あっ

随分と昔
見つけた場所
前も後も上も下も
どこもかしこも黒い色
そんな部屋で
こっそりと探していた

埃に塗れた掛け時計
じっと見てると
針が4秒に1秒進む
じっとしてると
何かが聞こえる

だんだんと怖くなって
朝にお母さんから
貰った飴を口に入れる

僕の影が少し揺らいだ
じっと見てると
何かが僕を見つめてる
じっとしてると
誰かが笑ってる

徐々に寒気がして
帰ろうと思ったら
ドアに何故か鍵がかかってる

ああ

だめだ 


光の点滅 
高鳴る心音
引きつる口元
動かない手足
触られた首筋

あっ

あっ

あっ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-29

Copyrighted
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