英雄少年

長いので本当に暇な方が読むことをおすすめします

ヒーローは正義の味方だ

それは昔からどのアニメでも特撮でも変わらない事実だった

時には悪の味方、なんて設定もあったけど 結局それは皆の敵でしかない

俺は正義のヒーローになりたかった

困っている人を助けて自分の好きな人を守り抜く

そんな人間になりたかったんだ


でもさ やっぱ、現実って上手くいかんのよ



そう言うと あの子は小さく微笑んだ


俺には好きな子がいた

その子のことは今でも好きだ。でも言葉にするならその子は「いた」んだ

あの子はあいつらにやられて自ら命を絶ってしまった

あいつらは下卑た笑みであの子を嬲り 痛めて 叩いて 絞めて 刺して 踏んで 殺した

世間でいう高校生な俺は あの子を助けられなかったことを悔いて泣いた

あの子はとても可愛い子だった 大人しくて 恥ずかしそうに微笑む顔が俺は大好きだった

なのにあいつらは俺からそれを奪ってしまったんだ

重罪だ この罪は重い 重くて重くて人なんて簡単に潰れるのに あいつらは生きてる 化け物なんだ

悪の組織 そう呼ぶに相応しいとは思わないか?俺は思うね

そして 悪の組織はこの世から抹殺するべきなんだ 今までのヒーローがそうしてきた

お前らだってそう思うだろ?だって皆皆、そうしてきたんだからな


先生に相談は?親には?

