彼女たちの明日

まだ途中の段階ですが、投稿させていただきます。私は30代の主婦です。私が感じたことをリアルに綴りたいと思います。
個人的には林真理子さん、唯川恵さん、内館牧子さん、などが好きです。

利紗の場合

青山利紗、35歳、3歳年上の夫と4歳の娘が一人

大学を卒業し、6年間の商社勤務を経て同じ会社に勤める壮平と結婚。

娘のエレナはこの春幼稚園入園。都内有名私立幼稚園に通っている。

利紗の目下の悩みは、2年後に控えるエレナの小学校受験。利紗自身も私立女子校育ちだが、それは中学からであり、娘のエレナには何としてでも
目白女学館に小学校から通ってほしいと願っている。
目白女学館は今年創立120周年を迎える伝統校であり、また厳格なカソリックの女子校である。
在校生は、名だたる家柄の子女が多いことで知られており、本来であれば一般サラリーマン家庭である青山家が目指せる学校ではないが、
夫の壮平の実家は、名の知れた食品メーカーの創業家一族であり、壮平は取引先である商社で勉強中の身である。

したがって一般のサラリーマン家庭ではあるが、壮平の実家という大きなバックボーンのお陰で、利紗も裕福な日々を過ごしている。

今日も幼稚園のママたちとランチの予定が入っている。場所は代官山の話題のレストラン。幼稚園の中でも利紗が一番仲良くしているさやかが予約してくれている。

さやかは利紗よりも3つ年上で、結婚前は外資系航空会社のキャビンアテンダントをしていた。さやかの子供は誠一郎という名の男の子で、誠一郎とエレナも幼稚園で仲が良い。
さやかは息子の誠一郎に夫の出身校である、小学校お受験界の最高峰、応永幼稚舎を受験させるつもりだ。さやかは集められるだけのコネを集め、出来る限りのことは全てしているが、それでも合格の保証はどこにもない。それが応永幼稚舎なのである。

利紗もさやかも志望校に娘や息子を入学させることこそが彼女たちの今の生き甲斐であり、使命である。

約束の店に入ると、さやかがもう先に来て、何か書類に目を通している。

「ごめんなさい、待った?」このような会話も数年前までは心ときめく男性に向けて発せられていたけれど、今は同じような年齢の同じような格好をした同姓にしか向けられない。

彼女たちの明日

彼女たちの明日

30代の女性(主婦、子供がいる)のリアルな日常を綴りつつ、心の中の深いところまで切り込んで生きたいと思っています。

  • 小説
  • 掌編
  • 成人向け
更新日
登録日
2012-09-13

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