マハラジャの末裔

播磨王66

  1. 1話:マハラジャの末裔の子の日本生活(200801-06)
  2. 2話:マハラジャの子、宝石商になる(200806)
  3. 3話:若い宝石商達と恩師の死と新しい仕事(200806-200812)
  4. 4話:美味しい話のもらい方(200903-6)
  5. 5話:宝石を磨け、うまく細工しろ(200910ー201003)
  6. 6話:ラハール販路探しに東奔西走(201004-11)
  7. 7話:更なる売り上げ増加作戦(201010ー201103)
  8. 8話:外商さんの上客とのゴルフ接待(201010ー201103)
  9. 9話:冬場の長期の実演販売と外商セールス(201104-12)
  10. 10話:年末の営業活動と新人の外商担当開始(201112-201201)
  11. 11話:新年の活動開始(201201-03)
  12. 12話:年の初めの売り上げ(201203-06)
  13. 13話:事務所引越と外商レディの入社(201206-09)
  14. 14話:10月の販売と長期販売計画立案(201210-12)
  15. 15話:石島富士子の入社(201204-08)
  16. 16話:富士子の外商仲間の入社依頼(201205-12)
  17. 17話:2月実演販売と富士子の外商仲間の入社(201206-12)
  18. 18話:富士子とラハールとの話し合い(201210-12)
  19. 19話:11月からの販売計画(201211-12)
  20. 20話:外商セールスレディの仕事ぶり(201303-201306)
  21. 21話:石島富士子の裏切り(201308-201312)
  22. 22話:正直な商売に戻るか、富士子への復讐か?(201402-06)
  23. 23話:正直な商売に戻り、女神が微笑む1(201410-12)
  24. 24話:正直な商売に戻り、女神が微笑む2(201501-4)
  25. 25話:幸せの青い鳥が、コウノトリに。(201505-8)
  26. 26話:ラハールの家の完成と両親のインド料理屋の開業(201509-12)
  27. 28話:ラハールが家族に囲まれ、原点に戻る。(201612-201706)

 インドのマハラジャがイギリスの植民地時代に領地を没収されて、命からがら日本に逃げてきて、小さなインド料理屋を奥さんと経営していた。 その息子ラハールは、料理に全く興味がなく、宝石の魅力に見せられて、
日本の悪賢い、店主の店に雇われた。そこを訪ねてきた、 インド人の宝石商のビカスが、見かねて、1万円で身請けした。その後、ビカスに、宝石商の商売方法を教えてもらった。ラハールの愛想の良さと、目鼻立ちの良さから、富裕層の高齢の女性客の人気が高まり、売り上げを上げていった。そんな、ある日、遅くなっても、ビカスが事務所に帰ってこなかった。数日後、ビカスが惨たらしい死体で、海に浮かんでいるところを発見された。 その後、店を継いで、いろんな、女性達を利用しながら、商売の手を広げていった。しかし利用していたはずの女性に、裏切られて、自分の商売の甘さを痛感するのだった。裏切った女性に、商売で仇を取ろうとするのだが、ラハールの生来の優しさのために躊躇するのだった。そして、自分の商売スタイルは、正直に、堅実にやっていくことだと、気づかされた。そんな時、店に働きに来ていた小百合という娘に惚れ込んで、結婚した。彼女が、ラハールに福をもたらせてくれる、幸運の女神だった。その後、商売に、結婚生活に、幸せがやってきて、身の丈に合った生活を始めた。(カクヨム、小説家になろう、にも、載せています。)

1話:マハラジャの末裔の子の日本生活(200801-06)

 かつてインドのマハラジャは、日本の戦国大名のように、
藩を持ち、優雅な生活をしていた。インドがイギリスの植民地に
なったときに、一部のマハラジャが没落して、領地を没取され、
インドでは、圧政を続けた結果、市民からの報復を恐れて、
国外に脱出し、ある者は、米国でネットビジネスで大成功治めた人や
、日本に来てインド料理屋を始めた人、コンピュータ業界で成功
している人も多い様だ。

 しかし、マハラジャの末裔の一人ヒテシュHiteshは横浜の郊外の
駅近くで、インド料理屋を経営していた。
 真面目に、近所の人から信頼されて、お客さんもついた繁盛店になっていた。
 しかし、朝から晩まで、毎日働いても、儲けが少なく、いつまでたっても
裕福にならない。そこで、生まれてくる子には、儲けられる人になって欲しい
と思いラハール(効率的な)と名付けた。その子が10歳になっても、料理に
興味を示さず、近くの宝飾店で、時計を見たり、金のネックレス、真珠、
宝石に興味を持ち始めた。

 父が、料理を教え始めても、興味がないせいか、全然上達しないの
困っていた。小学校を卒業して、中学も出て、進路を決める時が来た、
ある日、僕、近くの宝石店で働くと言い出した。  
 困った父と母が、その宝石店の店主にお願いしてみると、店番と、
買い物や雑用、下働きで良いなら、住み込みで修行するなら、倉庫の片隅を
使って良い。ただ、休みは、滅多にない、暇な時間に、少し出かけるのはOK
、食事は、お父さんの料理屋で食べる条件で働いても良いと言った。

 給料は、利益が増えたら、増えた分の10%出すと言った。
 増えなかった0,マイナスが続くとやめてもらうという条件で
働くことになった。働き始めると、俄然はりきって、朝早く起きて、
店の前を掃除したり、行きゆく人に挨拶したり、時計、ブランドバッグ、
宝石、ネックレス、パール、金の良い製品がありますので、お客さんに
損はさせないよと、可愛い笑顔を振りまいていた。

 そのうち、行き交う人に可愛がられるようになり、特に中高年の
女性人気が出てきて、入店するお客が増えてきた。

 インド人の可愛い男の子という事もあり、珍しがられて、お客さんが
増えてきたの。3ヶ月が過ぎた頃から、売上が伸び始めた。
 店主は喜んで、約束通り、利益が増加した分の10%きっちり払ってくれ、
半年たつ頃には、2-3万円と給料も増えてきた。
もちろん、出入り業者にも人気があり、良く、頭をなでられた。
しかし、1年が過ぎる頃から、給料が出なくなった。
理由は簡単、利益が大幅に増えたが、前月と今月で増えた利益の10%
となると金額がいくら多くなっても増加しないと給料がもらえないのだ。

 なんてずるがしこい店主だろうと、ラハールが店主に給料を要求しても、
増えてないから出せないと言い、腹を立てるようになった。

2話:マハラジャの子、宝石商になる(200806)

 そんなある日、出入りの業者で、仲良しの宝石商、
ビカス(インドでの意味:進捗)と言う名のインド人がラハールの
この話を聞いて、そりゃー理不尽な話だと言って、店の主人に
話してくれた、あなたの店は、ラハールが来て、繁盛しているのに、
給料払わないのは、良くないと、大きな声で言った。

 でも、ラハールとの約束で利益の増えた分の10%を払って
いるという。押し問答になって、ビカスが、怒って、じゃー僕が、
ラハールを引き取って、一人前の宝石商に育て上げるから、
引き受けると言った。
 ただじゃーだめだよと言い、1万円くれるなら良いと言った。
 ラハールを不憫に思い、仕方なく、1万円を支払って、彼をもらい
受けた。すぐ近くのお父さんのインド料理屋に一緒に行って、この顛末を
話すと、お母さんのカルテープが、離れるのは嫌だと、言ったが、
父のヒテシュが、修行を積んで、大きくなって来いと言ってくれた。

 その後、15歳の息子ラハールを見送る、ヒテシュと、カルテープが
涙ながらに見送った。引き取ったビカスが一人前の商人にして見せます
と言って去って行った。ビカスは、営業に出かけるときは、ラハールを
つれて行くようになり、まず、笑顔のつくり方、すぐあきらめる場面、
粘って交渉する場面、泣き落としする場面、おどす場面など、
営業テクニックを教え込んだ、ラハールは飲み込みが早く、
子供だてらに、迫真の演技で、商談を有利に展開させていった。

 ビカスは、食事は必ず与え、狭いが、寝室も与えた。
 1年して17歳を迎える頃には、独り立ちできるくらいの営業マンに
育ってきた。そこで、ダイヤモンドや宝石、真珠の商売のテクニックを
教え始めた。まず、ダイヤ、宝石、真珠は、大きくても、今ひとつ光沢が
弱い者を徹底的に値切って手に入れること。

 次に、それらを、知り合いの研磨職人に、見てくれを良くするように、
研磨させて、カットの良さを訴えて、高く売りつける方法が、一番のコツだと
言うことを徹底的にしこんだ。買い入れの方をビカスが行い、売りつける方を
ラハールにやらせるようになった。すると、ラハールの愛想の良さ、可愛い
所作で、女性達に買う気にさせて、セールストークも一流になり、
ビカスが一人で売っていたときの2倍以上、売れたの。

 次に、ラハールに、安く買い入れるテクニックを教えると、愛想の良さ、
泣き落としの上手さで、ビカスよりも多くの数の品物を買い入れられる
ようになっていった。3年が過ぎた頃には、ラハールは、どこに出しても
恥ずかしくないほど一流の宝石商になった。

 そこで、ビカスは、販売するエリアを、ラハールと分担して、仕事をする
ようにした。ラハールは、家に戻らなくても、その地区の安宿に泊まり、
全国を売って歩くようになっていった。ラハールは、月に1度、ビカスに会い
、商売上の質問、疑問を聞き、教えた。その後、仕事の効率を考えると、
冬の寒いとき、夏の暑いときに、宝石を仕入れと、カットをして、
良い季節の時に売り歩くようにして、ラハールも従った。

 あるとき、高級デパートの店先で、ビカスと、ラハールが宝石の
実演販売をすると、高額の宝石が多く売れた経験をした。
 その後、全国のデパートで、この方式で、高い商品を売ることに決め、
できるだけ大きめの宝石を売るようにした。これを3年続け、資産が増えて
、ビカスが、日本だけでなく、スリランカ、ロシア、バングラディシュ、
中国、インド、タイ、インドネシア、ミャンマーなど、世界各国に原石の
買い付けに行くようになった。その大きな原石に、いくらかのマージンを乗せて
、20歳のラハールに売ってやった。

 ビカスが、事務所を開設して、ラハールの部屋も用意し、
2人で商売に励んでいった。翌年は、ラハールを連れて、世界中の宝石商
からの買い付けにすれていく、顔を覚えさせた。早い者で、ラハールも21歳
の立派な好男子になり、女性達にもてて、宝石を売るだけでなく、身体も一
緒に売るという場合も増えてきたそうだ。
 ビカスと言えば既に、55歳、お腹も出て、頭もはげだし、おせいじにも
女性にはもてるとは言えない風貌の男になった。

3話:若い宝石商達と恩師の死と新しい仕事(200806-200812)

 そこで、ビカスは、また、ラハールのような、目鼻立ちが良くて、
愛想の良い男のを探して、宝石商のテクニックを教えるようになった。
 1度に7人の男の子を教えていった。事務所を大きくして、2段ベッド
を4ついれて、寝泊まりさせていた。毎週月曜から日曜まで、7人の男の子
を1人前の宝石商に育てるようにしたが、4人がどうしても、要領が悪く
脱落していった。若者が減ると、日本人の中卒の貧しい男の子や訳ありの
男の子を補充していき。8人の男の子を宝石商に育て上げて、彼らの利益の
10%をもらうようになった。ラハールも、宝石商の実地訓練の教師を
手伝っていた。そんな、ある日、ビカスが、事務所に帰ってこなかった。

 ラハールは心配して、彼が立ち回りそうな地域を探して回った。
 数日後、横浜の海で、ビカスの死体が上がったとの知らせが入り、
検視に出かけると、間違いなくビカスだった。腹を刺されて、殺され、
おもりをつけられて、海に沈められたが、鎖をつけた足首がもげて切れ、
浮かび上がってきたのだ。ラハールは、宝石商の怖さを見せつけられ、
安全な日本でも、こんな事件が起こるんだと、震え上がった。

 その後、ビカスの事務所の名義を変更して、ビカスが育てた、
若者のうち最後に残った8人の面倒をみるようになった。
 そして、彼らを給料制、月8万円とた。ラハールは、宝石の仕入れ先の
確保、事務所兼、寮と食事代を提供した。
 また、彼らに、有益な情報を知らせる約束をした。
 事務の女性を雇い、切符、宿の手配、交際費の精算など、
事務処理全般を請け負う事にした。ラハールは、宝石商の恩師の
簡単な葬式を考えて取引のある宝石業者や研磨職人に知らせた。

 亡き、ビカスは善人で、決して、威張ることもなく、仲間内でも
評判が良く、その弟子のラハールも可愛がってもらった。
 簡単な葬式であったが、20の業者が参加してくれ、関係者14人と
合計34人の葬式を執り行うことができた。ラハールが喪主になり、
参列者に挨拶して回った。

 特に岸田絹子という大規模な宝石会社の社長がラハール、力を
落とさないでね、できるだけ、今後も協力していくからと励ましてくれた。
また、研磨職人の久石健次郎は、ビカスは、仕事には厳しかったが、人情に
厚い良い男だったのに、なんてひでー事をしやがるんだと、怒っていた。

 ラハール、また、頑張って手伝ってやるから、若い弟子達の面倒見て
、会社をもり立てて行けよと励ましてくれたのだった。葬式の翌週、
岸田絹子から電話があって、いい話があるから、来なさいとラハールに
電話そして来た。早速出向いてみると、ラハールの目の前に、大玉の
南洋のブラックパールとカラーパール、ピンクパールを見せた。
  綺麗でしょと言い、これを取り扱わないと言い始めた。
 実は1つ1つの場合、かなり安く仕入られて、その1つ1つのパール
を加工して、ブレスレット・ペンダント、ネックレス、ブローチ、イヤリング
にすると、うまく綺麗に配色すると、うまい商売になるのよと教えてくれた。

 実際に、1つずつの値段と、加工した販売したときの値段を見せると
、ラハールの目が輝いた。是非、やらして下さいとお願いした。

 ただ、1つ条件があるのと、妖艶なまなざしで言った。
 私が指定した日時に時間を空けて、つき合ってくれることが条件です
と言うのだ。商売の魅力にかなわず、わかりましたと答えた。

