夜のことば


街は死んでいるといえば
ありきたりだけれど
夜の街には言葉があるといえば
変わったように聞こえるだろう

スプレーらくがきは現代アート
深夜の暴走はシンセサイザー
ならば深夜覚醒した少女の
行き場のない瞳はどう名付けよう

照らされてしまえばそんなもの
大したことはないと
やけに訳知り顔した能面は
ブルーライトの世界からやってくる

隠喩が強すぎます
直喩は弱すぎます
少し黙ってちゃくれないか
夜はまだ長いのだから

夜の歩道橋の上で
まばらに歩く人並みを裂いて
斜めにゆく人とぶつかった時に
ボクの中にことばが生まれる

たとえすり抜けていったとしても
私のなかにはたしかに残ると
微笑んだ少女の瞳は
ゆっくりと閉ざされた

夜のことば

久しぶりの人混みと都会の夜に感じたこと

夜のことば

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-26

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