今から行くね。
ローリンガールの習作・・・
空に向かって手を伸ばす。
君に届きそうで・・・・・
切ない。
何故、こうなった?
全ては僕のせいだ・・・。
優しくて、美しくて、明るくて、とても素敵な彼女。
僕は、そんな彼女のことをすぐに好きになった。
彼女は誰にでも優しかった。
彼女は僕にすら優しかった。
そんな彼女はもういない。
そんなことは分かっているつもりだ。
でも、何故だろう。
僕は今でも彼女にメールを送るのだ。
疑問符で綴じたそれを送り、返事を待っているんだ。
心のどこかで彼女がまだ生きていると信じているんだ。
そんなことはないはずなのに・・・。
彼女からメールの返信は来るはずも無く。
無視された、無視された、と
嫌われたんだと思い込んだらまた、自己嫌悪に陥るんだ。
そして・・・
手首を切る。と、僕は言う。
本当はこんなことしたく無いって思いながら・・・。
「もうやめろ!」
幼馴染の彼が言う。
「まだできる・・・。」
まだ、彼女のことを忘れられないから。
だから、手首を切るんだ。今。
手首を切っても、切っても、彼女には届かない。
彼女の死を、まだ受け入れることが出来ない。
まだどこかで生きている。と、自分自身に言い聞かせてきた。
だけど・・・
もうだめだ。
メールの返信は来ない。
そっか、僕、嫌われてるんだ。
じゃぁ、嫌われ者の僕が死んじゃおう!
ほら、目の前にはカッターナイフがある。
そして・・・
お願い、切らせて。と、僕は言ったんだ。
助けて!と、言うことも出来ずに・・・。
「俺じゃダメなのか?」
と、幼馴染の彼が言う。
「彼女が忘れられないの。」
こうすれば落ち着くから。
だから、手首を切るんだ、今。
こうすれば彼女のところに行けるから。と、僕は言ったようだ。
彼女が死んでから一度も見せなかった笑顔の上に、涙を零しながら。
「もういいか?もういいよ。そろそろお前も楽になれよ・・・。」
幼馴染の彼が言う。
だから・・・
全てを止めるの、今。
今から行くね。
フィクションです。