 じゃー、早速、今晩、つき合ってと言い、奥の部屋に案内された。
そこには、ビーブジャーキー、焼き鳥、ハム、チーズ、サンドイッチが
おいてあり、好きなものを食べて良いのよと言い、彼女は赤ワインを
飲み始めた。ラハールは、お腹がすいていたので、サンドイッチやサラダ
、焼き鳥、チーズを食べ出した。彼女は、ゆっくりとした口調で、
私の主人は、5年前に、自動車事故で亡くなってね、その後はいつも
さみしい夜を過ごしていたのよ笑った。そんな時、あんたみたいな若くて、
逞しそうでハンサムな男があらわれて、ほうっておく方が、おかしいわと言い
、22歳のラハールを誘ってきた。

 その誘いに、彼の身体は、心とは別の所で、反応してしまった。
 そのまま、本能のまま、アバチュールを楽しんでしまった。
 この何回もの快感に、すっかり、彼女の虜になってい待った。
 終わった後、シャワーを浴びて、出てくると、もう一度、身体を
見せてと言われ、見せると、素晴らしい筋肉ねと手で触ってきた。
 すぐ、服を着て、ラハールは、良い仕事を紹介してくれたありがとうと
言い、是非、カラーパールを売らせて下さいとお願いした。
 手に入り次第、連絡するわと、絹子が言ってくれた。
 その後、絹子から電話で4千万円分の宝石を購入した。

4話:美味しい話のもらい方(200903-6)

 岸田絹子は、その後もラハールを、月に1回、多い時は、週に1回、
呼び出して、食事を与えてくれ、まるでペットのように可愛がってくれた。
 ラハールは、絹子のことは、何とも思っていないが、絹子はラハールに
ぞっこんであった。ラハールは、これも、お仕事と割り切って、
毎回、おつとめを果たしていた。

 ただ、絹子は、さすが、商売人で、お金を渡してくれるわけでも、
何かを買ってくれるわけでもなかった。そこで、絹子の機嫌の良い時に
、売上厳しいんで、言い情報を頂戴と言うと、年度末3月に、
A商会では、手元資金が不足していて、今なら、大量に買うなら、
安い条件で、宝石を買えるチャンスだよと教えてくれた。

 ラハールは、早速、A商会に出向いて話を聞こうとしたが悪いが
、インド人に売る宝石なんかないよと、門前払いをくらった。
数日後、また出直して、大きめのバッグに大金をつめて、
訪問したが、冷たい反応には変わりなかった。
 そこで、おもむろにバッグをあけて、実は、売ってくれれば、
1万円札を100万円ずつ束ねたたばを目の前で見せた。
 売ってくれるなたら、即、現金で買いますよと言った。
 すると、番頭が驚いて、主人を呼んできた。誰の紹介で来た
のかと聞くので、岸田さんの紹介で来ましたというと、本当かと言い
、すぐ、電話して、確認を取った。

 本当だとわかると、手のひらを返したように何をご希望ですかと
、聞いてきた。金はあるから、在庫品を見せてくれと言った。
すると、ラハールを奥の商品倉庫の商品棚を見せてくれた。
 ラハールは、大きいが光沢の良くない宝石や、傷ついた宝石、
サイズの不揃いの綺麗な真珠、ユニークな形の真珠、サファイヤ、黒真珠
、黒ずんだり、傷のついた金、銀、プラチナを取り出していった。
 大きい水晶、いびつな形や、変わった色の淡水真珠など、
単品では売れないような商品を手当たり次第に、取り出した。

 すると、お客さん、なんで、もっと簡単に売れそうな良品を
持っていかないのかと不思議そうに言った。
ラハールは、その質問に、それは秘密ですと笑った。
 1時間近く掛けて、欲しい商品を取り出した。こんなに、本当に
買えるんですかと疑った。ラハールは、そこから電話をして、車に中にいた
、部下に、大きな袋に入った大量の1万円札を持ってこさせた。

 A商会の主人に、これ全部買うから、幾らになるかと聞いた。
 ちょっと待って下さいと電卓をはじき出した。
主人が8千万円と言った。それを聞いて、ラハールは、小売りでも
そんな高い値段じゃ、お客は、絶対に買わない。
岸田商会や宝石商の仲間に言って、締め上げるぞと、すごんだ。
 また、電話を掛けだした。その後、ラハールが宝石の会社の
社長だとわかって主人が、ごめんなさい、この値段は小売り価格だった
と謝った。次に、現金支払いなら6千万円で良いと言った。
 高価なケースもつけると言った。ラハールがニヤッと笑って、
4千万円だと言った。そんな殺生な、と主人が言い、間を取って
、5千万円と言った。ラハールが、ケースはいらない、
石だけ良いから、4千万円と言った。
 主人が呆然と黙っていると、売る気がないなら時間の無駄だから
帰るよと言うと、わかった、4千万円で良いと言った。
 100万の束を40個、店の机の上にのせた。

 番頭が、数えようとしたが、主人がよせと言い、
帯封が着いてるから、大丈夫だと言い、そのままにさせた。
 帰ろうとすると、主人が、名刺を差し出し、 今後、
現金取引をして下さるなら、また、格安良品が入ったら
お知らせしますと言い、名刺を下さいというので、ラハールは、
ハイよと手渡しし、主人の肩をたたいて、現金取引するから、
良い情報をくれよな、また良品を安く売れよと言った。

 主人が、ありがとうございますと丁寧に頭を下げた。
 実は、日本の宝石業界は、小売店の力が強く、問屋は3ヶ月、6ケ月
、ひどい場合は1年の取引手形で商売をしていて、問屋の売上が落ちてくる
と手元資金が枯渇するという弱い立場だったのだ。

 たぶん、宝石を現金取引するのは、ラハール以外いないと思われ、
その後も、良い品を安く買える様になっていった。

5話:宝石を磨け、うまく細工しろ(200910ー201003)

 A商会から買ってきた4千万円分の宝石を研磨加工と、
真珠の細工を指示して、早急に製品を作れと、ラハールは、
加工職人に指示した。1週間でダイヤ、サファイヤ、金、銀の
研磨が終了し、若い販売員に磨き上げたダイヤのカットの素晴らしさ
を前面に押し出して高く売るセールストークを教え、金、銀製品は
、その輝きをアピールして少しでも高く売るように申し渡した。
 とにかく、1点でも多く、宝石店を回り売ってこいと激励した。
1週間で、約半分の商品を売り上げた。その週の日曜に、真珠の
製品の細工ができあがり、ラハールが真珠製品の1つ1つの
特長のPR方法を丁寧に教え込んだ。綺麗な配色の真珠のネックレス。
 小さい真珠から大きい真珠をいれた素敵なネックレスや、
美しい形のブローチ、イヤリング、ブレスレットがセールスマン
の手に渡って、宝石店に売り込みを開始した。

 真珠の方は、ユニークな色と形が好評で高値で1週間で完売した。
残ったダイヤ、サファイヤ、金、銀、プラチナ製品をラハールも
一緒に1件でも多くの宝石店に売り込みをかけた。

 しかし、全体の1/3が売れ残ってしまった。3月の年度末で、
在庫を増やすのに消極的な店が多く、無理して安売りしないように
言った事も原因のひとつのようだった。
 やがて4月になり、残りの製品は5月中に全部売れた。

 販売総額は2億円で、3ヶ月手形の所が多く、6月に金が入る。
利益率が高くなった理由は、不人気商品を安く買いたたき、研磨で
輝きと美しいカットにして高く売ること。次に真珠の方は大玉でも、
色、形が今ひとつの製品を安く仕入れて、加工して、綺麗な形、色に
修正して、細工した商品に変えたり、いろんな色や、大きさの素敵な
ネックレスにして高く売る事ができたために高く売れたのである。
 6月初旬、商品がほとんどなくなったので、1週間の休みとした。
 6月2週目に、A商会に電話を入れて、主人に宝石、真珠、金、銀
、プラチナの入荷状況を聞き出かけた、主人が倉庫の商品を見せてくれたが
、格安の製品が少なく、買い入れ額が、前回の半分4千万円であり、
まだ足りないので岸田商会の社長、岸田絹子に電話したところ、
今晩来てと言われ、倉庫の商品を見せてもらい、格安の商品ばかり
、6千万円分を購入した。

 今晩も食事をして、一夜を共にして、何か良い話はないか、
聞き出そうとした。すると、宝石や真珠、貴金属をただ、宝石商店に
卸すだけでなく、デパートそれも、地方のデパートに行き、外商部に顔を
作って売った方が良い。また、デパート、大型スーパーでの実演販売も
高く売れることを教えてくれた。

 ネット販売の時代だから、そのルートも作るべきだと言ってくれた。
 そこで、今後、宝石類の販売は、若手セールスマンに、売り方を教えて後
、販売を任せ、ラハールは新しい販路探しに、全国を回る事にした。

6話:ラハール販路探しに東奔西走(201004-11)

 ラハールは、まず、東京へ、銀座、渋谷、新宿、池袋、
東京周辺、品川、川崎、横浜を7日間で回った。デパートの外商で
話を聞いてくれた先が36件、大型ースーパーで30件、インド人
と言うことで、玄関払いは、ほとんどなく、面会してくれた。

 その中で、デパート外商で12-15件は、脈がありそう、
大型ースーパーでは、本当に売れるのか半信半疑と言った感じだった。
 地方都市は、難しいので、名古屋、京都、大阪、神戸を7日間で
回ってみることにした。名古屋では、デパート外商で5件で脈がありそう
、京都は、話は聞いてくれたが、むずかしそう、大阪7件、神戸周辺6件
で脈がありそうだった。

 スーパーでは、売れないよと言われて、効率を考えて、その後、訪問をやめた。
 ただ、大型スーパーでは、むしろ、実演販売には、協力的で、広場を貸して、
実演販売したければ電話してくれと言う所が多かった。
 訪問した印象としては、豪華そうな高価な宝石をデパート外商向けに、
大型スーパーでは、広場で実演販売が面白そうだと感じた。

 3週間かけて、回り、翌月から、脈がありそうなデパート外商に電話
を入れて面会約束を取って、1週間-10日かけて、継続訪問して、
パイプを作っていこうと考えた。

 スーパーの実演販売はラハールとセールスマン10人全員、月のうち、
5-6日、予約を取れた順に実施していくことに決めた。
6月に仕入れた商品が、半分程度、仕入れ値総額1億円の商品の半分を
1.8億円で販売した。その後、仕入れた商品の残り半分を8月中に完売する様に
、売り方を徹底的に指導した。

 お盆前までに、残りが1/4となり、お盆過ぎ1週間で全部売り切った。
 仕入れ1億円で売上総額3.5億円だった。8月の残り10日間は、
ご苦労さん休みとして、9/1まで全員に休んでもらった。その間に、
ラハールは、入金され次第、その金で仕入れを開始する事にした。
8/25に約1億円の入金があり、早速、卸売り、問屋を見て回った。
夏場は、在庫が多かった。ラハールは、全取引先で支払いは現金に
していたため、信頼してもらい、良い品物を揃えてくれた。

 欲しい商品を全部買うと1.8億円かかるので、一番取引の多い、
岸田商店の岸田絹子社長に金は入り次第、入金すると言うこと、
期限は最長でも9月中と言うことで支払いを猶予してもらい、
1.8億円の商品を購入できた。

 今回は、デパート外商と大型スーパーでの実演販売を考えて、
高くても良いものを揃えた。8月22日に購入完了して、
宝石の加工、研磨職人に、1週間で加工、研磨するようにお願いした所
、夏場は仕事が少なく納期通りで仕事を終えてもらった。

 8月29日に、デパートに面会予約を入れて、商品を持って、片っ端から
急ぎ足で回った。3日で東京、名古屋、大阪を回り取り扱いたい品物と
決めてもらった。仕入れ値で8千万円分の商品を売りたいと、言われ、
商品を貸し出した。平行して、大型デパートに実演販売の予約を入れた。

 9月中に20件の実演販売ができるようになった。9月に入ったので、
1週間の間、セールスマン全員に営業開始を命じて、商品を持って販売活動に
出かけた。9月7日に岸田商店の支払い分全額を入金できた。1週間して、
残った商品をもって、計画通りに東京から実演販売を開始した。

 お客さんの数は多いのには、ビックリしたが高い商品はなかなか売れない。
 売れ筋商品の感じもつかめてきた。また、どういう実演販売が効果的かと
言う事も徐々にわかってきた。高い商品を売るには、金持ってそうなマダムを
壇上に上げて、服に合う宝石、真珠、貴金属の選び方をして見せた。

 すると徐々に高額商品も売れ始めた。売れたときには、大げさに、
・・万円のダイヤが売れましたと大声でアピールして、買ってもらったお客さんに
、おおきな拍手を送る作戦をとった。すると、販売数が伸びてきたのだ。

 東京で残り商品の半分程度売れた。その後、名古屋、大阪、神戸と回り
、商品の80%が売れた。初回の実演販売でコツを掴んだので、セールスマン
を前に、売り方を徹底的に指導していった。デパートの外商の約1ケ月の
販売成績を聞いてみると、7割程度の実績であった。

 実際に外商のセールスに聞くと、高くても良いから、もっと、個性的な宝石
、例えば、小さくてもカットが良くて輝くの良いダイヤモンドとか、珍しい色の宝石
、ダイヤ、真珠。グラデーションの綺麗な真珠のネックレス、小さいサイズの
真珠から順番に大きなサイズの真珠になるネックレスとか、
他人が持っていないタイプの宝石が欲しいと言われると話してくれた。

7話:更なる売り上げ増加作戦(201010ー201103)

