現想症女

純粋な朝を目指すから
深夜目覚めるはいらないかな
電線に乗った雀は
いつからか私を笑っていたんだ

嫌いな顔をした君が
玄関の前で私を待つから
銃と舌打ちで撃ってね
返り討ちにしようと想ったら
もうそこに君は居なかったんだ

部屋に霞んだ霧靄が何もかもを隠すよ
窓を開けた猫が
私にそのままの世界の風を吹かしたよ

飛び降りて痛みを知ったから
二度と死のうとはしないかな
線路の上で君は
いつだって私に何かを訴えてるんだ

風呂場で流した涙が
手首の傷に垂れて染みるから
いっそ消えてしまいたいと
死んでしまおうと想ったら
既に布団の中で蹲っていたんだ

戸棚に飾った写真が追い討ちをかけるよ
扉を開けた親が
私にそのままでいいと優しく言ってくれたよ

冷めた空を見つめて
青空あなたを私の為に殺しました
だからか昨日も今日も明後日も

ぽたり涙が 涙がぽたり

現想症女

現想症女

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-20

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