転校生はアイドル!?6話

~1年前in暗い路地裏~

「まだあるだろ!早く金を出せよ!」

「…もう無いです」

「ふざけるな!調子乗ってんじゃねぇぞ!」

相手の拳が当たる寸前で

バシッ!

相手のパンチが止められた。

「カツアゲか…。治安が悪い所に行くなって生活指導に言われなかったのか?」

「誰だ?邪魔する―」

不良が言う前に吹き飛び白目を剥いて失神した。

「大丈夫か?」

「あの…僕よりそこの人が大丈夫じゃない状況になってますけど…」

「その男は後で始末しておくから安心しろ」

その言葉に安心出来ないと竜也は思った。

男が路地裏から去ろうとするので

「あ、あの…」

「何だ?」

男が失神している男を抱えながら振り返った。

「名前だけでも…」

「俺は清流学園風紀委員長の原田海斗だ」

「―って事があって原田を慕ってるみたいだよ」

オレは菊谷に何故竜也が原田を慕っているのかと言うのを聞かれたので話していた。

「あのアホメガネを慕ってるって随分と変わった子だね~」

「そう言われるとそうかもな」

「で、アホメガネが

何かあったら助ける代わりに学校の面白い情報を教えろ

と言ったんだよね?」

「あぁ竜也がそう言っていた」

「でもさぁ…よく考えたらそれってカツアゲと似たようなもんじゃない?」

あぁ…。それはそうかもな…。それにしても菊谷の部屋って異常なくらいに参考書が多いな。

「菊谷、ちょっと気になった事があるんだけど聞いていいか?」

「何かな?」

「この本棚やけに参考書が多くないか?こんなに勉強するのか?」

そういうと菊谷が何故か睨んできた。

「す、すまんデリカシーの無い事を言ったな」

美香は睨む事をやめて微笑んだ。

ガチャリ

部屋のドアが開いた。原田はノックをしないではいるのか…。デリカシーの欠片も無いな。

「毎回言ってるじゃん!ノックしてよ!変態アホメガネ!」

罵倒しすぎじゃないか?つか原田も平然と人の部屋を漁るなよ…。

「ちょっと!そこの本棚は弄らないでよ!」

参考書が沢山ある本棚で本を漁ってる原田に菊谷が声を荒げて言った。

「そこまで怒鳴る必要はないだろ…落ち着けよ…」

「うるさい!木戸は黙ってて」

ぐっ、菊谷の怒鳴り声耳にかなり来るな…。

「この本ちょっと借りるぞ。夜西が参考にしたいって言うからな」

「奏先輩が?いいけど…何の参考にするの?もしかしてあの先輩そういう趣味だったの?」

夜西?誰なんだろう…?というより参考書を参考って意味が分からないぞ。

あの本の内容が気になるから借りてみるか…。

「菊谷この本借りていいか?」

本棚に置いてある参考書を指差して聞いてみた。

「木戸…お前も呑まれるなよ…」

「あぁ!もう!さっきから何の話してんだよ!参考書ごときでいちいちうるさいぞ!」

オレがキレて怒鳴っていると原田がニヤリと笑い耳打ちしてきた。

「この本の内容を知りたいなら今から言うことを実施しろ」

作戦1、菊谷を部屋から追い出すように誘導する

作戦2、原田が取った本を駄目教師を経由して受け取る

というのが作戦だ。もしバレた場合は全て原田に擦り付ければいいと思いこの作戦を呑んだ。

「じゃあ頼んだぞ」

頷き菊谷に寄って行き

「なぁ菊谷喉渇いたんだが飲み物貰っていいか?」
            
「いいよ。下に行こう。アホメガネ!本棚を弄ったら八つ裂きにするからね」

発言が怖過ぎるだろ…。もうちょっと砕いた言い方は出来ないのか…。

一階に降りてリビングに入ると駄目教師がスルメを食べながらテレビを見ていた。

「ちょっと!先生!アタシのスルメ勝手に食べないで!あっ、はい飲み物」

……。菊谷の本性を知り過ぎてもねぇ…。とりあえず飲み物ももらったし家に帰るか…

「用事があるから家に帰るよ」

「今日は色々ありがとう」

オレは家を出て本屋に向かった。

~後日~

「木戸さんちょっと良いかな?」

駄目教師が話しかけてきた。千尋との会話を中断して教室を出た。

「例の物持ってきたから一応カバーかけてるから周りには見えないように配慮しといたよ」

「ありがとうございます」

本を受け取ると教室に戻って本をカバンに仕舞った。

転校生はアイドル!?6話

転校生はアイドル!?6話

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-21

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