3月の短歌(2018年)
クソリプの権化のような人たちが渋谷の空を飛び交っている
エロゲするさびしき人の足許にしずかに点る電気ストーブ
晴れて無になったはずだがなったのが無なのでなれたのかわからない
田町では田町田町という声が駅舎に響く 春きにけらし
蜜柑食う春を待ちつつこの蜜柑種が多いのなと思いつつ
インドゾウハイジャック犯として全世界に指名手配されたし
信楽のタヌキみたいにそこにある ずっとある ただそこにある 愛
どこまでもママチャリ漕いではしりゆく大地は春の夜ぞらの匂い
【アルバイト募集】あなたの住む街に夜の帳を下ろすお仕事♪
髪洗う これでまたあと二日間くらい生きれるかしらと思う
春うらら わたしのなかの密林に棲まうゴリラもざわついている
サバンナの象のうんこの心境で傍にいるから何でも言えよ
ラーメンは伸びてしまって残されたものは寂しいばかりの宇宙
春の雨ですよみたいな顔をした雨に降られてとても悔しい
このところ春の便りを装ったピンポンダッシュが流行っています
ゆきとけて俺のロシアの殺し屋としての心がウラーと叫ぶ
痛いほどわかりあえたら痛いほどわかる痛みに灼かれて死のう
電話ボックスは互いに繋がって群体として佇んでいる
3月の短歌(2018年)