪をくくっている)が大島さんに言ってきた。あ、俺できる。
「俺、ピアノできます」
言っちゃったよ…俺。
「マジで?ちょっと弾いてみてよ」
…ってか何で視聴覚室のピアノがあるんだよ。
さて、何を弾こうか…ここは胸をはってショパンか?…いや、皆知ってるモーツァルトでもいいな。そう考えているうちに後ろから
「…なあ、アンタ、さっきから気になっていたんだが…」
ん?
「霧島 綾華の息子?」
あ~まぁいいか
「…そっす」
いきなり目を輝かせて
「じゃあさ!ショパンの『12の練習曲 作品10 第4番嬰ハ短調』やってくんね?!」
「あぁ、エチュードっすか、良いっすよ」
お!今気づいたんだが奥にもアップライトがある。…エチュードだから、グランドで良いか。すこし、深呼吸をしてから、最初のドを力強く弾いた。

「おぉ…すんご!」
「こんなやつ入ってきたのかよ…ぱねー」
「霧島さん!すごいです!」
…あれ、いつの間にか皆こっちに来ていた。
「すっっっっげーーの!!入ってき、いてっ!!」
「あんたうっさい!」
…お、コントが…
「さて!次はあんたや!詩音ちゃん」
「が、がう?私ですか?」
「そうや、確認をしてないんはあんたらだけやねん」
と、トントンと肩を叩かれた。振り向くと、さっきの『あんたうっさい!』といって女の人(ちょっと美人)が話しかけてきた。
「あんたさ、あの子の兄弟?」
「いや、実のところ、会うのは今日がはじめてっす、だた、どっかであったような気がするような」
「そう、あ、ちなみにあたしは武井 千春(たけい ちはる)あんたと同じ、1年だから」
「あぁ、そう」
ちょっと安心。なぜだかわかんないが。
「あの子とは友達なんだ、よろしくな」
ちょっと男っぽい言葉を使ってるんだな。
「何弾こうかな~」
う~と唸る霧島、そこにのっぽがきて
「自分が覚えている、難しい曲弾いてみてよ」
「分かりました!」
んーとほんの少し悩んで
「じゃあパガニーニの『カプリス第24番』でどうですか」
「「おぉ!」」
…つい自分も声が出てしまった。それは結構難しいぞ。俺だって完全に覚えるまで1ヶ月掛かったのに。
「すみません。霧島さん、ピアノ、お願いできますか?」
え、俺?
「あぁ、良いけど『伴奏』はやらないぞ?それでも良いなら…」
「はい!お願いします!」
シン…となった。皆気づいているのだろう。
「死ぬなや…」
「なにいってんすか!」
「よし、準備OKです!」
「行くか」
「「せーの」」