 そのためが、売れ残りの宝石、真珠、貴金属は大きいだけで、
特徴がないものが多かった。実演販売では、大きいサイズで
割安の宝石、真珠、貴金属が売れる傾向があった。

 そこで、今後、効率的に宝石類をどう販売したら良いか、
岸田商店の岸田絹子社長に面会約束をとり、話を聞くことにした。
 絹子さんが、ラハール、随分、景気が良いそうねと言い、大都市を
回って、稼いでると評判だよと言った。
 デパートの外商と大きなスーパーでの実演販売の状況を話すと、
笑いながら、若いのにしっかりしてきたねと喜んでくれた。
 もっと売りたいんだけれど、絹子さんの長年の経験で、その他、
売上を上げる方法を教えて欲しいと言った。

 わかった、食事して、ゆっくり楽しんでから、教えて上げると
、いつもの様に、濃厚な逢瀬を楽しんで、シャワーを浴びて、落ち着いて
、じゃー、教えて上げる。しっかりメモしておくんだよと言い、
まず、宝石は、売れる時期と売れない時期があるんだ、
その時期を言ってみなと、ラハールに質問した。

 ラハールが金がないときは買えないよねと言った。
絹子が当たり前じゃないか、じゃー金のある時って?、いつと聞き返した。
給料日の後、というと、あんた、まだ若ね、ボーナスの後とか、株、土地、
家賃とか、大金が入ったときだよ。デパートの外商は、上客の情報は
きっちり持っていて、その時期を狙うんだよ。

 だから、彼らのうちで、売上の好い人に食いつくんだよ、
そして、買ってくれた客を話さず、売り続けるのさ。
 次に、もう一歩で、売り逃がした上客の外商セールスと売るための
綿密な作戦を立てるんだね。そういう使える外商セールスには、
交際費をかけても入り込んでいくんだよ。

 実演販売のコツは掴んだようだから、問題なさそうだねと笑った。
 最後に、デカい商談というのは、いくさと、同じなんだ、作戦だ第一で、
それ次第で勝ったり、負けたりするのさ、つまり頭の勝負なんだよ、
よく覚えておくんだよと大きな声で言った。

 言われたことを逐一、メモして姿を見て、あんたは、本当に可愛いねと
、うっとりした顔で言い、あんたとの縁も、神様の思し召しかも知れないから
、私の上客にも紹介してやるとと言い、その代わり、ゴルフを練習して、
100切れるようにしな、そうすれば、ゴルフ接待の時に連れてって、
上客を紹介してやる。

 もちろんゴルフ代は、あんた持ちだよと言った。その言葉に、ラハールは
、わかりました、ゴルフを練習して、早急に100きれるようになりますから
、上客とのゴルフ接待に連れてって欲しいと懇願した。

 絹子は、OK、頑張りなと言い、ラハールにキスした。
 その後、絹子に、お礼を言って帰った。その後は、毎週のようにテレビの
ゴルフ教室で勉強して、本を読み、早朝の打ちっ放しへ出かけた。

 ラハールは、生まれつき、運動神経は良く、小さい頃から父の手伝いで
重たい物を運んでいたので腕力には自信があり、絹子のすすめで、
彼女の入っているジムの会員になって時間が空くと欠かさず筋トレを
して筋肉質の体型を保っていた。絹子は、そういうラハールの身体が大好きで
、時間あると、何か用事をつけては、呼び出して、食事して、激しい逢瀬を
楽しんでいた。

 その為、絹子は、顔や肌の色つや、体つきも良く、色気があって、いわゆる
、良い女を維持していた。絹子に言われたように、商品を売ってくれた
10人の外商セールスともう一歩で売り損ねた8人の外商セールスのリストを作り
、次回の訪問時に、食事か、飲み会に誘って、上客の情報をできるだけ聞き出し
メモする事にした。翌日、彼らに、電話して、来週の出張での食事会や飲み会
の予定を入れていった。すると、来週から、朝から晩まで予定が全部詰まり
、出張も今までの1週間から2週間になってしまった。

 もちろん、多くの経費をかけてでも、大きな商売に結びつけようと決心した。
 その頃、こんなに時間と経費をかけて本当に売る上げ増加につながるのか、
ラハールは、迷った。その話を絹子は、怒って、私を誰だっと思ってんの、
若い頃は1人、年間数億円の利益を出したのよ。
 絹子は、なめてんなら、さっさとやめな、そんなケチな
根性の奴に教えるほど暇じゃないよと怒られた。
 ラハールは、ごめん、弱気になって、あんたの言うこと聞いて
、絶対成功させるから、見捨てないでとお願いした。
 すると、わかった、でも、これから、私があんたのご主人様だから
、絶対服従すんだよと、にらんだ、わかりましたと
答えるしかないラハールだった。

8話:外商さんの上客とのゴルフ接待(201010ー201103)

 その後、仲良くなった外商セールスから、上客に金が入ったから、
すぐ来るように電話がかかるようになっていた。

 翌月、名古屋の外商セールス、石島富士子さんから電話が入り、
4日後、ゴルフに誘われているから、ラハールも一緒にラウンドして
といわれた。その頃、やっとまっすぐ飛ぶようになり、100は切れる
ようになったが、ミスも多い、安定感のないけど、当たれば飛ぶゴルファー
になっていた。すぐ、宿を手配し、用いして、ゴルフ接待に出かけた。

 ゴルフの前日、食事をしながら、石島富士子さんがラハールを、
上客の佐藤さん(名古屋・老舗料理屋の社長)紹介してくれた。
 最初、佐藤さんがインド人のラハールを見て、びっくりしたが、
日本語が上手で、だんだん仲良くなり、酒を飲んで仲良くなるころには
、インド人の宝石商って確かに多いよねと親近感を持ってくれるように
なった。翌日のゴルフの日、快晴で文句なしのゴルフ日和だった。

 ゴルフをスタートして、佐藤さんはゴルフ歴長く、このゴルフ場の
メンバーということもあり、コースを熟知しており、コースごとに、
打つ方向を教えてくれた。ラハールと言えば、最初は、ボールに正確に
当たらず、苦労していたが、3番コース当たりから、正確に当たりだすと
、すごい球を打ち出した。とにかく、飛ぶのである。
 佐藤さんがびっくりして、ラハールは素質があると言い出した。

 ゴルフを始めてどのくらいと聞くとラハールは6週間目というと、
才能あるよと太鼓判を押すほど、気に入ってくれた。石井富士子と言えば
、そつなく、まさに営業ゴルフに徹していた。

 昼食もそこそこに、佐藤さんが、ラハールに練習場で、ミスを少なく
する方法や、改善点を指導してくれた。すると、後半、6ホールまで、
ラハールは、ボギー2つ、バーディ2つ、他はパーとイーブンパーであり
、佐藤さんは、1オーバーで回ってきた。7ホール目にラハールは、
緊張しはじめて、ボギーで1オーバー、佐藤さんパーで終えた。

 8ホール目で、ラハールのすごいショットでパー4をワンオン、
2パットのバーディー、佐藤さんパーで後半は、ラハールの1アップ
、最後のホールは、大きな池が左にある、名物ホール、オナーの0ハールが
、緊張しながら、思いっきりクラブを振った、ちょっとアウトサイド、インの
スイングになり、左に曲げてしまい、池にドボン、肩を落とした。
 続いて佐藤さんが、難なくセンターへ、軽々とパー、ラハールは3オーバー
で後半で逆転されてしまった。佐藤さんが逆転に大喜びをしていた。

 終了後、珈琲を飲みながら、面白いゴルフだっと佐藤さんが喜んでくれた。
 佐藤さんの奥さんもゴルフを習い始めて数ケ月で、石島さんが、懇切丁寧
に面倒を見ていた。結果は、1位が佐藤さん、2位、ラハール、
3位、石島富士子さん、4位:佐藤さんの奥さん。

 帰り際に、石島富士子さんが佐藤さんが、そっと何か耳打ちした。
 佐藤さんの車を見送った。石島さんが高価なダイヤモンドを買って
くれると言ってくれたと喜んでくれた。落ち着いて石島さんを見ると
背がすらっと高く、かわいい顔の美人で、ラハールの好みのタイプ。
 石島さんが駅まで送ると言うので、途中のレストランで夕食を一緒に
取ることにした。それとなく、ラハールは石島さんに旦那さんも一緒に
ゴルフするんですかと聞くと、笑いながら、亭主とは、数年前に性格の
不一致で別れましたのと言った。ラハールは、調子に乗って、じゃーまだ、
私にもチャンスがあるんだと、いうと何がと、聞き返してきたので、
あなたにアプローチするチャンスですよと笑いながら言うと、
さすが敏腕セールスマン、うまいこと言うわね。

 ラハールもいい身体して、何人も彼女がいるんじゃないのと
言い返してきた。いません、仕事一筋ですとわらった。嘘、信じられない
と石島さんが言い返した。それでは、そのうち、デートに誘っても
いいですかと、言うと、あまりふざけてると怒りますよと、睨んだ、
その睨んだ顔も可愛いねとラハールが言うと、まんざらでもなさそうな
笑顔だった。

 駅まで、送ってもらい、正式に石島が商談が決まったら電話します
と言ってわかれた。数日後、石島さんから、高額商品が売れたと電話が入った。
 この豪華なダイヤが売れて、商品が全部売れ、1億8千万円で仕入れた商品
が6億3千万円で売れた。佐藤さんが、ラハールに、今年中にまたゴルフを
しようと言っておくようにと、言われ、練習に励んで、俺に勝ったら、
素敵な真珠を買ってやるからと伝えるように言われたそうだ。
 佐藤さんがラハールの事を気にいってくれたみたいと喜んでくれた。
 しかし、これが、とんでもない方向に展開するとは、誰も予想
できなかった。今までの最高金額はもちろん、過去最高の2倍近い金額で
、この情報を早速、セールスマン全員に連絡して、喜びを分かち合った。

 もちろん、ラハールのおごりで、大きなパーティを開き、今後の
更なる売上、純利益増を全員で誓い合った。その1ケ月半後、6億3千万円
がラハールの会社の口座に入金された。利益が上がってきたので、月8万円
から10万円に若手セールスマンと事務の女性の給料を上げた。
 また、岸田商会、A商会、その他の業者からなどから、特に高価で大きな宝石と
、高価でも色がきれいな大玉真珠を、かわった色の大玉真珠を中心に、
この秋は、過去最高の総額2億2千万円の商品を買い付けた。
 その中の一つは、佐藤社長向けの豪華なサンゴの首飾りとして、
考えていた。夏休み後、若手セールスを10月中旬まで
休みなしで働かせたので、また、1週間、休暇とした。

9話:冬場の長期の実演販売と外商セールス(201104-12)

 休暇中は、若いセールスマン10名は、海外旅行や、日本の温泉、
買い物を楽しんだ。以外に、土日休みでなくても、長期連続休暇を
満足しているようで、不平不満はでない。給料も歩合制であり、
真剣に皆働いてくれている。
 来年からは、若手セールスで、営業センスの良い、4人を、
デパート外商との営業を経験させて、高額商品の販売網を広げて
いこうと考えていた。また、販売商品がそろって、加工、研磨を
10日間で、終わらせ、11月からまた、今度は、3週間かけて、
札幌、仙台、東京、横浜、新潟、金沢、大阪、神戸、広島、福岡を
まわり、大型スーパーの実演販売の約束を取り付けておいた。
合計で52か所で実演販売することにしている。
 あらかじめ、超高額商品と、外商セールスから依頼された商品は
取り分けておくことにした。今回、若手セールスの係長として、
ハンサムで個人的に入り込みの強い、一本釣り得意の鮫島次郎と
やはりハンサムで優しい感じで、万人受けして、そつなく多くの人に
売るのが得意な吉川三郎を選んで、若手セールスマン10名の販売指導
と管理を命じた。彼らの個性を教えてくれるようにしっかりと言っておいた。

 もちろん、給料もその分、増やす約束をした。その間、ラハールは、
実績のある外商セールスと、売り損ねた外商セールスについて、
詳細な顧客とセールスの情報資料を作成して、今後、フォローしていく事
にした。また、若手の実演販売終了後に、セールス係長の鮫島次郎と
吉川三郎を資料をラハールが作成したデパート外商18人に面会して、
販売作戦をねったり、商品を見せて回る活動に同行させる事にした。
 10日間にわたる実演販売を終えて、帰ってくると、かなりの
ハードスケジュールだったようで、疲れ切っていた。
 そこで、帰ってきた翌日に、今回の販売実績表と、成功、失敗、
今後の改善点を提出させ、木曜から日曜まで休暇を取ってこいと命じた。

 集計の結果、全体の60%程度が売れ、3億5千万円の売上。
 ただし、鮫島次郎と吉川三郎は1日の休暇後にラハールと出かけた。
 最初に、東京で、以前、注文にいたらなかった5人の外商さんに、
新たに、上客の好みそうな、宝石を選んでもらって、次回こそ注文を
取るようにハッパをかけた。翌日、横浜で3人の外商に面会して、
良さそうな商品選んでもらい、次回の受注をお願いした。

 名古屋で、外商の石島富士子さんに会い、上客の佐藤社長が好み
そうなピンクパールのはいった豪華なネックレスを渡し、
また、受注してもらうように頼んだ。

 富士子さんが、佐藤社長の支払いが多少遅れても良いですか
というので、3ヶ月位にならと了解した。
 その後、同じように5人の外商さんに、売りたい商品を選んでもらい
、扱ってもらって受注をお願いした。大阪、神戸も同じようにお願いした。
 福岡の5人の外商さんは、受注の可能性が高そうなので、買いそうな
商品を預かってもらい、個々の上客への受注できるように綿密に作戦を立てた。

 これを興味深そうに鮫島次郎と吉川三郎が見ていた。宿に帰り、
鮫島次郎と吉川三郎に感想や意見を聞くと、鮫島がもっと強引に外商さん
に頼み込むのかなと思っていたが、意外と引くところは引くんですねと言った。

 そこで、ラハールが外商さんは優秀なセールスで、上客を何年もがっちり
抑えて高額商品を売っている。だから、彼らを信用して売っていただくと言う
姿勢が肝心だと説明した。外商が売りやすいようにするのが、我々の使命だ。

