赤褐色のせきばく、に、
せめてランタンの灯を、

蒼ざめた、君の顔は、
過去も未来もない、

聖人のようだった

曖昧になることは、救いだったね

円くなった暦の上で、
ぜつぼうを呟こう、

それが生活だったね、

苦しいことがとめどない、

せ、い、か、つ、

愛は落ちてないし、
これからも、落ちてこないから

君はひとりで暮らすことを、
あたりまえと呼んでいい、

この時代に戻って来たことは、

誰のためでもなかったけれど、

誰かのために、灯された、夕焼色に、
じりじりと、焼かれてみたり、

蒼白の人を抱きしめてみたり、

荒涼な未来を水晶玉から覗いたり

いろんなことをしていよう、

生活の中で出会う人たちに
ヒリヒリしながら、

今朝の夢のこと、思い出して、

沈默のまま、
老いていけば、いい

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-08

Copyrighted
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