交響曲第7番イ長調 第1楽章

「「おぉ!!」」
燃え尽きた…それは、霧島も一緒らしい。…口から白いものが上っている。
「きまりやな!今日の曲!」
「俺たちの演奏の感想は?!」
…忘れてたみたいな顔するなよ…
「…すご、かった、です…」
クラリネットを持っている男(気が弱そう)が言ってくれた。それに続いて
「ホント!よかったじゃん!びっくりしたよ!ぶっ飛びー!」
オーボエを持っている女(いまどきの女)が言う…ぶっ飛びーって何?
キーコーカーコー
「「え~」」
もう終わりかよ!早いな~
「よし!今日の放課後は、…屋上でやろか!」
「「はい」」
「曲は」
「ベートーヴェンの交響曲第7番イ長調 第1楽章や!」
「わしがゆうたとこを演奏してや!」
大島さんが行ったところはベートーヴェンの交響曲の中でも最もリズムカルともされているため、
それを聞いてる人に教えるためにその魅力をハイライトで編曲されていた。別に俺は良いけど。
って、ん?
「それって」
「まぁあとでゆうわ!そら!授業や!」
…そういうとこなら大変だろう。それは皆思っていたらしい。まぁそれはさておき授業だ。急いでいかなければ。俺と霧島は2-5に戻った。
教室の戻ったら音楽の先生に怒られた。それにしても大島さんに言われたあの曲。演奏はできるが…楽器が足りないぞ。まず、コントラバスがないし、色々…
「こら!霧島!聞いているのか!」
「はい!!聞いてます!」
お?霧島が怒られている。何してるんだ。
「あ~…霧島じゃない…そこの霧島だ!」
…あ、俺か。
「なんすか」
「話を聞いていなかった罰にコレに答えろ!」
お!懐かしい!シューマンの『鬼ごっこ』だ!子供ン時よく弾いていたな…
「…で?鬼ごっこが、何か?」
少し先生が悩んだような気がした。そして、ピアノのほうに指を指した。
「コレを楽譜なしで弾いてみなさい!」
クラスがすこしざわっと騒いだ。んなもん無理だってとか、先生卑怯とか、別に俺は良いけどな。
「じゃぁ、行きますね」
鬼ごっこ。まさに追いかける側と追いかける方の心情が表された曲。ここの、中間部の最後の所を少しずつ、滑り台を降りていくようにブレーキをかけて、と、それに、続く和音は、やっとの思いで、鬼が捕まえたところ。
まぁ正直なところ、鬼ごっこも好きだけど『十分幸せ』も好きだったな。
「はい、終わりました」
と言う声に反応したのか。皆拍手をくれた。
「…戻ってよし」
「うっす」

そこでチャイムが鳴った。今日は5時間目だから、この後屋上の行かないと。
「いや~!すごかったですね!」
「どーも」
「私たち苗字同じですね!」
「あぁ、そうだな」
俺も自分で自分の苗字を言うなんて、なんか違和感が…
「じゃあー名前で呼びましょうか!」
お、その手があったな。
「じゃぁ屋上行くか…えっと……しおん?」
「はい!響くん!」
俺たちは楽器をもって屋上に行った。
「おぉ、霧島兄弟だードーモー」
すっげえ棒読み。しかし、ヴァイオリンを持っているので、詩音の知っている人だろう。
「もう!藍川先輩!兄弟じゃないですって!」
「そーなのかー」
…のほほ~んとした男だな。
「さーてと!あとは、緑だけやな!」
と大島さんが行った瞬間。
「すんまっせん!遅れたとたい!」
…ん?何弁?
「おう!遅かったやんけ!どないしとってん?」
「えーっち家庭科室で料理ば作っちいて…えへへ、い、ぴしゃーっと皆しゃんがともあっけんんで!安心しちゃってん!」
「おう!ほーかほか!終わったら頂戴や!」
「がとかったんやけん!」
何言っているのかわからん。つか会話が成立している時点で、すごいと思った。…あまりにも何言ってるのか、分からなかったから、大島さんに聞いてみた。
「博多弁や!おもろいやろ?何言うてんのかよう、わからへんかった!」
あははと笑っている。え、いいのか?
「さて!おしゃべりはここまでや!ほな、はじめようか!」
ちょ、
「コントラバスがいませんよ?」
「ん~チューバでいいやん?」
「てきとーだ!」
チューバという声に反応したのか、さっき紹介された城嶋 敦(じょうしま あつし)と田中 竜(たなか りゅう)が駆け寄ってきた。
「わぁんど、コントラバスのどごば吹ぐはんですだな?」
津軽弁は城嶋。
「じーし!そんじゃ、城嶋!ちゃんと真面目に演奏しごつね!」
この宮崎弁が田中だ。真逆の地方なのに、言葉が通じているらしい。つかこの部活。方言使う人多くね?
「じゃ!質問はないな?ほな!場所についてな~」
えーと俺はチェロだから~お、飯山だ。
「おい!響!ここだとよ」
オーケストラの配置だと普通にそこだ。と言いたかったがやめておいた。めんどくさ~い。
「ほな行くで!」
大島さんがしなやかに、かつ、ハッキリ。指揮棒を振る。それに合わせて、楽器を使って演奏する俺たち。みんなの音色もしなやかにハッキリと空中に音色を飛ばす。
さすがに、屋上で演奏しているので、色んな人に聞かれているが、俺は別に良い。むしろ聞いて欲しい。多分、この学校の吹奏楽部よりうまいぞ、絶対。楽譜が無いって言うハンディもあると言うのに。
最後のフレーズはゆっくり、時間を告げるかのように、終わった、と同時に歓喜が広まった。
「いやーッ良かったやんけ!」
「いっやほーーーい!!!俺の打楽器!!完璧!!」
「ぴ、ピッタリ、でした、ね」
そうだな、ぴったりだったな。とそこに緑 真(みどり まこと)さんが来た。
「皆しゃん!ぴしゃーっと出来よるんでクッキープレゼントしたばいいっち思いましゅ!どげんぞ~」
ん?…クッキーを突き出している。食べろと言っているのか。
ん!うまい。これ、ねちゃねちゃしてるが、うまいぞ。…だがそんなことを思っているのはどうやら俺だけらしい。
「真…これ…まずい」
「!?」
「すまん、わしもこれは、…なぁ?藍川?」
「うん~ねちゃねちゃしてるね~」
「すんまっせん!すんまっせん!!そげんまずいやか?」
「「あぁ、とても」」
…俺は。
「俺はうまいと思うっす」
「き、霧島さ~ん!」
い、いや、抱きつかれても、困るんだが、色々。

