余韻
僕らは空から降る雨に塗れた
振り返るのは悲しいことじゃないのに
知らない間に涙が出ていた
初めてを消費したり
大きな夢を語ったりして
愛し合ったのも全て
遠い未来 朧気な記憶になって
きっと大人になったお互いの為になるだろう
僕は
君が優しかったから優しくなれた
君が言うことを聞くから嬉しかった
君の罪を許すために付き合っていた
君の人生の一部を僕に染めたかった
僕らは何かにつけて特別を目指した
巡り出会ったのは奇跡だと信じていた
同じ故郷で生まれ育ち
同じ街の学校で異性として
知り合い机が隣になったのも全て
幸せになる為の運命であって
きっとそれは死ぬまで途切れないだろうと
僕は
君が過去を話してくれたから未来を見れた
君がいつも心配してくれたから調子に乗った
君の傷を癒すために生まれてきた
君の人生の手助けをしたいだけだった
余韻