最期

幸せな日常の中で最期が頭を過ぎる
僕がいつか死んでしまうとき
何故そうなったのかを気にしている
命を蔑視した覚えは無いし
誰かを本気で呪ったことなんか無い

栄枯盛衰の世界で人々が生きている
僕は今どっちに偏っているだろう
常識を身につけていても非常識を
見てみぬ振りする命日の午後
僕は何処で何をしているだろう

実家に帰って親の顔を見るか
時空を超えて自分の子供を見るか
負い目を見るか 老いた姿を見るか
布団に潜って夢の続きを知るか
玄関を開いて現実の残酷を知るか
青い空に泣くか 赤い空に笑うか

偽りの人格で人生を表現している
君がいつか放った言葉のように
うわの空でずっと舞い続けている
罪を犯す予定は無いし
誰かの傷が増えないように願いたい

森羅万象の中に人間が存在している
意味はきっと特には無いのだろう
何かの訃報を知らん振りして
無機質な心で誤魔化した頃
外では冷たい風が吹いているだろう

原点に返って産声をあげるか
自殺をして自分の始末をするか
間を取るか 合間を縫うか
自由に生きて時の儚さを感じるか
最期になってこの命を乞うか
生きるとは何か 死ぬとは何か
 
最期に答えを出せるだろうか

最期

最期

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-04

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