明日で全てが終わったら

明日で全てが終わったら
明日で全てが終わるとしたら
世界は平和になるだろうか
逆に戦争は終わるだろうか
自殺を食い止められるだろうか

人間は人間を虐めるのを止めて
学校や会社の中で讃えあうのだろうか
人間は人間を自ら殺すことを恐れて
樹海や踏み切りの前で慰めあうのだろうか
残り少ない時間の上でまだ生きたいと思えるのだろうか

明日で全てが終わったら
明日で全てが終わるとしたら
僕は何をするだろうか
君は何処へ行くのだろうか

人々の問題を解決出来るだろうか
何も無い闇の中で真実を見つけたとしたら
それを来世へ持っていくことは出来ない
未来を前に描くことはもう出来ないのだろうか
残り少ない人生の上で生き急ごうとするのだろうか

予言者の予言は信じられない速さで広まった
実行犯の犯罪はすぐにニュースで報じられた
明日の天気予報は雷を伴う豪雨だとされた
今日の君の様子は正直見るに堪えなかった

段々と目に見えない口では言えない
不穏な空気が世界中を包んでいく
赤子は泣き喚いていた
老人は振り絞って声を上げた
何かが壊れつつあるから 終わりつつあるから

僕は核シェルターに避難せずに
現実に正面から向かい合い
こうやってここに生きていることを
地球に刻んでいる 詩として残している
そうすれば明日で全てが終わっても
例え明日で全てが終わるとしても
僕らは生き延びているだろうから

明日で全てが終わったら

明日で全てが終わったら

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-15

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