 直接、お客に売りつけるんじゃなくて、お客が、どうしたら、高額商品を
買う気になるかを外商と組んで、考え、売っていくのだと言った。

 吉川がそれを聞いてて、確かに外商さんの受け答えは冷静だが的確で、
できそうなセールスが多いと言った。年間、どのくらいの金額を売って
いるんですかと聞いてきたので、ピンキリだが、多い人は年間10億年近い。
 少なくても月1千万以下はいない、つまり、ほぼ全員が年間億以上売って
いるというと、2人ともすげー口を揃えて驚いていた。

 しかし、上客の接待や付け届け、挨拶、誕生日、ご家族の情報など
、全て頭に入れて、金が入る時期が何時で、どんな接待が有効なのか
、今、何を望んでいるのかを常に気にして動いているんだといった。

 いわば、スーパーセールスマンと言うことだよ、彼らの言動、行動など
、しっかり盗んで行くように、言って、メモをきちんと書き、ホテルに
もどっても、そのメモをまとめておけ、それが、君たちがセールスの
世界で勝っていくためのバイブルになるんだと言った。

 最終日の晩、鮫島次郎と吉川三郎にメモと、それをまとめたメモ帳を
提出させ、ラハールが読んでみた。まだまだ、足らない点と時間をかけて
補足した。補足したことをメモにしっかり書かせた。出張には、多くの
金がかかるんだ、その金を無駄にしてはいけない。

 見たり、聞いたりしたことをもらさず、自分なりに取り入れられる
様にして、一流のセールスマンになっていかないと駄目だと、
しっかりと言い渡した。ラハールは、もう一回、鮫島次郎と吉川三郎を
同行して外商セールスの仕事を見てもらい、来年からは、1人立ちしてもらう
ように考え、そのように彼らに話した。また、業績が伸びてきたので
12月には、ボーナス1人当たり20万円を全員に出すことにした。
 これには、若い社員たちが喜んで、また頑張って
売っていきますと意気上がっていた。

10話:年末の営業活動と新人の外商担当開始(201112-201201)

 12月に入り、若いセールスマン12名で最初、東京、横浜で
実演販売して、年末ということで、お客さんも多く、売り上げが
2割以上多く、好調な出足だった。

 その後、札幌まで、飛行機で行き、札幌を終えて、名古屋に飛び、
こちらでも、売り上げ好調であり、販売の仕方も多分うまくなったのだと
思われた。大阪、神戸、また飛行機で福岡に飛び、こちらも売り上げ好調で、
終了的には7割近く、売り切ってくれた。

 外商さんへの売り込みに、鮫島次郎と吉川三郎とラハールの3人で
出かけた。東京、横浜で、できるだけ多くの外商さんに鮫島次郎と
吉川三郎を紹介して、馬の合いそうな外商さんと話しかけてもらった。

 吉川三郎は、そつなく、多くの外商さんを捕まえ始めた。その点、鮫島は、
なかなか馬の合う人が少なく、6人ほどしかパイプがつくれなかった。
 ラハールの方は、東京の外商で、上客の好みの商品を揃えたので、かなり
売れる可能性が高いと言ってくれた人東京10人、横浜6人おり期待できた。

 名古屋では、石島富士子さんが、佐藤社長がピンクパールの大きな
ネックレス売れたと教えてくれた。12月20日過ぎに8千万円を
入金してくれると言った。来年春に息子さんが結婚する事が決まったので、
奥さんになる人にダイヤモンド指輪を送りたいと考えているようで、
特徴のあるダイヤを探して欲しいと言われた。大阪では、カットの
きれいなダイヤが5人に、かわった色の大きな真珠の指輪が3つ
売れる予定だと言われた。

 神戸でカットの美しいダイヤ5人、福岡では、かわった色の真珠の指輪が
3つ、カットのきれいなダイヤが3つ、売れそうなので、外商さんに
預かってもらうことにした。デパートの外商さん回りを終えて、
クリスマスイブの日に東京に戻ってきた。今年は12月31日まで営業して
、来年は1月7日まで長期休みとした。

 今年は、年末の外商さんの販売は、35個、預けた商品のうち30個
が売れた。来春に、売れなかった5個を回収することにした。
 売上総額、7億円で終了した。今年は、年初の売り上げが2億円が
年末には6億3千円と3倍以上になった。その理由は、実演販売の方法を
マスターできたことと、各スーパーでの実演販売の時間を少ないして、
より多くの場所で販売できるようになったことが売り上げ増加につながった。
 外商の方は、各担当者と上客に合わせて、商品を揃えたことと、
 外商さんとのパイプがつくれたおかげだった。お客さんの好みの商品を
提案できるようになったことと、金のある時期を把握できたことが
売る上げ増につながったのだと思う。来年は、鮫島次郎と吉川三郎の
外商さんとの連携で大きな商売を期待したい。パイプもできそうなので
期待できそうだ。我が社の利益剰余金が増えてきたので、
 近いうちに、10人のセールスに、1人1部屋を与え、
事務所も今よりきれいで大きい所に移ることを計画中だ。

11話:新年の活動開始(201201-03)

 2016年1月になり、2週目の月曜から、年始のあいさつ回り
と売れなかった商品の引き取りを兼ねて、ラハールと鮫島次郎と
吉川三郎の3人が札幌から東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡を
4日間で回ってきた。

 昨年末、吉川が6件で2千万円のダイヤと真珠を売り上げたが、
鮫島は、5件は販売見込みのうち2件で5百万円のダイヤと真珠を
売っただけとなった。かなり差をつけられた鮫島は、今年こそは、
がっちりと上客と外商さんをつかんで実績の挽回を誓った様だ。

吉川は、彼の特徴を生かして、1人でも多くの外商さんと仲良くなり
、できるだけ多くの商品を売り売上金額を増加させていこうと考えていた。

 1月は、宝石問屋に在庫が少なく、小さくて、高額商品が少ないので、
ラハールは、3日がかりで多くの問屋をまわったが、新規の問屋は、
信用してくれないので、売ってくれないのだ。想像以上に封建的であった。

そこで、顔を売るため、岸田絹子さんに電話して、宝石問屋を
新規開拓したいのでと同行してもらうようにお願いした。
 来週の火、水、木曜に朝から、行くことになった。岸田さんの家に
泊まり込んで出かけると言う条件付きで了解された。

 火曜、山手線と中央線沿い、水曜日は小田急と田園都市線、
木曜は、東急線と京浜東北沿いを横浜、関内あたりまで、
1軒でも多くの問屋さんを訪問した。業会で顔の広い岸田さん
との同行は、ラハールにとって得るものが多く、有意義だった。

 しかし、仕事を終えると、岸田さんと食事を終えて、毎晩のお相手は、
いくら若いラハールと言っても、あまりの絹子さんの激しさに圧倒された。
 最後の日、これから、もし、欲しい商品が集まらず困ったら、連絡して頂戴、
できるだけ協力するからと言ってくれた。おかげさまで、1月は
、欲しい豪華な宝石や、大きな真珠、素敵な色のオパール、ルビー、
サファイヤ、エメラルドを数多く取り揃えてることができた。

 1月は、1.5億円と過去最高の金額の高級な宝石を手に入れる
ことができた。石島富士子に言われた、結婚祝いのきれいな
色の宝石も数多く手に入れたので、その写真を10枚
石島さんに送って調べてもらった、
 2種類が購入候補にあがったので、次回の訪問で持参する
ことを約束した。若い12人のセールスマンが1月10日から
7日かけて、実演販売のため、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、
福岡のデパートに出かけた。札幌は雪が多く、中止とした。

 今回は、素敵な色の真珠、オパール、ルビー、サファイヤ、
エメラルドを数多く持ってきたので、かなり評判が良く、次々と
売れていった。東京、横浜で持参した商品の半分が売れたのだ。

 名古屋、大阪、神戸で80%も売ってしまった。福岡でも、
売れ行きは衰えず、ほとんど売りつくしたのだった。
 1月20日から25日にかけて、札幌は雪でキャンセルし、
東京、横浜で、素敵な色の真珠、オパール、ルビー、サファイヤ
、エメラルドを持参した。かなり反応よさそうとの報告を受けた。
 名古屋、大阪、神戸でもこんなに大きくてきれいな色の宝石、
もっと早く持ってきてほしかったと言われるほど好評であった。
 福岡も同じ反応であり、心強い、年の初めとなった。

12話:年の初めの売り上げ(201203-06)

 3月に入り、外商での売り上げが上がってきて集計して
1億円を超えた。売れそうな先の80%が売れた。
 今月の実演販売は2週目から7日かけて、東京、横浜、
名古屋、大阪、神戸、福岡のデパートに出かけた。

 高価な商品を持って、実演販売をし、金持ちそうなおばさんを
壇上にあげて、豪華な宝石をつけてもらい、マネキンの様に
褒めちぎった。東京で買いますと手が上がって、売ろうとしたとき
、待ったコールが上がり、1000万円のブルーダイヤに1050万円でと声がかかり、
他に声はないかと聞くが、1050万円で売れた。

 こんなに高額商品で待ったコールは初めてだった。
 そのため、次の高価なピンクがかったダイヤも9百万円を予定したが
、1千万円で商品を出して、また、お客さんを壇上にあげて、つけてもらうと
、良く似合って、見るからに上品そうで高貴な感じがした。
 少しして、1千万円で落札された。カラーダイヤの人気がこんなに
高いとは、ビックした。続いて、血の様な真っ赤なサファイヤが出て、
売り予定値を600百万円と考えていた商品をまた、色白でちょっと太めで
色っぽい女性を壇上にあげて、真っ赤なサファイヤをつけてもらうと、
驚くほど似合っていた。そこで、思い切って600万円を提示したところ
、売れた。その後も、売却予定額よりも、50-100万円上乗せして
販売して、ことごとく売れた。たぶん、これは、年の初めの
ご祝儀気分というのも影響したのかも知れない。

 しかし、宝石のにあう女性を壇上に上げて、つけてもらう作戦が
効果的なのには驚かされた。壇上に上がる、モデルの女性も美しい宝石
をつけられて満足そうだった。そんなこともあって、販売数量は
56%だったが、販売金額の方は68%の9千万円で終了した。

 外商での売上を8千万円と合計して1億7千万円、
その他の販売で4千万円で総計2億1千万円だった。

 その後、また、来月販売する宝石類を買いに、東京都内と横浜へ出かけた。
 先月の高価な宝石が残っているので、今回の買い付けは1億3千万円程度
を目安に、色きれいなもの、サイズの大きいもの特徴のあるものを中心に
買い込んできた。実は、販売金額が高くなるにつれて、純利益が上がり
、利益剰余金残高が増えてきたお陰で、宝石を調達するお金が潤沢に
なってきて、自由に、買い付けできるようになってきた。

 買い付けを終えて、事務所に戻って、今回の実演販売で、宝石が
似合う女性につけてもらって、お客さんに見てもらい、予定価格より高く
、売るというアイディアを考えた、佐藤秀夫君には、特別報奨金10万円を渡した。
 そして、彼を実演販売係の係長に昇格させ、来月から10万/月の給料を
12万/月に昇給することを約束した。今回は、高価な宝石を仕入れたので、
残った宝石の金額は大きいが、次回の販売に使う様にする。

 今月は、新しい、賃貸マンション1DKマンションに若いセールスマン10人
が引越をして、また、心機一転、宝石の販売に頑張ってもらうようにお願いした。
 彼らも、以前の古いアパートから、引っ越しして、ラハールに恩義を感じ、
頑張りますと、みんな意気盛んであった。家賃は会社持ちで、給料も8万/月から
、10万/月にアップした。儲かったら、待遇改善を約束するラハールだった。
 1月も好調だったので、最後の週を休暇にして、5月からの販売に備えて、
ゆっくり休んで英気を養ってもらうようにした。

13話:事務所引越と外商レディの入社(201206-09)

 ラハールは、6月から、土日返上で、会社の事務所を探し歩いた。
 多少古くても、駅から近くて、広めの事務所と考え、現在の10人から、
15人位はいれる大きな事務所と言う事で、最初にネットで調べ、
不動産屋さんと土日返上で探し回った。
 候補として3つ程、上がった。1つは、新横浜近くで、
広さと眺望は1ちばん良い事務所で以前は15人で使っていた様だ。
 昨年末から空きになっているという。欠点は、新横浜の裏口にあり、
繁華街の行くには、一度、駅を抜けなければならい事だけであった。
 ただ、ラハールの商売は、事務所にお客さんを迎えるケースが
ないために、問題にはならない。その他、横浜駅近くの繁華街で、
事務所の規模が25人、欠点はビルが古いのと、駐車場が高い事。
 もう1つが、桜木町のみなとみらい地区、オシャレなビルの事務所
で海が一望できて、眺めが最高、欠点は規模20人と小さいことと
賃料が高い点だった。以上の事を考え合わせて、新横浜に決めた。

 最終週の休みに、会社の若手12人が1日がかりで、トラックを
借りて、古い事務所からの引越をした。社員達は、倍以上の広さに
、驚いていた。また、新横浜まで歩いて5分足らずで行けるので、
食事に便利と好評だった。この事務所で、また、がんがん売って
いこうぜと、ラハールは若手、社員達に大きな声で言った。
 頑張りましょうと返答が帰ってきて、安心したラハールだった。

その後、ラハールは、2月の、実演販売のデパートや、外商さん回り
のスケジュールを相手さんに電話して、練り上げていった。
 また、今年の3月から、デパートでの実演販売を2週目と4週目、
2回行う計画を考えていた。1週目に外商さん回りをして、4週目に
売上金の回収と売れ残り商品の引き取りをする事で、効率よい
営業活動をめざした。このスケジュールで行くと、実演販売にラハール
と鮫島次郎と吉川三郎の3人が加わるので、総勢10人となり、
 場合によっては、2グループに分けて、別の場所で実演販売する事も
可能になると考えた。売上が増えていけば、また、セールスマンを
増員しても良いと考えた。

