王道ラブコメなんて信じない5

サボタージュミッション失敗して渋々応接室に向かうことになった。
応接室の使用用途は理事長の説教か、来客が来たときのみ。もちろんサボり魔の俺は担任に強制連行されて小一時間説教という名の聞き流しをしていた。いや、あの時はマジで辛かった。反省文書いたら「皮肉は書くな」という旨の説教を食らった。
そして、応接室に到着。

「やっぱりアンタか」
『西野紫』俺の担当編集でお節介焼きだ。おかんより面倒くさい。スピードワゴンよりお節介焼きだ。たまに毒を吐くこの縦ロールは侮れない。
「自分の担当に向かってアンタはないでしょ?」
「で、何の用ですか?わざわざ学校に来てまで、大体締め切りは二ヶ月後ですよ?しかももうそっちに送ったんだから要はないでしょ?」
そういうと、西宮先生の方を見るなり
「探偵部ってのが出来たんでしょ?今書いてる作品もそろそろ終わりに近くなってきたし、探偵部を元にした作品を書いてみない?」
といった。
「あ、その手があったか。新作のネタが出なくて困ってたしちょうどいいかもな」
まだあと何巻かあるのに新作の催促がきて困ってたからいいかも知れないな。
「とりあえずよろしくね。あと、ファンレター届いてるよ。サイトから来たのもまとめてるからね」
働きすぎだろ。ファンレターとか、読んだことないな。段ボールに詰めてそのまま放置してるな。開けてないしカビてないかな…。
「紫。無理はしすぎないように。無理しすぎて婚期を逃さないようにしなよ」
「はーい。悠子もほどほどにしてね」
婚期を逃した女の卑劣な争い…。醜い争いだな。
「知り合いなんですか?」
「幼なじみだよ。昔から変わってないな。まぁ、そんなことはいいんだ。部室に戻るぞ」
そういうと部室に向かった。

王道ラブコメなんて信じない5

王道ラブコメなんて信じない5

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-21

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