Memorial forest

ねえ助けてと声がする
でも誰も耳を貸さない
僕らじゃ何も出来ない
何故神は遠くから見つめる

深く夕陽が沈んだ頃
森に少しだけ命が宿る
朝が来るまで
鳥がさえずるまでの間だけ
この夜に生きる

もう嫌だと泣いている
あの人の心を踏みにじる
時間が解決しそうも無い
闇をいつまでも闇に葬る

深く霧がかかった頃
地上で黒い魂がさまよう
朝が来るまで
君がやってくるまでの間だけ
この世に生きる

ねえと隣から声がする
肩にリスが乗っている
君はいつからそこに居たの
待ってと何処かから声がする
急に足取りが重くなる
耳を塞いでも頭に響く

ああ やっぱり君だったんだ
ようやく全ての意味が解る
取り残された君と
取り憑かれた僕は
あの時から何も変わらず
同じように生きていたんだ

Memorial forest

Memorial forest

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-13

Copyrighted
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