アンコールされるべき昨日の驚くべき予言

 肉体それ自体が一つ終わりを告げるまでテンポよく揺らしてゆく。そこにもはや他者は存在していない。深く沈みこんだ同一の動態の下から我々の花というべきものが華麗に出発を遂げる。瞬間に開いた上唇と下唇。光沢を塗られた暴力たちは今だけを愉しみに生きている筋肉質。烏は目だ。海は石だ。重層的に複雑さを煽った現代という思想。目にする空気の中に仕込まれた無数の埃。お前は光を失っているだけだ。状況はいつもそこにある。


 ピントの合わない凍えたフランスパン。昨日殺したはずの小さな蜘蛛。感じる無念――ノスタルジアと結びついて5mmのらせん階段的結び目。無音悠音。ソプラノへの小さな吹き戻し。引き続ける者は引き続けよ。意識的であれるものは意識的であり続けよ。アンコールされるべき昨日の驚くべき予言。

アンコールされるべき昨日の驚くべき予言

アンコールされるべき昨日の驚くべき予言

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-26

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