 そんな時、名古屋の外商セールスの石島富士子から、電話があり、
ラハールの会社で雇って欲しいと言った。外商セールスで、固定客ばかり
の営業に飽き、新規開拓できるラハールの会社で働きたいというのだ。
 実は、名古屋、大阪、京都、神戸でも同じように考えている
外商セールスが何人もいて、ラハールの商売が大きくなれば、
彼女たちで女性達だけの販売チームなんて、良いアイディアじゃないか
と考えるているとまで言った。
 ラハールも、確かに、面白そうなアイディアだと感じた。
 ついては、近いうちに、一度直接会って、話したいと、ラハールの
予定を聞いてきた。6月の最終日だったらあけておくというと、
わかったと言い、待ち合わせを日比谷のTKホテルのロビーにして、会うことにした。

14話:10月の販売と長期販売計画立案(201210-12)

 翌日、社員全員を集めて、今月のスケジュールとデパートでの
実演販売を2週目と4週目に行う事を話した。
 また、鮫島次郎と吉川三郎に外商回りは1週目に行うと言った。
 ラハールと鮫島次郎と吉川三郎の3人で外商を先月と同じ、
東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡を7日間で回る事にした。

 売上がコンスタントに上がっている吉川は、1人でも多くの
外商さんに商談を進めていた。鮫島次郎は、大阪と神戸の外商6人とで
、入り込めそうな上客の外商さんと高額商品の売り込みで一気に
販売金額を稼ごうと計画していた。

 東京、横浜で、特徴のある宝石を見せて、上客に好まれそうな
上物を外商さん16人が、選んで預かってくれた。
 吉川は、持ち前の口の上手さで多くの外商さんとパイプを作り始めて
、22人のセールスに声をかけ、12人に商品を預かってもらい、
販売に結びつけてくれるよう頼んでいた。

 鮫島は、自分に会いそうな外商さんを1人でも多くするように
声を駆け回っていた。今回、商品を預かってくれた外商さんは8人
と増えていった。首都圏を終えて、名古屋で、石島富士子が高額の
綺麗で美しい色のダイヤを上客の佐藤さんの息子さんの結婚祝いに
買ってもらいますと言い、支払いを以前みたいに1-2ヶ月待って
と言うので了解した。

 そして帰り際に、あの件、是非、お願いねと軽くハグして別れた。
 それ姿を見ていた吉川君がラハールさん、意外にプレイボーイですね
と笑っていた。ラハールは、いやいや、ビジネス、ビジネスと打ち消すのに
必死だった。次に大阪、神戸で、鮫島君が大阪弁で、俄然はりきりだし
6人の外商に高額商品を売ってくれないと、わての顔がたちまへんので
、たのんまっせと言いながら、上客が買ってくれそうな高額商品を
外商さんと話しながら、預かってもらっていた。吉報を待ってまっせ
と外商さんの肩をたたいた。

 福岡では、吉川君が、女性の外商さん4人に囲まれて、商品の選別を
手伝っていた。できるだけ、高価で素敵な宝石を預かって下さいねといい
、軽く肩をたたいたり、ハグしたり、アイコンタクトを取ったり、握手したり
、営業センスの良さを生かして取り入っていた。

 鮫島君は、年輩で頑固で実直そうな外商セールスさん3人に
絞って、商品を預かってもらっていた。ラハールも多くの外商さんに
個性的で高価な宝石を多くの外商さんに預かってもらった。
 その後、鮫島君が大阪の6人と博多の3人から、売れたとの
電話をもらい、高価な商品で販売額は6800万円であった。

吉川君は、22人から売れたとの電話を受け、9000万円の売り
、ラハールは9300万円の売上、その他の売り上げ700万円で
2億千万円。2週目と4週目の実演販売で遂に念願の1.5億円を
売り上げた。総合計2.5億円だった。

15話:石島富士子の入社(201204-08)

 6月末日、日比谷のTKホテルのロビーで午後5時、石島富士子
に会い、ホテルで夕食をして、お酒を飲んだ。今後の宝石の販売や
、女性セールス販売部の話などを熱く語る石島富士子だった。

 ラハールは、ただ聞いてるだけで、相槌をうつくらいだった。
 富士子は、酒を飲みながら、ラハールって、よく見ると、
顔の彫りが深くて、大きな目で素敵と言い出した。
 肩幅も広く、胸も熱く、上等なスーツもとてもお似合いよと言った。
 ラハールは、酒は、口をつけた程度だったが、富士子は話が進むほど
、顔に赤みがさして、より一層、美人に見え、酔うほどに、
色っぽくなる気がした。
 時間も遅くなってきたので、富士子に宿はどこと聞くと、予約してない
のと言い、ラハールにあんた先に帰るのと言いだした。
困ったラハールは、ここを予約しようかと言うと、富士子がツインで、
ラハールつきで、予約してきてよと言うのだった。
 反論しても、余計めんどくさくなるのが予想されたので、わかったツイン
を予約してくるよと言い、フロントへ行き、空いていたのでツインを予約できた。
 キーを持って、テーブルに置き、富士子に渡そうとすると、
あんたも一緒じゃないと駄目と、言うではないか、困ったラハールは
仕方なく、部屋まで案内するために、かなり酔った富士子を部屋まで
連れて行った。抱っこしてベッドにのせて、帰ろうとすると、帰っちゃ駄目
といい、ここへ来なさいと命令した。

 しかたなく、命じるままに近づくと、押し倒されて、その後は、上にのって、
ご想像の通り、一夜を共にするはめになってしまった。
 疲れ切っていた、2人は事が終わると熟睡して朝8時過ぎまで寝ていた。
起きて、富士子がシャワーを浴びてきた。その後ラハールもシャワーを浴び
、朝食は面倒くさいのでルームサービスをお願いした。
 富士子は、上機嫌で、私って、良い女でしょうと笑った。
 その質問には、返事もしないで、そうだねと軽く答えると、
本当のこと言って、良かった?、ラハールは、言葉にせず、頷くだけだった。
あんた、商売の時は、あんなにしゃべるのに、プライベートでは無口なのね
と笑った。そーなんですと言うと、もっと大きな声で大笑いをした。

 そんなところが可愛いと抱きしめてきたので、ふりほどいて、
ルームサービスが来るからガウンでも着て食事しようとラハールが言った。
 少しして、ドアノックがあり、ウエイターが、おはようございますと
挨拶しながらテーブルをセットして、美味しそうな朝食を並べてくれた。

 チップを渡し、朝食を取って、支払いを済ませて、富士子を東京駅まで
送った。帰り際に富士子がラハールに抱き付いてきて、あんたと一緒に
仕事できるのを楽しみにしているわよと言い、そしたら、売って売って
売りまくるからと、豪語した。ラハールは、クールに、
その時を楽しみにしてるよと言い、富士子が新幹線に乗るのを見送った。

16話:富士子の外商仲間の入社依頼(201205-12)

 富士子と会った翌週の木曜日に、彼女から、上客の佐藤さん
から宝石代金が1千万円の入金があったとのことで、すぐラハールの
会社の口座に入金すると伝えてきた。

 そして、今のデパートの外商を辞めて、ラハールの会社に移籍すると、
佐藤さんに伝えると喜んでくれ、佐藤さんが、君に、サファイヤでも
プレゼントするから、良いのを選びなさいと言ってくれたと電話してきた。

 ラハールが、富士子さんなら、真っ赤なサファイヤが絶対似合うと伝えた。
そして、富士子さんの離職を仲の良い、大阪、神戸の外商仲間に連絡した
ところ、来月面接して欲しいと言われたいうのだ。何人いるのと聞くと
希望者は10人いるけど、即戦力として使えるのは7人と答えた。

 富士子が、この7人なら絶対に、期待以上の仕事をするわよと言った。
そうだな、じゃーその7人と富士子さんと会おうと言い、4月20日の午後、
あけておくから、東京駅の新幹線出口で待ち合わせましょうと言った。
 4月に入り、首都圏の宝石の問屋を回ってみると、ラハールが即金で
買ってくれるという評判がたって、売りたがる問屋が増えてきて、
訪問すると、店のおすすめ商品を出してくれるようになり、
仕事がしやすくなった。今月も、2日間で、良い商品を2億円ほど
買い込んだ。その後、3人で外商を回り、首都圏で売値で1億6円万円
の宝石を外商さんに預けて、彼らの上客に売ってもらうようにお願いした。

続いて、名古屋でも同じ様な話をして売値で8千万円分の商品を
預けてきた。帰り際に富士子が今月29日に面会する予定の女性外商さん
7人の名簿と特長を書いたファイルを渡してくれた。移動の新幹線で
一通り目を通した。売り上げ実績や、売り方の個性、長所、短所、学歴、
未婚である事、得意分野などを網羅した資料だった。

 名前は。京都:猪瀬好子、山村文恵、大阪:北野達子、吉村真理子
、三宮鈴子、神戸:鈴木あけみ、加藤竹子。そこで、今回は初めて、
京都のデパートの外商を回る事にした。Aデパートで猪瀬好子に挨拶し、
その他、10人の外商さんと名刺交換し、売買のシステムを説明した。

 Bデパートで山村文恵に挨拶し、その他15人の外商さんと名刺交換と
挨拶、販売商品を見せて、上客に案内してもらえそうな商品を決めてもらい、
その人の担当の上客に販売する予定の商品を2-3週間預けて、
売れて入金があったら、ラハールの会社に入金してもらう。
 売れなければ、翌月の訪問の際にラハールの会社で引き取るという
システムである事を説明した。思ったよりも開放的であり、
今後も訪問した方が良いと感じ、次回から毎月訪問することを各デパートに
伝えた。大阪では、北山達子、吉村真理子、三宮鈴子さんに挨拶し、
個々のデパートで仲良くしてもらっている外商さんに、上客さんのため
の売却予定商品を選んでもらい、預けてきた。神戸で、鈴木あけみさん、
加藤竹子さんに挨拶して、いつもの外商さんに奨めてもらえる
商品を決めてもらい、預けてきた。

17話:2月実演販売と富士子の外商仲間の入社(201206-12)

 翌週からの実演販売で、1班(吉川三郎グループ)
2班(鮫島次郎グループ)とに別れて売り始めた。
 首都圏では、別々に、できるだけ多く、大きなスーパーとデパート
で実演販売をした。特に、以前成功した、宝石の似合いそうな女性を壇上に
上げて、見てもらい、販売員が実際に服装と顔の色、形、スタイルと宝石が
うまく調和しているのをわかりやすく説明するやり方を実践していった。

 2日間やってみると、売上で20%近く上がった。特に売れる数が
25%以上増加した。大阪、京都、神戸、福岡を回ってみて、
売上が25-30%、数量では40%も伸びたのだ。

 実演販売の時に、以下にお客をのせて、買う気にさせるのが
上手になってきたのも増量、増益につながっていると思われた。
 4週目の実演販売でも順調であった。この結果、実演販売で、
過去最高の売上金額で2億1千万円を売り上げた。

 4週目に、ラハールが外商さんの売上を聞いて回ったところ、
2億円であった。売れ残った商品を回収して回った。

 その他での売上5千万円。総合計、4億6千万円と過去最高を
塗り替え、新記録だった。2班に分けて多くのスーパーをまわった、
大型スーパーの実演販売が功を奏した結果となった。

 仕事を終えて、3月29日、東京駅で、あたらしく、ラハールの
会社に入ってくる女性営業セールスウーマン7人を出迎えた。
 その後、駅近くの大きな喫茶店で大きな2テーブルに別れて、
1人10分で面接を行うことにした。京都、大阪。神戸の順に、
始めた。ラハールは、最初、1:転職した理由、
2:我が社でどう売っていくか、3:自分の売り方、
4:ラハールの会社でどんな宝石を売りたいか、
5:座右の銘、最後に厳しくても、ついてこられるかの確認。
始めて見ると、簡潔に話す人と、話の長い人に別れた。
 そのたびに作成した個人別の面接用紙にわかりやすく◎○△×?マークを
つけて、コメントを短く書いた。話の長そうな人には、完結にねと、
言うようにした。途中で休みをいれて4時間半かけて午後5時半に
面接を終えた。面接に来られたみなさんは、ラハールが、今日、
遠くから来られているので5時過ぎに結果を発表しますので、
少しの時間、こちらの喫茶店でお待ち下さいと伝えた。

面接終了、少し、休憩して、富士子にラハールが書いた面接した時の結果を
書き込んだ面接シートを見ながら、富士子の彼女たちへの印象とすり合わせた。
 25分過ぎた頃に富士子が、最終的に全員合格で良いんですよねと聞いた。
 ラハールが全員合格としようと言い、ただし、仕事の仕方や言動に問題
があって、社風とあわないことがわかれば、退職してもらうと念を押した。
 そりゃー当然ですねと富士子が賛同した。話を終えて、富士子が、
仲間の女性達を集めて、最初、月給20万円、交通費、経費は別請求で
会社持ちで、7月5日付で、全員採用と決まりましたと伝えた。
 その中の北野達子が、歩合制ではないのですかと聞くと、最初は、
会社の規定通りで、販売実績を見て、個別で、後日、給与等は交渉と
言うことですと伝え、早く、ラハールが驚くような実績を見せてやりましょう
と言った。その話で、そーよね、実績で給料を上げてくれると理解して
良いんですねと、声が上がり。富士子が、そう言う事ですと答えた。
 この話を聞き終わって、彼女たちが富士子とラハールに、
次々と、お礼の挨拶をして、帰って行った。

18話:富士子とラハールとの話し合い(201210-12)

 その後、富士子が、じっくり話がしたいと言い、急に、前のホテルの
部屋でお酒を飲みながら、今後の話をしたいと言い出したので、
ビックリして、まじかよ言い返した。

 すると、笑いながら富士子がまじですと切り返した。
そこで、ルームサービスに連絡するのは面倒なので、
近くのデパートですきな食べ物とつまみと、ブランデー、ワイン、
飲み物を買って、TKホテルにチェックインした。

 まず、富士子がシャワーを浴びて、ガウン姿で出てきた。
シャワーを浴びてる間に、ラハールがテーブルをセットして、
お酒や、つまみ、食べ物をうまくセットした。

 その後、ラハールが、さっとシャワーを浴びてきて、ガウンに
着替えてきた。まず、面接の完了に乾杯した。
 富士子が開口一番、あの娘達、どうだったと聞いてきた。
 そこで、ラハールが、個性的で、綺麗で、洗練されていて、
流石に外商でもまれているだけあって、売れそうな感じがすると答えた。
 そー、それは良かった。じゃー全員合格と言うことで良いのねと
言った。そうだね、合格で全員の入社を受けましょうと伝えた。

