家族は助け合うものだ
ある小技を練習したくて書いた作品です。
別に僕の過程に問題があるわけではないので、ご安心ください。
(僕だけに関しては問題があるかとは思いますが、、、)
家族は助け合うものだ。
***
ガチャリ、ドアの開く音がした。
「ケンタ、随分遅かったじゃないか。なんだ、随分疲れ切ってるな。何かあったのか?」
「うるさいな。あんたには関係ないだろ。ほっといてくれよ」
「そうはいかない。家族なんだ。様子がおかしかったら、そりゃ気になるさ」
「偉そうに言うな」
「そんなつもりはない。ただ、ケンタが心配なだけだ。お母さんだって心配してるぞ」
「ふざけんなよ。母さん?あいつが俺を心配するはずねぇだろ。今日だってどうせ、俺のことなんか気にもしないでさっさと寝ちまってんだろ」
「ケンタ、何があった?」
「みんなにできることが俺だけうまくいかねぇ。俺だけが怒られる毎日だ。もううんざりしてんだよ」
「なるほどな。でも大丈夫だよ、ケンタ」
「何が大丈夫なもんかよ」
「忘れるな、ケンタ。家族はいつもオマエの味方だ。オマエの帰る家には常にオマエの味方がいることを、決して忘れるな。良く言うだろ。家族ってのは助け合うもんだ」
「、、、何だよ、ソレ。今どき、そんなん流行んねぇんだよ」
「おいおい。家族は流行りじゃない。日常だろ」
「、、、、、、、、、」
ケンタは俯きながら、照れ臭そうにしている。
「頑張れ。、、、ほら、とにかく風呂でも入って今日の疲れを癒してこい。しっかり追い炊きしといたからな」
俺が言うと、ケンタは静かに頷いて風呂場に消えた。
***
ケンタが消えた風呂の扉を、俺はジッと見つめていた。
全く面倒だが、あんなケンタでも俺の父親だ。腑抜けな万年窓際でもしっかり稼いでもらえるように、俺がこうやって喝を入れてやらないといけない。
そう。家族は助け合うものなんだ。
だから、父さん(ケンタ)。明日も頑張って脛齧り費稼いで、ニートの俺を助けてくれよ。
感謝してるぜ。
(了)
家族は助け合うものだ
お伝えしきれたでしょうか。
ある小技=叙述トリック。
まあこの分量じゃ、それほどの練習にもなりませんが、、、
読んでくださった方、お付き合いただけたことに感謝します。