匂い


朝メシに何を食ってきたんか知んねぇんだけど 今日の店長やたらにんにく臭かったらしく バイトの休憩時間に周りの奴らが『店長すごく臭くなかった?』って感じで店長の話題で盛り上がってたんだよwww

アタイ店長とはまだ喋ってなくて 臭いがどうのこうのとか分かんなかったんだけど あまりにも盛り上がってて仲間外れにされんのもイヤだから

『臭かった臭かったマジ勘弁だよね 口ん中で腐ったザリガニでも飼ってんじゃね?』って適当な事ぶっこいて仲間アピールしてみたんだよwww

そしたら横に座ってた社員のババァが『あれはザリガニの臭いじゃないでしょ 絶対ににんにくでしょ』とかすげぇ目力で言ってきやがって

お前はザリガニのソムリエかよwww

そんな感じで店長の話をしてたら 端っこで静かに編み物に夢中になってたみか姉さんがズカズカ歩いてきて

『にんにくの臭いくらいどうだっていいじゃない!』とか店長をかばうような言い方して怒ってきやがったんだよ

言いたい事だけ言ってあいつすぐに休憩室から出てってさ その後みんなして『なにどうしちゃったのあの子???』って感じになったんだよね

だってみか姉さんつったら店長とすげぇ仲悪いので有名だし 喋ることさえ滅多にないほど店長を嫌ってんだよ

それなのにあの態度だよ?

アタイが『あいつら実は付き合ってんじゃねぇの? すでに子供もいたりして(笑)』って言ったりしてたら そん時バイトの女が『あっ!もしかして・・・ かも!』って何かを思い出したかのように言ってきたんだよ

普通に『なになに? 何があったの?』ってなってさ 話を聞いたら先日みか姉さんが仕事中におならをぶっ放しちゃったみたいで とにかくそれがすげぇ臭くって 周りの奴らはずっとみか姉さんをジッと見てたらしいんだよ

みか姉さんなんてやたらソワソワしてたみたいでさ そしたらその姿を見てた店長がいきなしデカい声で『うわぁ!やってもうたっ!ごめんごめん これ俺のおならの臭いだから(笑)仕事中に悪いねみんな 集中力さがっちゃった? 悪いね』って具合でみか姉さんを助けたらしいんだよ

まぁ確実にこれだよねwww

てか今日なんて朝から店長さえもかけずりまわるほど忙しくてさ もう夕方には口の臭いだけじゃなくってワキからもすげぇ臭いが漂ってたんだよ

その臭いに気が付いたみか姉さんが バッグから出した脇スプレーかなんかを笑顔で店長に渡しててさ とにかくいきなし仲良くなってっから普通にみんなして唖然だよね

店長すぐワキにスプレーすりゃいいのに なんかニヤニヤしながら編み物してるみか姉さんの横顔ずっと見ててすげぇ気持ち悪かったwww

そしたら店長いきなしクシ持って鏡の前に立っちゃってさ よく見たらあのスプレーは脇のじゃなくって頭髪スプレーの『ケープ』と間違えて渡してたんだよwww

単にみか姉さんが渡し間違えただけだってのに 店長やっぱし勘違いして『編み物は俺のためにかも? それにスプレーまで笑顔で・・・』って思っちゃったんだろうね

しばらくしたらシャツのボタン3つくらい外して胸毛を出した店長が カッコつけながらすげぇ光沢のあるがっつりオールバックで戻ってきたwww

笑顔でみか姉さんに『これありがとう』ってスプレーを返したら 突然みか姉さん悲鳴あげちゃってさ 気持ち悪がってとっさに編み物を店長に投げつけてたよwww

店長は『バカバカ せっかく俺に作ってくれてんのにやめろよ!』つったら 『はぁ?そんなのあるわけないでしょ!』って激怒しちゃってさ

せっかくいい感じの2人になったのに これでまたいつも通り仲の悪い2人に戻るんだろうねwww

匂い

匂い

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-05

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