 但し、もし、何か、大きなトラブル、社内で、人間関係などでもめた
時点でやめてもらうこともあり得ると言った。
 それは、ラハールが社長であり、その権限があるので、構いませんよ
と富士子が言った。今晩は、ゆっくりと富士子の今後の仕事の
持っていきかた、ビジョンを聞きたいとラハールが言い、
 富士子のグラスにワインをついだ。お返しに、富士子が、
ラハールのブランデーグラスにもブランデーをいれてくれた。

 そして再度、今回の会合が我々の希望ある未来に乾杯してと言い
、乾杯した。その後、富士子は、いつもにまして饒舌に今後の
宝石の販売について、夢を語り出した。そして、話しが佳境に入り
、最終的には、自分たちだけで独立してやっていきたいと述べた。

 それを聞いていた、ラハールは、すごいね、熱いねといい、
じっくり話を聞いていた。富士子が話を終えて、どうですかと
ラハールに意見を求めた。全体的には素敵な話し出し、販売に対する
熱い情熱も良かったが、率直に意見を述べると、理想論に聞こえる。
 もし・・・となったら、こうするとか、・・・が起きたら、
どうするとか、経営者としての目線が足らないような気がすると
言った。へー、初めて聞いたと、富士子が驚いた。

 ラハールが、自分の生い立ちや、両親がインド料理屋で苦労しながら
、日本の人達に入り込んできたこと、決して順風満帆ではなく、
むしろいばらの道だった。そこから、もし・・・だったらどうしよう、
・・・されたらどうしようと、常に考えてきたんだ。
 
 自分が料理屋に向かなくて、日本人の宝石商に弟子入りした時の
売上が増えた分の10%をやると言われて、昔より大きな商売に
なっても、売上が増えなければ無給という理不尽な仕打ちを受けたこと。
それを見かねた、同じインド人の宝石商の先輩が、その理不尽な日本人から
、ラハールを身請けして、宝石の商売を教えてくれたこと。

 その人が、ある日いなくなって、数日後、海に沈められて、
死体となったこと、その後、寂しい葬式をあげたこと。
 その後、葬式に参列してくれた、を慕ってくれたやさしい日本人の
援助を受けて、亡くなってからの会社を引き継いで、19歳で社長に
なったことなどを話した。
 すると、聞いていた、富士子が泣きながら、あんたすごい、だから、
こんなにでかい商売を簡単そうにこなしているんだと言った。
 富士子は泣き止んで、確かに、あんたが言うように、私は、
まだ挫折を味わったこと話し、第一、ちやほやされるけど、
一度も意地悪も、辛酸をなめたこともない。確かにあんたの言うように
、甘っちゃんなのかも知れない。でも、挑戦する気概は十分あるよ
、だから、やらして下したと頭を下げたのだ。
 
 これには驚いて、頭を上げてよと言い。わかった、
あんたの挑戦を支えて上げようとラハールが言った。
 しかし、私は、たいていのことはOKだが、違うと思った事は
どんどん言うし、納得してもらえなければ、すぐに、やめてもらう
性格なんだよと言った。それだけは覚えて置いて欲しいと伝えた。

 また、売り方でも、うるさく言うよと付け加えた。それが、
社長の責任だから・・と言った。富士子は、ラハールの話を全部聞いて
、あーよかった、こんな素晴らしい人に巡りあってと言い、
もう一度、涙を流した。これで、話は終わりですとラハールがいうと
、話の終わりの乾杯しようと言い、乾杯し、また、求め合って、
熱い一夜を過ごした。翌朝もルームサービスを取って、朝食をとり、
チェックアウトして、ラハールが支払い、富士子は颯爽と去って行った。

19話:11月からの販売計画(201211-12)

 ラハールは、鮫島次郎と吉川三郎と佐藤秀夫君に、7月に女性セールス
を7人採用したと伝えた。すると3人は、ビックリしたように本当ですか、
誰ですかと聞いてきた。そこで、ラハールは、多分、君たちも知ってる、
デパートの外商セールスレディ達だというと、3人は、うそーと思わず言った。

 いや本当だ、君たちも、彼女たちの顔を多分、知っていると思うと言った。
 そういう独身の美人さん達なら大歓迎、仕事もやる気になると言った。
 ラハールが、仕事だけじゃないだろと言うと、3人は、そりゃー
そうですよと言い返した。鮫島が、とにかく、みんなにとって、
うれしいことだと思いますよと言った。で、いつから出社して
くるんですかと吉川が聞いてきた、7月5日から出社予定だというと、
待ち遠しいと笑った。ラハールが彼女たちの名前は、後のお楽しみ
として7月からの販売計画をたてたいと思うので、

 これから、その会議を始めると言った。ラハールが、彼女たちの
最初の仕事は、実演販売の時のモデルさんとして、初仕事をして
もらいたいと思っていると言うと、それは良い考えじゃないですか
と3人が言い、あらかじめ、彼女たちに似合う服と宝石を選んで、
あらかじめ、リサーサルをするんですねと吉川が言い、その通り、
その時に、最高のショーガールとして、お客さんにアピールして、
買う気にさせるんだよ、さすが、ラハールと鮫島が言った。

 面白い試みです、是非、成功させましょうとと吉川が言った。
 じゃーこれで決まりとラハールが言った。次に、販売目標だが、
 彼女たちの給料20万円で8人、160万円/月、加えて、交通費、
交際費を20万円/月、更に彼女たちの必要経費として、交際費と
同じ額と考えると、その3倍、480万円/月、5760万円/年と
膨大な費用がかかる。その為には、売り上げ目標を高くしなければならない。

 最近の3ヶ月の売上合計は、約4億8千万円、利益が2億5千万円、
新しい事務所と従業員宿舎もマンションに変更し、給料もあげたので、
 経費も増えてきた。その為には、早急に、利益を3億円にして、
年後半には3億5千万円にしていきたいと言った。その為の方策として
、1つは、現在、実演販売を2班でやっているのを、3班にして
、もっと多くの場所で、実演販売をしていく事。次に、外商さん回りを
今の3人から、彼女たち8人をいれて11人にして、全国をくまなく
デパートの外商さん相手に商売を広げていく方法しかないと考えている
と話した。この意見に、そうですねとしか言えませんと、
鮫島が笑って答えた。後は、営業のスキルアップですねと吉川が言った。

 折角そんなに優秀な元外商セールスレディ達なら、若手の男性社員
に営業方法や、実際の営業方法などを指導して欲しいと吉川が続けた。
 ラハールが、そうだよ、そこ何だよ重要なのは、彼女たちの熟練
した営業力を、うちの若手が盗んで自分のものにするのが1番大事
なんだと力説した。その営業力を若手に伝える、手伝いを君たち3人
にお願いしたいと言った。また、実演販売の実績も伸びているが、
更に、彼女たちを使って、更にショーアップして、お客さんの
購入意欲を刺激して、売上アップにつなげたいんだと言い、
具体的には、実演販売係の佐藤秀夫係長に、その企画を考えて
欲しいと伝えた。
 わかりました、よりよい演出を考えてみますと答えてくれた。

20話:外商セールスレディの仕事ぶり(201303-201306)

 3月29日から、ラハールは、首都圏を2日かけて、宝石の買い出しへ、
今回も特に、個性的なカットのダイヤ、それ以外のオパール、ルビー、
サファイヤ、エメラルド、バラエティーに富んだものを数多く仕入れた。
その金額、2億5千万円と過去最高、数量的にも、20%も多くの商品を
買い込んだ。買い付け最終日の昼に、最近、創作ダイヤと言って、評判のカットの
美しいダイヤも買い付けに行く事にした。

厚木の山に近い所に工房があり、直接ダイヤの販売や、ダイヤを
持ち込んでカットをお願いすることもできるようだった。
 社長に大金さんに、挨拶して、今後のおつきあいをお願いした。
現金、買いだというと、できるだけご希望に添うようにしますと言ってくれた。

4月からの実演販売で、入社してきた女性達にモデルになってもらい、
実演販売をする計画を打ち明けたところ、最初は、えーと言う反応で驚いていたが、
実際に、宝石をつけて、数種類のドレスを着て、モデルのように見せて回る事を
やってもらうと、セールスレディからも好評だった。ただし、こんなドレス、
着物が良いとか、いろいろ注文が出てきたので、今月は、今、ここにある
10着を借りてきたので、使って下さいと言い、来月から、ドレス、
着物を借りるときに事前にの打ち合わせの時に、意見を聞くことにすると話した。
実際に、リハーサルをしたいというと、化粧をし直してくるので、
20分時間を下さいと言い、化粧室へ向かった。その間、男性達は、
このドレスに、この宝石を組み合わせるとか、打ち合わせを終了させておいた。

そのが、セールスレディ達が化粧直しを終え、それぞれ、着たいドレス、着物と、
出演の順番を決めてもらい、宝石実演販売ショーが始まった。彼女たちはさすがに、
自分に似合う宝石を知っており、うまく、壇上を歩いてくれた。本当に
見とれるという感じの若い男性セールスマンもいたくらいだった。

4月の1週目と3週目の5日ずつ、合計10日間、札幌昼、仙台夜、
東京に戻り、東京で2日、横浜1日、名古屋に移動して名古屋宿泊、
名古屋、京都、大阪、、神戸に宿泊し朝の新幹線で福岡へ、福岡、小倉、
北九州で実演販売して東京へ戻るスケジュールで訪問して回った。

 宝石をつけたドレスでセールスレディがモデルになってショーをしたが、
訴求力が強く高額な宝石や、鮮やかな色のルビー、サファイヤ、オパール、
真珠が売れていった。最終的には、今まで初めて、ほぼ完売となった。

 売上高3.5億円は新記録。外商の回りを12人で行う事にして、
ラハールと石島富士子、佐藤秀夫君、鈴木あけみ、加藤竹子、
三宮鈴子の6人と、鮫島次郎と吉川三郎と猪瀬好子、山村文恵、
北野達子、吉村真理子の6人の2チームに分かれて行動することにした。

 月曜の朝の札幌便の飛行機で札幌へ、11時から昼過ぎに回り、
 仙台を16時~19時まで訪問して、夕方の新幹線で東京へ火曜日の朝から
、2班別々に、東京を2日回って、翌日の夕方から夜にかけて横浜を訪問して
、新幹線で名古屋に移動で木曜に宿泊して、昼にデパート外商を巡りして
、15時過ぎに、京都に入り、デパート外商を夜まで回り、木曜、大阪に
宿泊して、翌日、大阪と神戸のデパート外商を巡り、その夜に新幹線で
福岡に入り、福岡のデパート外商を巡って、夜に飛行機で東京へ戻る。

 もちろん、以前努めていた地区は外して訪問した。2班に分かれて
訪問した事もあって、持参した商品の90%を外商セールスが預かってくれた。
 4月の最終週に、ラハールが、売れ残りの商品を受け取りに行ったが、売却率
が80%と非常に良い成績だったが、若干、実演販売に及ばす、2.3億円。
 合計4.8億円の売上だった。4月を終えて、販売額を発表した
時に、過去、実演販売4:外商販売6だったが、初めて実演販売の方が
売上額で上回ったと伝えると、富士子は、がっかりしたようで、
来月は、何としても逆転しようと女性セールスたちにハッパをかけた。

21話:石島富士子の裏切り(201308-201312)

 ただ、この売上で、営業セールスの数が倍増しても、やっていける
めどがついたと大喜びだった。翌日、また、問屋回りで商品の買い出し
に出かけた。その時、岸田商店の岸田絹子から電話があって、
話があるから来なさいと言うのて、買い出しの最後に岸田商店を訪ねた。

 すると、あんた、この頃、顔見せないねと、怒っていた。
 会社の事で忙しくてと言うと、言い訳は良いから、月1回は、
訪問しなさいよと、怖い顔で言った。ごめんまた、月1回は来るから、
商品を売ってとお願いした。高価な商品を数点、買い入れた。

 また、食事をして、飲んで、泊まることになったが、この晩は、
久しぶりなのか、何回も挑んでくるので、へとへとに疲れて、
翌朝は8時過ぎまで寝ており、すぐ着替えて、9時の出社に、
ぎりぎり間に合った。岸田絹子も、石島富士子も、わがままで
大変だと痛感するラハールだった。今回の宝石の仕入れ総額2.7億円と
少し増やした。

 今月も先月の同じスケジュールで、営業活動をして、
実演販売で2.6億円で外商売りが2.7億円と再び逆転した。
 合計5.3億円は過去最高。10月の総売上5.3億円

 しかし、外商の売上は2.7億円と期待していた程、伸びてこなかった。
12月に入り、富士子とその事を話し合い、原因は、なにかと尋ねると、
入社後、数ヶ月では、まだ難しいと言うのだった。営業セールスを人数を
倍増しているのに、肝心の元外商セールスレディの成績が少ないのは解せないと
、迫った。富士子の言うことを聞いて敏腕女性セールス7人増員したが、
結果がついてこないと困ると厳しい口調で言うと、もう少し待った、
年末から来春にかけて、きっと販売金額を上げるからと言うのだった。

 しかし、いつもの迫力ある反論がないのに、違和感を覚えた。
その晩、家に帰り、寝ながら考えていると嫌な胸騒ぎがしてしかたがなかった。
 そこで、岸田絹子に正直に話して意見を聞こうと思い、連絡を取った。
 翌日の晩に行く事にした。絹子の富士子との出会いと、その後のいきさつを
、包み隠さず話してみると、確かにおかしいね。ひょっとして、あいつら、
結託して、中抜きしてるんじゃないかと言った。中抜きとは、実際に売れた
金額を過小に会社に申告して報告して、その差額を自分の懐に入れること。

