瀬戸際
「リル、自分を大切に」
「どうかどうか、その言葉に縛られてみてほしい」
不意に恩寵の欠片
いつも
欠片が
もう とても遠くから
でも まだ それが遠くから
「リルは楽になりたいのに」
「だから楽になってとお願いしてる」
震える紫煙
ゆっくりもう一度 息をつく
視界が滲んだら
視界を捨てて
指先だけで
辿る
何度も 何度も目を覚ました
途方の先には 落ちていた暮れかける陽
穏かに流れる今日が窓の向こうでドッジボールしていた。
瀬戸際
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