ゴミ


今日は雨が降ってて寒いけど ここんとこ暑い日が続いてたからバイト先でずっと氷ばっかバリバリ食いながら働いてたよwww

バイト中なだけに さすがにリゾート気分みてぇなノリでかき氷は食えなかったけどさ でも何となくでもいいからリゾート気分で食いてぇなって思ってたんだよね

そしたらそんな時にちょうど家のゴミ箱ん中に冷凍餃子の入ってた容器を見かけて『これいいかも』って感じで洗って持ってたんだよ

職場に着くなり 用意しといたマンゴーやりんごのカルピスを餃子容器に入れて冷やしておいて 昼休みに見てみたらカラフルな餃子の形した氷ができててマジ感動したwww

周りの奴らに見せたら『すっご~い! 笑えるけど美味しそう』とかめっちゃ喜んでる奴もいて マジいいゴミ発見したとか思ったwww

ママに耳引っ張られてすげぇ怒られながらもゴミを手に入れた甲斐があったよwww

てかこの後の休憩室はマジ地獄の昼休みって感じだったけどね

いつも上品で大人しめの田中ってバイトの女がいんだけど 普段はすげぇ無口なくせに この件についてはやたら仕切りだしちゃってさ

『他の容器でも凄いの作ってみようよ! 可能性は無限だよ!』とか1人で熱くなってたwww

橋本さんなんてジュース買いに休憩室から出ようとしただけなのに

『ちょっと橋本さん逃げる気なの?無限の可能性から本気で逃げる気?』って腕組みながらすげぇ目つきで睨んでたからねwww

かなり威圧感あったから みんなメシ食ってる手を止めて他の容器とかアイデアを必死こいて探してたよ

しばらく誰もアイデアとか見つかんなくてマジ焦りまくってて そん時に新人の女がバッグ動かしたら たまたまテレビのリモコン押しちゃって勝手にテレビがついちゃったんだよね

そしたら田中が『ちょっと!テレビなんか付けちゃってさ 中途半端のまま無限の可能性に終止符を打つ気?』ってすげぇ怒っててウケたwww

てか田中がいきなし『あっ! あった! あれいいんじゃない!』って興奮しながらテレビの横にあった段ボールを指さして みんなして覗いてみたら通常より遥かにデカい梱包に使うプチプチが入ってたんだよ

田中が引っ張りだすなり『ここをこうしてこうしてね』とかブツブツ言いながら小さい穴を開けて そん中にペプシをゆっくり入れてって 20か所くらいまでなったら『これよくない? よくない?』って感じでやたらテンション上がってたwww

周りの奴らなんてそんなのどうでもよかったんだけど 早く終わらせてメシ食いてぇから『田中ちゃんすごいよ! 美味しそうなの出来るよ! 天才だよ! 無限の可能性を信じさせてくれてありがとう!』ってもちあげちゃってさ みんなに拍手までされるどころか 最終的には胴上げまでされちゃってたからねwww

その騒ぎで休憩室に来た店長なんて 状況もしらねぇのに指笛ピーピー鳴らしまくってたよwww

田中が嬉しそうな顔しながら『みんな帰り食べてってね♪』って言ってたけど こいつに関わりたくねぇからタイムカード押すなり みんな逃げるようにそそくさと帰ってったwww

こういう展開になっちまったのは ゴミ箱から餃子容器を持ってきちまったアタイのミスに違いねぇから責任を感じたよ

やっぱゴミはゴミでしかねぇし ママに怒られた意味がようやく理解できたよwww

ゴミ

ゴミ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-10

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