思春期
オタク
太腿はよい。あの何とも言えないすべてを受け入れるかのような形。
血気盛んな時期に童貞を捨てていない、男子校育ちの僕にとって毎日を生き抜く糧になっている。
学生は大概がきちっと制服のスカートを着こなしているので治安の良い町に住んで良かったとつくづく実感する。
人ごみに紛れて歩く彼女たちの脚では朝から激しいダンスをしているのだ。
そこからちらほらとのぞかせる太腿は僕の朝のストレスを吸い取ってくれる。
こんなにもしょうもない話を堂々と語れるのは童貞だと思う時がある。
僕ら落ちこぼれがこんな話をしていると
「お前らそんな話する前にさっさと女抱け」となんとも誇らしい表情で僕を観る。
殺気と虚しさとくだらない妄想で僕がいっぱいになったとき、僕は彼女を思い出す。
未経験の僕に彼女は天使のように見える。
しょうもない戯言をティッシュに吐き捨てて幸せな朝に向かう。
思春期