Soirée

001-a

鳥居が並び、万華鏡のように目が錯覚しそうなこの神社。
24時間やっているそうで、普通神社が閉まる17時を過ぎても開いている。
そんなここは夜、否応なく幻想的な雰囲気になる。だからカップルがやってくる。
カップルに限らず、大学生風の集団も。リアルを充実している、リア充というひとたち。

これでいい。夜は私のものだ。
鳥居の隙間から見上げる、夜に溶けそうになる鬱蒼としている木たちや、木たち。
ヒトリという傷。世間では淋しいといわれる。もちろん私もその認識。
でも、その傷はふとしたとき、温かみにかわる。
「私は私でしかない」「私は私へチューニングしていく」
「この静けさが私へと降りてくる」

Soirée

Soirée

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-02

Copyrighted
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