王道ラブコメなんて信じない2
俺は委員長の口車に乗せられ、そのままあったカフェレストランことガストに入ると
「あ、星宮くーん。こっちに来なよー」
金髪の男が俺の名前を呼んだ。なんだっけ?とりあえず金髪だから金髪と呼ぶとしよう。
「馴れ馴れしく呼ぶな。はぁ、隣座るぞ」
俺は金髪の隣に座った。
「え?何で橋本さんが…?」
委員長が金髪の向かいの席に座ってる不良を見て驚いた。とりあえず不良と呼ぼう。まぁ、この2人の名前は知ってる。金髪こと『樫村琉斗』と不良こと『橋本薫』だ。とりあえずめんどくさいので金髪と不良と呼ぼう。
「別にいたっていいだろ。いちいち面倒くさい奴だな」
「不良は繁華街にでも行けばいいんじゃない?こんな所に何でいるの?」
「何で、お前らはうちを追い出そうとするの?」
と、俺はとりあえず追い出そうとしたらあいにく反論されてしまった。
「橋本さんは僕が呼んだんだよ。二人にも話があるからちょうど良かった」
俺は昼飯を食べてないのでとても腹が減った。だから
「とりあえず何か頼ませて」
と言った。そしたら金髪が
「あ、いいよ。二人も選びなよ」
「その男が全部奢ってくれるから高いの選んだら?」
「何でっ!?まぁ、奢るつもりだったんだけどね星宮くんを除い…わ、分かったよ星宮くんの分も払うから蹴らないで」
クソ金髪が。俺にも奢れよ。ただ飯ほど美味いものはないんだ。という意味を込めて金髪の足を蹴った。
「相変わらず酷い奴だな」
「酷いのは前からでしたよ?」
女子からの酷評。さすがの俺でも泣くよ?てか
「おい、委員長さり気なく酷い事を言うな」
「ま、まぁ揉めないでよ。とりあえず頼むもの決めた?」
金髪に委員長、不良はメニューを開いていたが俺は特に見てない。入る前から既に決めている。
「私は、たらこマヨポテト」
「うちは、オムライスビーフシチューソース」
「俺は、フレンチフォアグラ&ハンバーグ」
「最後だけおかしいのがあったけど気にしないとして、僕はやわらか贅沢ビーフグリルにするか」
金髪が店員を呼ぶと店員が来て
「ご注文をどうぞ」
と言うと金髪が
「たらこマヨポテトとオムライスビーフシチューソースとフレンチフォアグラ&ハンバーグとやわらか贅沢ビーフグリルとドリンクバー4つです」
「かしこまりました」
店員が去ると
「何で星宮くんは高そうなのを選ぶの?」
と金髪が言うが
「お前が頼んだやつの方が高いぞ、こっちは税込でも1000円いかないぞ」
「逆にただのステーキより安いから不安じゃないのか?」
「その点は大丈夫だ。期間中は必ず食べてるから問題ない」
「サラッと金持ち発言したよね」
「いや、お前の方が金持ちだろ理事長の息子とか金持ちの象徴だろ」
「星宮くんってこんなに話す人だった?」
「確かに、いつも一人でパソコンで何か打ち込んでいるのに」
何こいつらスパイか何かか?俺は影よりも薄い存在であると自負してたのに何故だ…。
「お前らいつも見てるとかキモいんだけど…」
「いや、星宮くんはホント目立つから見たくなくても見えるから」
「目立つ原因は?」
俺は全く検討がつかなかった。しかし、3人は息を揃えて
「「「パソコン」」」
と言った。
「何か視線を感じていたのはそれが原因だったのか」
「一応聞くけど何で教室でパソコンを使ってたの?」
「執筆してた」
「何の小説書いてるの?」
「『世界はそれほど甘くない』ってのを書いてるんだけど」
『世界はそれほど甘くない』とは俺こと星宮海斗…まぁ、ペンネーム竜宮海星で書いてる小説なのだが、詳しい説明はまた今度にする。
「あ、それ持ってます。このシリーズ面白いから毎回買ってます」
「ん、どうも。ドラマCD付き特装版は買った?」
「それも買いましたよ。あのドラマCDの声優さん達かなり豪華なんですけど、どうやって呼んだんですか?」
「あぁ、あの声優さんとはチャットで知り合ってオフ会した仲なんだよ」
そういうと委員長は顔を引き攣らせながら
「へ、へぇ。い、意外ですね」
と言った。まぁ、有名な声優陣との出会いがチャットだからな、引くかもしれないよな。てか、
「そんなことはどうでもいいんだよ。なんで金髪は俺らを呼んだんだ?」
「あ、そうだよ。忘れるところだったでもその前にご飯食べてからにしようか」
またもや、先延ばしか…。そう落胆したが運ばれてきた料理を見てその事は吹き飛んだのであった。
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