私は空気に流された

嗄鳥鳴夏

はやく足をただ動かした
走って走って
知らない間に転んでいた
衝撃で頭が揺れていた
もう動かなかった
足は動かなかった

はやく目をただ動かした
開いて閉じて
知らない間に泣いていた
憂鬱で頬は濡れていた
もう動かなかった
目は動かなかった

はやく時をただ動かした
流れて流れて
知らない間に過ぎていた
残像で事の真相を知った
もう動かなかった
時は動かなかった

私は空気に流された
何時までも何処までも
知らない間に辿り着いた
木陰に寝そべっていた
もう動かなかった
私は動かなかった

私は空気に流された

私は空気に流された

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-29

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