自動販売機

愛車に乗ってお気に入りの自動販売機へ向かってたら 偶然リサの妹に会った

リサん家から50メートルくらしか離れてないとこだったんだけどさ

あいつスマホしながらチンタラ歩いていやがって アタイが徐行で真横にいるってのに全く気付かねぇどころか スマホ見ながらニヤニヤしてたんだよwww

助手席の窓を開けて『よう おひさ!』って元気に声かけたら あいつアタイの顔を見るなり『あぁ またミスカかよ』みてぇな顔つきしてきやがってさ その表情を見た途端 さっきからアタイがいるって気が付いてたべって思ったよねwww 

うちら久しぶりに会ったから アタイてっきり涙でも流してくんじゃねぇかと思って さっき駅前でもらった無料ティッシュ渡してやったてのにガム捨てに使われてゴミまで返してきやがったよwww 

リサの妹に『久しぶりに会ったってのに お前なんちゅうテンションの低さなんだよ』って言ったら

『話すのは久しぶりだけど しょっちゅうあそこの販売機で買ってるの部屋から見てるよ(笑)』ってクスクス笑いながら言ってきやがってさ

どうやらアタイがオール50円の自動販売機の常連客だってのがバレてたみたいなんだよwww

てか50円の常連客とかマジすげぇセコい女だと思われちまうし 新宿のイカしたレディとしてのプライドもあっから とっさに『50円かもしんねぇけど アタイはいっつもギザギザの10円玉だけで買ってんだよ あれヤバいくらい価値あんだからな お前の持ってる10円とアタイの10円は別のもんって思ったほうがいいね 約700倍違うから』ってアタイの偉大さをアピールしてやったんだよ

そしたらあいつ一瞬にしてアタイの事を憧れの眼差しで見てたwww

なんかアタイも気分が良くなってきて もうリサん家なんて10メートルくらい先だったけど 助手席のドア開けて『歩いてんのもなんだから家まで乗っけてやるよ』って窓の外に片腕を出しながら思いっきし偉大さをアピールしてやったよwww

今日はたまたま偉大さをアピールできてラッキーだったけどさ もうあの自動販売機で買うのはやめて 3駅離れたオール50円の販売機まで行くことにしたよ

ちょっと遠くてガソリンが気になっけど 3つの駅から無料のティッシュをもらってくるから まぁいいよwww

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  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-07

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