愛のために
砂糖菓子と鉛の心臓
貴方のことを愛しているのだと、こんな私が口ずさんだら笑うだろうか。
愛、だなんてと笑うだろうか。
私が吐いた言葉はあまりにも軽く、愛という言葉は鉛より重い。
それでも私は貴方への愛を唄ってしまう。
辞めることなどできない。
ただ、やめたくない。
やめないことが私の幸せなのだと信じていたい。
私の貴方は誰よりも尊く誰よりも白くそして
誰にも侵せない心の強さを持っている人。
しかしその心の鍵は開かれて、強い心は凍てつく風に晒される。
向かい風に揉まれ、耳は痺れ手はかじかみ、黒がドロリドロリと君の心を犯すだろう。
君に囁く。
「さびしかろぅ」
首を振る君。
「心細いねぇ」
首を振る。弱々しく。
強く、強く、鬼のように強くあってこそ君なのだ。
しかしその強さが、きっと君を1人にさせたのだ。
たった1人で、茨でできた迷路の中を進ませるのだ。
この迷路はどこへ続くのか。
どこへも行けはしない。
茨の迷路を進み進めば、
たった一人で歩んでいくなら、
私を置いて行ってしまえ。貴方を愛する私を捨てろ。
君が進む、光の方へ、幸福の風が吹く、その先へ
遠く遠く、物語の中のような別の日常の中で、いつか君の幸せを見つけたら。
私は泣いて笑うよ。
君に愛と幸せを。
二度と届かない最愛の君へ。
君は今でも私の愛しさの全て。
愛のために