 つまり、外商セールスに2千万円で売るように指示し、売れたとする、
 それをラハールには、1800万円で売れたと報告すれば、200万円が
セールスの元に入る事になる。そう言われてみれば、思い当たることがあった。
 彼女たちの宝石類の販売数量はかなり伸びているのだが、販売金額が
それ程伸びていないのだ。それを話すと、あんた、まんまと一杯食わされて
いるんだよと笑った。ラハールは人が良いから、ダマしやすいのかもと言った。

 その晩も、絹子の家に泊まり、翌日、一番親しくしてくれていた、
富士子の上客の佐藤さんに、宝石の購入のお礼かたがた、電話を入れて、
それとなく、購入金額を聞いてみた。先月、1200万円でダイヤと
買ったよと教えてくれた。帳簿を見て、売却額を確認すると1000万円
と記帳してあった。中抜きをしていることがわかった。もちろん、富士子に
裏切られて、怒り心頭のラハールだったが、喧嘩して、彼女たちを
追い出しても、我が社にとって、何もメリットはない、どうしようか、
考えあぐねた結果、彼女たちが、謝って、今後、絶対にしないと言うなら
、今回は緩そうかとも思い、再度、岸田絹子に電話して、相談すると、
笑いながら、あんた、今日かぎり、宝石の仕事を辞めちまいなと怒鳴られた。

 女は、そんな甘いもんじゃない、あんたは、かもられたんだよ、
なめられ切ってるのさ。悪いことは言わない、富士子とその仲間を即刻解雇、
その他、外商回りしている男達も、締め上げてみな、もし、1度でも中抜き
していたら、即刻クビにしろ。そして、会社の膿を全部出し切るんだ。0
 そうしない駄目だと言った。

 翌日、富士子に直接、喫茶店に行き、直接、中抜きの事を聞いてみた。
 すると、そんなことしていないとしらを切ったので、佐藤さんから、
裏を取っているというと、表情をこわばらせて、たった20万円/月の
給料で私たち敏腕セールスが、働くわかないでしょ、あんた頭がおかしいじゃない
と反論してきた。

 そこで、2月付で解雇すると言った。私だけと富士子が言うので、
君たち全員だと言った。あんた、本との馬鹿だね、売上も順調だし、
会社も儲かってるんだら、良いんじゃないと、毒づいてきた。

 いや、駄目だ、商売に嘘つくような人間は、いらない。出て行けと、
冷静そうだが、きっぱりと言った。富士子が、ちぇ、馬鹿と話しても
時間の無駄かと言って、立ち去っていった。彼女たちの仲間にも、即刻クビを
申し渡した。中には、証拠がないとか、名誉毀損で訴えてやるとか、
すごむ人もいたのだ。ラハールは自分の見る眼のなさに、がっくりと肩を
落とした。その後、鮫島次郎と吉川三郎と佐藤秀夫にも、この件について
、問いただすと、鮫島次郎が同郷の吉村真理子に言われて、中抜きしましたと
正直に言い、もう2度としないからやめさせないでくれと懇願したが、
商売のルールを破る奴は、許すわけにはいかない。

 他へ行って、もう一度やり直せと言った。すると、わかりました、
彼女と違う会社に転職しますと言った。今後、こんな子と絶対すんなよと、
ラハールが言うと、クビをうなだれながら、わかない、俺っていきがってる
けど、弱虫なんだと悲しそうに去って行った。
 話を終えて、吉川三郎と佐藤秀夫がラハール社長、今後、
どうするんですかと聞くので、場所を替えて、2人に話すことにした。
 まず、会社は利益剰余金があり、経営状態は良いから安心して良いと言った。
 今後、彼女たちがあることないこと、デパートの外商に言って、
信用を丸つぶれにするかも知れないので、外商セールス相手の商売は
できないかも知れない。手を引くことにする。

22話:正直な商売に戻るか、富士子への復讐か?(201402-06)

 その代わり、実演販売の方は順調にいっているので、これをメインに
仕事を続ける。その他、新しいアイディアも1-2個あるので、
それも、試してみたいと言った。まだ話す段階ではないので、
後日は話すと言った。どちらにしろ、売上は、多分、半減するだろう。

 しかし、考えてみれば、君たち若いセールスを預かってから、
1度も失敗もなく成長できたのは奇蹟だ。これは、ラハールを拾って
、一人前の宝石商に育て上げてくれた、今は亡きビカスのお陰かも知れない。
 また、この業界で、助けてくれる人達のお陰だと感じた。
 今回も、この業界のある先輩に相談して、従業員の裏切りを知った。
 ラハールは、自分自身の甘さを反省した。この数年の急成長は、商売を
甘く見て、あるめん自分や従業員に甘く、稼ぎさえすれば良いと考えに
冒されてきたのに気づかなかった。だから、罠を見抜けなかった。

 そう言う面で、もう一度、原点に戻り、他人に喜ばれる、夢を与えられる、
正直な商売から出直そうと思っている。首都圏での大型スーパーでの実演販売
をコアの商売。その他、今回、仕入れた、ドレス、着物をみて考えついたのだが
、程度の良い中古のドレス、着物に、宝石をつけて、もう一度、作り直して
、販売、リースをするつもりだと言った。利益率は小さいかも知れないが
、きっと喜んでもらえる、まっとうな商売となるだろうと言った。

 また、以前、厚木でお会いしたダイヤモンドのカットの天才にカットを
依頼して、みたこともないような素敵なダイヤとリーズナブルな値段で、
富裕層の方々に直接セールスしていこうと思う。

この3本柱でやっていこうと話した。吉川が、と言う事は、
今残っている従業員はそのまま、誰も解雇しないんですね聞いてきた
のでもちろんだと答えた。今まで、小さな部屋で、細々と行っていた
ドレス造りを拡大させるために、座間市郊外のテナント募集がでていたいた
縫製工業を新たに借り受けた。今後、縫い物のできる方を募集して、
中高年の女性で洋裁のできる人なら内職でも、パートでも、常勤でも雇って
、ドレス、着物に宝石をつけて、リセールしていく。翌週、従業員募集の
チラシと、インターネット、スマホを通じた募集をして、40代、50代
の女性2人の採用と、60才以上のパートさん5人を採用することになった。
 早速、社内に残っているドレスと、着物の25着に宝石をつけた
デザインをデザイナーに委託して考えてもらったデザインの図面通りに
ドレスと着物を縫い直してもらい、リースの値段と販売価格をつけて、
インターネットにラハール商会のHPをつくり、販売、リースを始めた。

 ぼちぼちと引き合いが出てきた。着物もドレスもリースが5割で、
5割が購入という感じで、仕事が動き出した。実演販売の方は、
出張をなくして、首都圏・東京、横浜、千葉、さいたま、茨城、
栃木、群馬、山梨、静岡までの範囲で、月曜日から土曜日まで、
毎日、朝出かけて、夕方6時に帰ってくるパターンで2グループに分けて
、行動することにした。そして、最終週の4日間を連休とする事にした。

 もちろん、事務所も従業員用のマンションも今までどおり、
会社の支払いとして、給料も12万円/月を支給し、儲けが超過した場合は
、夏と冬にボーナスを出すと言うことにした。今年の夏から、24万円/月
、冬36万円/月を支給していくことにした。売上が伸びてくれば、比例して
給料を上げていくのは言うまでもない。この、事件の後、若いセールス達と
ラハールは、しっかりと地に足のついた営業、販売活動で徐々に売上と利益
を上げてきた。もちろんパートさんにも、十分な給料を支払った事は
言うまでもない。4月から、計画通り、3班に分かれての実演販売を
2週目から、開始した。実演販売売上高4億円は新記録で、宝石を付けた
ドレスリメイクが、豪華な割に安いので、売上が1千万から3千万と増えてきた。

23話:正直な商売に戻り、女神が微笑む1(201410-12)

 ラハールは、結婚式場や、大きな写真館、ホテルを訪問して、
ラハール商会の宝石のついた、ドレス、カクテルドレス、ブラウス、
女性用スーツなどを載せたパンフレットを渡して回った。
 ホームページにも載せ、宣伝していった。スーパーでの実演販売の
時にも、個人売りできる宝石のついた、ドレス、カクテルドレス、
ブラウス、女性用スーツの見本を紹介していった。

 とくに、結婚式場の貸衣装のドレス類や、ネット販売される
中古の女性用スーツの中から、つかえそうな物を選ぶ、仕事を任せた
佐藤織子が、何時も真面目に、熱心に、良い物を選んでくれ、良い仕事を
してくれていた。その仕事に、感謝しつつ、ある晩、食事に誘った。

 すると佐藤織子が食事しながら、ラハールさんは美男子だからもてる
でしょと言い、何人ぐらい、恋人がいらっしゃるのと聞いてきた。
 いないよ、と言うと、嘘!、そんなはずない、ちょっと怒ったような
声で言った。いないものはいない、仕事が恋人かなと、ニヤッとわらうと、
嘘つきと、可愛く言った。その横顔を見ていると、可愛い娘だなと感じた。

 彼女は、本当なら、今度、ドライブに誘って下さると言ってきた。
いいよ、湘南でもドライブしようかと言うと、本当、信じて良いのねと
喜んで暮れた。2週間後の土曜日に、ドライブの約束をした。
 次の日、ラハールは経理の仕事を終えると佐藤織子を昼食に誘い、
食事しながら君は、いつ、誰から宝石の事を教えてもらったのと聞いてみた。
 すると、私事になりますがと前置きして、小さい頃は、父が、手広く、
飲食業をして羽振りが良く、大きな家に住んで良い暮らしをさせて
もらっていて、お母さんも洋服、宝石が大好きで、縫い物も上手だった。
 それで、自分の買ってきたドレスに宝石のブローチをつけたり、
襟に小さなダイヤをつけたりして楽しんでいた。それを見ながら
育ったので、付け方なのも教えてもらったと言うのだ。
 女学校を出て、大学に行く頃には、自分でも、宝石をあしらった
ドレスやブラウスを着るようになり、宝石の見分け方なども思えた
と言った。現在、我が社では、ドレス選び、つける宝石選び、デザイン、全て、
君に任せているからねとラハールが言った。

 織子が、私って、それくらいした、特技がないのよと言った。
しかしその後、でも料理も上手なのよと笑った。そして、いたずらっ子の様な
、まなざしで、私の手料理を食べてくれると言った。その時、
頭を殴られたような衝撃が走った。

 そして、ラハールは、小さい頃、母に、結婚する人って、神様が自然に
見つけてくれるのよと言うのを思い出した。本当に、自分に合う人なら、
何か、必ず、サインを出すというのだ。お父さんとの出会いもそうだった。
 出会って、数回、デートしたとき、お父さんが、あるとき、頭を神様に、
軽く殴られたそうよ、その時、お父さんは、頭にガーンという衝撃を
感じたそうで、この人と結婚するんだと、自然に思って、私の結婚したのよ
と言ったのを思い出した。

 もしかしたか、今の「ガーン」が、この人と結婚しろと、神様が言ったの
かも知れないと思い、薄笑いを受けべた。すると、織子に、何笑っているのよと
、怒られた。そして、デートの日、車をぴかぴかに磨いて、臭い消しもスプレー
して、おめかしして、待ち合わせのレストランへ行き、第三京浜を使って、
戸塚、藤沢、西湘バイパスを走った。海風が気持ちよい。
 そこらか、箱根ターンパイクで芦ノ湖へ行った。昼食をとり、
芦ノ湖、遊覧船に乗って、駒ヶ岳ロープウェイで、頂上からの
景色を楽しんだ。その後、ターンパイクで小田原から熱海方面に向かい
、ヒルトン小田原へ向かい、海の見えるレストランで夕食をとった。

 今日のドライブ、箱根の話をしながら、ラハールが、織子の明日、
用事ないんだろと聞いた。えー、特にと言うと、折角だから、
記念にワインを飲まないと誘った。特に駄目という言葉が出ないので
ワインリストをもらった。店員がラハールがワインリストを回すと、
ちょっと、おどけて、私は、ワインの事、知らないんだと、織子に
渡した。織子は、お酒に詳しく、日本酒、ワインは大好きだった。

 そこで、カベルネソービニヨンの赤で、おすすめはと店員に聞いたのだ、
それを聞いていたラハールは、すごいね、通なんだと、驚いていた。

 店員がリストを見せて、こちらが渋め、こちらがライトと言った。
織子が、ライトと渋めどっちが良いとラハールに聞いた。
 ラハールは、わかんないから、織子さんの良い方で結構ですと言い、
織子がダークでと答えた。少しして、渋めのカベルネソービニヨンが出てきた。
確かに、黒みがかった赤で、渋めだった。織子がゆっくりと、香りを楽しんで、
ゆっくりの飲み始めた。それを見て、ラハールは、全く同じように飲んだ。
織子は、満足そうに、流石ヒルトン、美味しいわねといった。

24話:正直な商売に戻り、女神が微笑む2(201501-4)

 対して、ラハールは、口に入れて、苦いと、思わず小さな声で
いったので、織子は、大笑いした。
 ラハールって、いつも難しそうな顔して、お酒、全然駄目なのねと言った。
 実は、ほとんど飲めないんだと、本音を吐いた。その後、食事を取りながら
、織子が小さい頃のことを話し出した。

 お父さんが羽振りが良くて、小学校、中学校、高校と、横浜のフェリス
に行かせてもらい、十分満帆だったのだが、上智大英文科に入って4年の冬
、もう少し、卒業と言うとき、お父さんの経営するレストランで食中毒がでて
、1ヶ月営業停止になり、関連する、レストラン、居酒屋の評判ががた落ちになり
、店に、お客が来なくなった。そこで、父は、赤字を増やす前にと、ドンドン、
店をたたんで、他の人に売ってしまった。

 それでも、店の仕入れ先の支払いが、8ヶ月分あって、住んでいた家を
売りに出すことになり、近くのアパートに4人で住むことになった。
そのため、大学を卒業してからは、家のために、働いたお金を入れることになった。

 そして、父は、ふさぎ込んで、酒におぼれるようになり、2年後、肝硬変で
亡くなってしまった。母は、近くの洋品店で働き、私の収入と合わせても、
食べるのがやっとという生活にまで落ちてしまった。

