教育論

お腹の下で歴史がうごめく

押し上げるように

「地質学的見解では」

博識なあの人が早口に喋る

努力、義務、

口に出したら何かが生まれた

「安易な言葉を借りるのは、損ですよ、借りるなら、高等な、高騰した、言葉を、選んで、結ぶべきですよ」

博識なあの人が早口に喋る

空虚、白日、

口にする度に何かが押し上がる

「歴史は地面やお腹の下を流れるなど、現代教育の弱体化ですよ、本日は水蒸気文明の画期的教育論にて、解説しましょう」

ああ、あゝ、

もう誰も聞いていない
博識なあの人が止まらなくなり
呼吸がおかしくなっていった
空気が足りなそうで
かわいそう

ああ、あゝ、かわいそう、だ、

抱き締めてあげようにも、お腹の下の、歴史を、離れては、多分、もう、終わることが、わかるから、弱体化した教育論が、画期的で、経済学的に、間違いかどうかとか、そういうことは、博識なあの人を、抱き締めてあげるに至らなくて、アルコールで充満した、酷い夢の一室で、今夜ようやく死人が出た、

教育論

教育論

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-10

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