zxc

戻って来てしまった。

つまらない此処に。

さて、これからどうしたらいいんだろうか?

また、彼らに会える術は?

4

「あれ…」

「目が覚めた?」

目を開けると、白衣を来た悠天の姿。

「いま…何時…?」

「お昼くらい。」

「…そう」

手の甲を額に乗せて、目を閉じる。

「どこか異常はある?」

「ほんの少し、頭痛がする。寝てれば治るくらいの。」

「そう、じゃあもう少し寝てて。」

「ん…」

実際は、ウサギとねこに会いたかった。

まだ話していたい。

あの、夢の世界へ入ると、楽しい。

現世では、何でもない、ただの普通の高校生が、向こうでは特別扱いされて、魔法みたいで…

向こうが本物だったら、楽しくて、寝る暇もないかも。

そんな風に考えてしまう始末。

(ねぇウサギ、どうすればまた会える?)

問いかけても、あの声は聞こえない。

「はぁ…」

この世のつまらなさを、知ってしまった。

『どうして。』

ピアスを弄りながらネズミのフィルルェクルッスァが問いかける。

『さあ?』

耳が垂れた犬、アルリエチシェンが興味も無さそうに本のページをめくる。

『どうしてなの?』

『そんなこと僕に聞かれましても。』

『ど、う、し、て、よっ』


力任せに投げたダーツの矢は、的を外れて暗闇に消える。

『そんなに苛々しなくてもいいじゃんか。平気だよ、気長に待とうよ。』

パタンと本を閉じると、しゅわしゅわと何処かへ消える。

『…あたしは、あたしは!…やらなきゃいけないことが山程あるの!しかも、ぐうたらしてらんないの!時間がないのよ!なんで!なんで!』

『落ち着いてよ。フィルルェ、平気だよ。僕にはそんなに緊迫したようには見えないよ?』

『冗談!!アルリエ、あんたは分かってない!』

きっと睨み付けてから、暗闇に走り去る。

『…フィルルェ、解ってないのは君の方。君は、待つことの大切さを、解ってないんだ。』

zxc

『こんにちは、そして宜しくね、あたしフィルルェクルッスァ。

 小柄だからって見くびってんじゃないわよ。

 一人くらいなら軽々倒せちゃうんだからね。

 作者は更新が遅くなってすまん、とかほざいてるわ。

 ま、一応溜め書きはしてるらしいわ。

 最近忙しいんだよとか喚いてるけど、そんなんあたしは知らないわよ。

 それじゃ、また今度ね。』

フィルルェクルッスァ。

zxc

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-15

CC BY-NC-ND
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