 今も、実は、給料の大半は、家に仕送りしているのよと、寂しく笑った。
 人間って、良い時代を知っていいると、落ちたときには2倍、
辛いのよねと、静かに言った。でも、やっと、私にも幸せの青い鳥が
飛んできたのかも知れないと、笑った。幸せの青い鳥ってとラハールが言うと
、あなたよと、言った。

織子が、え、知らないのと言うと、インドでは、聞いたことないよ
と言うと、大笑いした。織子が、ラハールって本当に素直なんだねと言った。
 そこだ良いのかも知れないけどねと、小さく舌を出した。
 すこしして、ラハールが、もじもじしてるので、何なの?、と織子が
言うと、照れくさそうに、小さな紫の箱をテーブルに置き、空けると、
ダイヤの指輪が入っていた。それを見て、織子は、驚いて、どうしたのと
聞くと、ラハールが結婚して欲しいんだと、子供のように言った。

 それを聞いた織子は、嘘でしょ、と言いながら大粒の涙を流した。
 だって、私、神様に見放されてばかりなのよ。ラハールさん、本当に
私で良いのと、聞き返した。はにかみながら、結婚して欲しいんだ、
僕も、神様に祝福してもらいたいんだよと、おどけて言うと、
馬鹿、こういう事は、真剣に、お願いしますと言うよの、きつく言った。
 すると、ごめん、私と結婚して下さいと、かしこまって言った。
 もう遅いと言いながら、涙を流しながら、ありがとう、ありがとうと何度も
言った。それを見ていた、ワインを持ってきた店員の娘が、ポラロイドカメラ
を持ってきて、写真を持ってきて、記念写真を撮ってくれた。
 
 そして、今日は、お泊まりなんでしょうと聞くので、ラハールが、
泊まりたいがというと、店員がフロントに聞いてみますと電話してくれた。
 空いてるので、予約を入れてもらった。少しして、小さなケーキが
届けられた、店員の娘が、結婚記念のケーキですと、うれしそうに
持ってきた。織子は、緊張に糸がとけたのか、ワインを追加注文して
、美味しそうに飲んで2本も空けてしまった。

 ラハールは、つくだけで、ジュース、コーラをちびちび飲んでいた。
 遅くなったので、店を出て、フロントに行き、チェックインして、
キーをもらった。高層階のツインルームだった。ラハールが、
シャワーを浴びて、ガウンに着替えた。織子も恥ずかしそうに、
次にシャワーを浴びて、ガウンに着替えた。その後、1つのベッドに
滑り込んた。ラハールが、初めてで緊張していたが、織子がやさしく、
話しながら、緊張を解きほぐしてくれた。
その後は、ご想像の通り、長い間、お互いの愛を確かめ合う二人だった。
翌朝、レストランで店員に会うのが恥ずかしいので、ルームサービスを頼んだ。
結婚式の日取りも決めて、数日後、織子がラハールの両親に会いに行き、
次に、ラハールが織子の母と妹に結婚の挨拶に行った。
 結婚式は、ホテルニューグランドで、総勢15人で、執り行われた。

25話:幸せの青い鳥が、コウノトリに。(201505-8)

 新婚旅行は、お預けで、仕事が順調になり、会社を任せられる人
ができてからという事にした。結婚してからというもの、
前にも増して、ラハールは、宝石商の仕事、スーパーの実演販売、
宝石の買い出しと精を出していた。織子もドレス、ブラウス、
女性用スーツに宝石をつける縫製の責任者として製造部長に昇進
、昇給した。今回、仕入れた、ドレス、着物をみて考えついたのだが
、程度の良い中古のドレス、着物に、宝石をつけて、もう一度、
作り直して、販売、リースをするつもりだと言った。

 利益率は小さいかも知れないが、きっと喜んでもらえる、
まっとうな商売となるだろうと言った。また、以前、厚木で
お会いしたダイヤモンドのカットの天才にカットを依頼して、
みたこともないような素敵なダイヤとリーズナブルな値段で、
富裕層の方々に直接セールスしていこうと思う。
 この3本柱でやっていこうと話した。吉川が、と言う事は、
今残っている従業員はそのまま、誰も解雇しないんですね聞いてきた
のでもちろんだと答えた。今後、縫い物のできる方を募集して
、中高年の女性で洋裁のできる人なら内職でも、パートでも
、常勤でも雇って、ドレス、着物に宝石をつけて、リセールしていく。

 翌週、従業員募集のチラシと、インターネット、スマホを通じた
募集をして、40代、50代の女性2人の採用と、60才以上の
パートさん5人を採用することになった。

 早速、社内に残っているドレスと、着物の25着に宝石をつけた
デザインをデザイナーに委託して考えてもらったデザインの図面通り
にドレスと着物を縫い直してもらい、リースの値段と販売価格をつけて
、インターネットにラハール商会のHPをつくり、販売、リースを始めた。

 ぼちぼちと引き合いが出てきた。着物もドレスもリースが5割で、
5割が購入という感じで、仕事が動き出した。実演販売の方は、出張をなくして
、首都圏・東京、横浜、千葉限定でやっていくことにした。

 実演販売売上高、月間2.5億円と2015年6月は減少したが、
出張費、交際費、を大きく減らし、若者の寮費と食費は、会社で持つこと
は変えず、やっていけるようになった。そんな時、ラハールの近くで、
縫製の仕事をしていた奥さんの佐藤織子の具合が悪くなった様で
近くの針子さんが集まってきた。その中の高齢の重信花江さんが、
笑いながら。ラハールさん、多分、おめでただよと、ほくそ笑んで言った。

 早退して、重信花江さんと一緒に、産婦人科へ行った。
 その後、電話で、おめでたとわかり、ラハールは、何か、すごい事を
成し遂げたような高揚感を感じるのだった。
 
 この話を聞きつけた、針子さん達が、ラハール、おめでとうと
祝福してくれた。その週の土日に、佐藤織子の実家に、おめでたの話を
しに行き、喜んでもらった。その後、ラハールの実家に行くと、
久しぶりだねと、父のヒテシュ、カルテープが出迎えてくれた。

 喜んで暮れたが、もうひとつ、元気がないので、詳しく聞くと、
近くに、バングラディッシュのカレー屋ができて、お客を取られて、
儲けが少なくなり、家賃を払うのがやっとだと話してくれた。

 思い起こせば、家を出て3年、ラハールは、自分の仕事が忙しかった事
もあり実家に顔を出せていなかった。子供ができた事や、仕事もすっきり
とスリム化したのを期に、今まで、貯めた、お金で新しく家を買おうと考えた。

 更に、厚木の研磨名人に小さいけれど、カットの良い綺麗なダイヤを作る
ように交渉していたが、3ヶ月の交渉の結果、時間の空いたという条件付きで
引き受けてもらえるようになり、翌月から、デザインカット用に
適したサイズの原石を仕入れる事を約束した。

26話:ラハールの家の完成と両親のインド料理屋の開業(201509-12)

 新しく家を買う話を、早速、佐藤織子に伝えた。仕事の休みの日、
いろいろ考えた。子育てに向いた、自然豊かな、緑の多い場所で、
都心にも出やすい場所と考えあぐねていた。

 そして、以前、デザインカットをお願いした厚木を思い出した。
あそこは、緑も多いし、小田急、相鉄で新宿、横浜も近い。
 その後、意を決して、厚木のデザインカットの会社を訪ねた。
 子育に適していて、インド料理の店にも向いている所と言うと、
数カ所、候補地を教えてくれた。電話で不動産屋を訪問して、
情報をもらった。ラハールが、すぐにとは言わないので1年以内に
見つけたいと告げた。わかりましたと言いラハールの電話番号と
メールアドレスを聞かれ答えた。その後、不動産の情報を調べながら
、頻繁に厚木のデザインカットの会社を訪ねる様になった。

 するとデザインカットの会社の幸田社長と親しくなっていった。
そこで配達するダイヤの原石の数も増えていき、デザインカットダイヤ
の良さを拡大鏡で、お客さんに良く説明できたせいか、実演販売でも
良く売れるようになっていった。

 2017年6月には、ダイヤモンドの売り上げの半分を占める程、
売れた。ダメもとで、ラハールは、高島屋にデザインカット・ダイヤをつけた
、ブラウス、ドレスをもって行った。すると、競合する製品がないし、
面白い発想であり、持っていった商品を2週間ほど、預からせて欲しいと、
高島屋商品部の加藤さんに言われ了解した。10日ほどして、
高島屋商品部の加藤さんからの電話で、取り扱いたいと言われた。

 あの商品を外商部にも紹介したら、欲しいと言う客が現れたと言った。
 明日にでも、再度、こちらに来て下さいと言われ、訪問した。高島屋商品部
の加藤さんが、あの様な商品をとりあえず、10着、2週間後までに持って
きてくれと言われ了解した。高島屋と商品販売の仮契約を交わすことができた。

 その売れ行き次第で、本契約と、注文数量を決めようと言われた。
 会社に帰って、この話をすると針子の皆が喜んでくれ、2週間で10着なら
何とかなりますと言い、早速、高島屋向けの洋服とデザインダイヤの組み合わせ
を考えると言った。
 この話を奥さんの佐藤織子に話すと、コウノトリが赤ちゃんと共に、
幸福も運んできてくれたのねと、大喜びだった。
2週間後、高島屋を訪問すると、預かった2着は、買いたい客が現れた
と言った。そして高島屋商品部の加藤さんが、お客が持っているお気に入りの
洋服に合う宝石をデザインして作るという仕事もしてくれるかと聞いてきた。
 もちろん、お引き受け致しますと答えた。そう言うニーズもあるようだ。

 そして、現在の供給可能な数量はと聞かれて最大月に30着と答え了解してもらった。
 数日後、厚木の不動産屋さんから、良い物件が出たと連絡があった。
 小田急線の本厚木駅、相鉄線の海老名駅まで車で15分の所で、
大きな国道まで300mで、土地の値段が10万円/坪で300坪で古家があるので
、整地費用を3千万円から差し引くという条件であった。
 整地は、不動産屋で手配してくれるようだ。その週、確認ため出かけた。
 大きな国道の騒音は300m離れていたので、それ程気にならない。
 入り口にインド料理の看板を掲げれば、客も入りやすそうだし、山も川も近く
、自然も多く、天然温泉もあるそうだ。ラハールは、写真を撮り、奥さんに
送り見てもらい、了解してもらった。
 両親には驚かすために、内緒にしておくことにした。すぐに、不動産屋に
整地してもらうように、お願いした。多分、1ケ月もすれば、
更地になると言った。今年中に仕上げる様に手配しておくと言ってくれた。

28話:ラハールが家族に囲まれ、原点に戻る。(201612-201706)

 12月になり、寒くなり、やがて2018年を迎えた。
 1月20日に、元気な男の赤ちゃんが誕生した。
 ラハールは、赤ちゃん誕生の知らせと、新しい家の件を報告に
実家へ出かけた。実家について、赤ちゃん誕生の知らせと
写真を見せると、両親が喜んでくらた。
 赤ちゃんお名前を、今後のラハールの会社と両親のインド料理屋の
反映を期待して、ジョティス(Jyotis:太陽の光という意味)と名付けた。
 この名前は両親も、喜んでくれた。

 そして、厚木に、300坪の大きな土地を買ったので、
そこにインド料理の店を出して欲しいというと本当かいと言い、
信じられない様子で言った。
 多分、来年、夏までには、家を建てられるので、設計段階で協力して
欲しいと言った。特に、父のヒテシュが、本当に大丈夫なのかと心配した。
 大丈夫、宝石の商売で金を貯めたから心配しないでと言った。

 母、カルテープも、信じられないくらい、うれしいよと言ってくれた。
 その後、ヒテシュの店の厨房の写真を取ったり、店の見取り図をスキャナー
で取り込んで、資料を作り、不動産屋に送った。最初は30人くらいは入れる店
で始めたいといった。拡張しやすい造りの店作りをお願いしたいと、
不動産屋に伝えた。冬が過ぎて、桜が咲き、散って、5月の連休後の
5月10日、ラハールの5LDKの2階建ての家と、父のヒテシュと母、
カルテープのインド料理屋が完成した。

 2017年5月20日に、ラハールと織子の新居と、父のヒテシュと
母カルテープのインド料理屋が完成した。
 ラハールは、ご両親に、開店記念として、食料品の買い付けに使える
大きなワゴン車をプレゼントした。大きな国道には、大きなインド料理屋の
看板を目立つように掲げた。新装記念セールで、営業開始3日間に限り、
クジをひいてもらい、1等は、次回の食事1品無料、2等は、半額、3等は
コーラ、ジュース、生ビール小が無料のおまけ付きセールを行った。

 インド料理が珍しく、回転3日間は、混んで、ラハールと友人2人が
手伝ったが、注文を待たせる事態が起きるほど、盛況だった。あまり人手が
足りないので、午前、午後にアルバイトさんを4人ほど、お願いしたくらいだ。
 厚木の家から座間の縫製工場までは車で15分で行けるので、ラハールは家から
、織子を工場に送り、海老名で車を置き、相鉄線で、会社に通うことにした。

 忙しく、毎日仕事に精出す、ラハールと織子は、その後も、毎日、せっせと、
宝石の商売に、正直に、真剣に取り組んでいた。
 そうしている間に季節は、夏が過ぎ、秋風、冬へと、変化していった。

 朝起きると、遠くに真白き富士の姿、近くに丹沢の山々が、
 ラハールと織子と正直者の父のヒテシュと母カルテープのインド料理屋
を見つめて、微笑んでいるような美しい朝日が彼らの住み処に差し込んだ!(終了)

マハラジャの末裔

商売は、難しい、調子が良いからと言って、背伸びして、稼いでいくと、自分を見失うことになる。自分のルールを決めて、身の丈に合う商売をした方が幸せだという話。

マハラジャの末裔

インドのマハラジャがイギリスの植民地時代に領地を没収されて、命からがら日本に逃げてきて、宝石商になり、いろんな試練の果てに、自分のやり方を確立していくと言う話。

  • 小説
  • 中編
  • 青春
  • 全年齢対象
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