それから俺たちは部活を終わり下校していた。途中まで詩音と一緒らしいから、一緒に帰っている。
「今日は、疲れたな」
「お!今日はじめて響君から話を振ってもらえました!」
「そうか?」
…そういえば、そうかもしれない。
「響君!今度、また!楽器を使って勝負しませんか?」
「勝負、て今日のカプリス見たいのをか??」
「はい!今日は負けてしまいましたが…次は絶対勝ちます!」
あ、俺、勝ったのか。
「じゃあ私はここで」
「俺はこっちだ」
ここで俺たちは別れた。…と思ったが詩音が此方を振り返ってこういった。
「また!!明日!ここで会いましょう!!」
『また』、俺たちはここで会う。
「またな!詩音!」
ちょっと遠かったから大きめの声で言ってみた。
「「またここで!!」」

楽器を使って演奏する俺たち!

どうも、べラントです。
いや~実のところ、コレで終わりなんですよね。
ただ、なんとなくで書いたんで…もし続きが気になる方はコメしてもらえれば、書くつもりなんで。よろしくです。
で、次回作、何ですが…剣道とか、自衛隊とか、救急隊とか、色々ありますが…
書きたいものから書きたいと思います。
この場をお借りしてお礼を言いたいと思います。
友人aさん。いやーお世話になりました。方言とか、マジ有難うございやした。いぇい。友人a~みてるー?
友人bさん。がりがり君、梨味、コンポタージュ味有難う。おいしかったよ。おかげでおなか壊したよ。本当にありがとう。
自ら編集長と名乗っていた友人c。カレーおいしかったよ。有難う。でも、カレーの中にタバスコはいけないね。うん。からかったよ。
そしてコレを見てくれたみなさん、本当に有難うございました。

楽器を使って演奏する俺たち!

俺、霧島 響は今、部活決めで迷っている。 とそこで、霧島 詩音と言う、同姓の女と出会う。 彼女も部活で迷っていた。 掲示板を見ていたら初心者NGの部活『交協楽部』と言う部活を見つけた。 二人とも初心者ではないのでいざ、入ってみると… 青春コメディーで送る小説。時に、クラシックの解説もあり!

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-16

Copyrighted
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Copyrighted
  1. 1
  2. 交協楽部へ
  3. お手並み拝見
  4. 交響曲第7番イ長調 第1楽章