したさ 相談なんて、とうの昔に

そしたら先生は煙たがるように顔を顰めて俺を叱り付けた

親は憎々しげな目で俺を見下すと家を出るなと命令した

つまりな あいつらも悪の組織の一員だったんだよ

身内にいるなんて全く思いもしなかったけど まぁある意味定番だよな スパイって奴

だから俺はあいつらも敵認定した



だからみんな含めて俺は殺して やったんだ

武器は拳といきたかったが骨が折れて途中で警察に捕まってもあれだと思って包丁にした

あいつらへの憎しみ恨み全部込めて丹念に研いでやったんだ

それで殺すんだぜ? あいつらみんなさっくり殺せちゃったよ

まず殺したのは身近な親 簡単過ぎて呆れた親

なんてことはない 家を出るなというからにはいつも見張り番でどちらかがいる

ちょっとしたお願いをする振りでまずそのどちらかの心臓に包丁を刺す

腹だと致死性が低そうだったし 電話なんてされたらたまったもんじゃない

今日いたのは女のほうだったので俺が殺すのは本当にそこまで手間は掛からなかった

話しかけて返事をした ところにぐさー ばたん 死ぬ

とりあえずそいつは隅っこの方にでも置いといて俺は男のほうを待った

男が帰ってくる 家に物音がしない あいつは不振がる 俺が現れる 安心した ところにぐさー ばたん 死ぬ

な?簡単だろ こいつらの遺伝子で俺が出来てると思うと一気に気持ち悪くなったわ



俺は着ていた服を脱いで 風呂で返り血と包丁についた血を流した

そして心機一転制服に身を包んで俺はあいつらの元へと向かった

あ、心は入れ替えてない 訂正 体だけ心機一転

包丁は鞄に突っ込んだ 幸い俺は優等生で通ってるし誰もそんなこと疑いもしないだろう



学校に着く あいつは俺に上辺だけの挨拶をした

生徒に挨拶するなんてわざわざご苦労様っすよ 本当

こいつを殺す時はそこそこ手間かけた だって学校だかんな 目撃者いっぱいだ

俺はまず体操服に着替えた そして とある手紙であいつを呼び出した

「体育祭について話したいので生徒会室にきてください」普通の手紙だ 差出人名はないけどな

だけどあいつは疑いもせず普通にやってきた 馬鹿だ 

いや ある意味生徒を信頼してる良き先生って奴なのか?んなこたどうでもいいわ

俺はあいつが部屋に入ってきた瞬間背中からぶっ刺してやった

中に生徒がいると思ったんだろうな 残念 外だ

そして俺はよろめいたそいつを一気に生徒会室に蹴り入れると自分も入った

勿論鍵は閉めてな

そして俺は見事に動かなくなったそいつを影の方に蹴飛ばして包丁を抜いた

血がどぼどぼ出てきたのを今でも覚えてる ぶっちゃけ抜いた時の方が返り血つくんですけど

俺はすぐにそこから離れて タオルで包丁についた血を拭き取り 制服に着替えた

幸いなことに体操服以外の場所には血はつかなかったみたいだ 流石俺 流石ヒーロー

体操服は用意してたビニールに入れてその場に放置 持ってたら俺犯人じゃないですか ばればれよ

生徒会室を出て鍵を閉める この鍵は俺が昔に勝手に拝借したもんだ 誰にもばれてないけどな

とりあえずその辺に血がついてないかだけ確認して俺はその場を後にした

周りには誰にもおらんかった いやはやよかったべ


ちなみに手紙についてだが

あいつが目をつけてた生徒会書記(美人)に成りすまして書いたとかじゃないからね

書記そっくりの字で手紙を書いたけど それはただの偶然ってことで



さてさて最後に殺したのは俺の最大の敵とも言えるあいつら

世間でいうなら不良 人間のゴミ・・・いや屑か 

ゴミだって固めてつくりゃ人間の役には立つしな

俺はあいつらの溜まり場・・・敵の拠点とも言える場所に足を踏み入れた

緊張感とか一切なかった だって敵を殺すんだし 


あいつらは本当にいた んでじりじりと近寄ってくる俺に目を向けた

1人がガンを飛ばす 俺はそんなのシカトして 段々と歩く速さを早めて

そいつらの1人がたじろいだ隙を見て 一気にそいつの心中にぐっさー

んでもって包丁を抜く 血が出てるそいつを見てまた1人足が止まる

だから俺はそいつの胸にぐさぐさー おまけで2回も刺してやったぜ

流石に2人も刺したら他の連中も俺に殴りかかってきた

とりあえず俺は一番近かった奴の口に包丁を差し込んでやった

口の中から出てくる出てくる真っ赤な液体 そいつは言葉にもならねぇ声で転げまわってた

この辺から俺はどっか楽しくなってきてた 本当にヒーローになった気分だったのかも

来る奴来る奴の1部分を刺してやる さっき口に刺した奴はもう1回胸にぐさっと

痛みに悶えて苦しむあいつら あの子だってそんな顔をしたんだろう

あの子はそんな顔をしてはいけないんだ 俺はいつだってその笑顔を守るために戦ってきたんだ

だから あの子にそんな顔をさせるお前らなんて あの子をこの世から消し去ってしまうお前らなんて


「・・・死んじゃえばいい」



辺りは血まみれ真っ赤っか 本当よく人がこないなぁと思う

周りにはあいつらの死体 死体?ちゃんと死んでますよねー?

手とかちょん切れてる奴がいる 流石にあれは生きてないだろ

俺は包丁を悪の組織のリーダー格の顔面にぶっ刺した 

戦いは終わったんだ もう武器なんていらねぇし 

俺はそこで制服を脱ぎ捨てて 持ってきてたジャージを羽織った

真っ赤な格好で世間の前に出たらあっという間に塀の中だわ


そんで、今 俺は学校の屋上にいる

屋上なんてワード 大体何をするかは想像がつくだろう?

空は真っ赤 俺の両手も真っ赤っか あの子のほっぺも赤かった

うーん・・・よくこういうことするとさ

こんなことして死んだあの子が喜ぶと思ってんのかって奴あるじゃん

でもそれってやっぱ死んだ本人にしか分からんのよね

だってそれはあの子の気持ちであって周りが勝手に決めていいものじゃないんだ

どんなに素晴らしい人間だって 恨むし 憎むし ざまぁみろーって思うことあると思う

だから俺は最後にその子に俺のしたことについて聞きたいなぁって思うんだ

あの子は喜んでくれたかな 悲しい涙流してるのかな それとも怒ってるのかな

そう考えるだけで ここですることについてもそう悪くないと思える

何か顔がにやにやしてしまう どんだけ楽しみなんだよ俺



俺は屋上のフェンスを越えてその外に立つ

下はコンクリートだ こっから落ちたら間違いなく俺はあの世に行ける

なるべく頭を下にして落ちよう そうしよう 足だけ骨折するとかそんな奇跡起こらせてたまるか

俺はフェンス側に体を反転させる 何かとても清清しい気持ちだ

悪の組織をやっつけたヒーロー それが俺なんだ

誰もそうは思わないだろう だって俺は殺人犯でもあるんだから

でも俺にとっては これはヒーローが悪者をやっつける物語なんだ


がちゃんっと扉が開く音がした

目の前に何故かこの学校で一番偉い先生がいた

俺を見て焦った顔をして何か叫んでる 他の奴らもわらわらと 

あぁ うるさいな 物語の終焉にそんな煩わしさ相応しくねぇよ

俺は後ろに体重を預けた

そして

落ちる

落ちる

あの子に会えるんだ 何も怖くないさ

天国地獄があっても ヒーローの俺がすぐに駆けつけてやる


でも 唯一この世に未練があるとすれば


”困っている人を助けて自分の好きな人を守り抜く”



そんな人間に なれなかったことかな

英雄少年

書きたいことを書いたら時間列も分からず言葉もぐちゃぐちゃ・・・読みにくくて申し訳ありませんでした

英雄少年

少年は憧れた ヒーローという存在に

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-15

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