出会い

幼さ

中学生、手近な手頃な恋愛にきゃあきゃあ騒いで、臨海学校の夜に親友と語った恋物語。
ホンモノだった。それなりに真剣に隣の席の同級生にときめいた。
でも隣の席の男子より、前の席の女子と語らうほうが楽しくて、好きでもない同級生にバレンタインのチョコも渡した。
やっちゃん。中1のクラスで初めて幼馴染み以外の友達。
やっちゃんといるほうが楽しかった。
やっちゃんと好きな人の話をするために、好きな人を作ったのかな。

臨海学校の夜、誰が好きなのか布団の中で話をした。ちょっといいなと思った男子、やっちゃんはその子の名前を挙げた。
「で、はっちゃんは誰?」
咄嗟に斜め前の男子の名前を。

臨海学校が終わった。隣の男子はやっちゃんと付き合い、私は斜め前のこうじが好きだともてはやされた。

こうじは優しくて、ささやかで、控えめで、普通だった。
やっちゃんは、華々しくその美貌と人懐っこさを全開に嫌味なく展開し、学年のベストオブ…に。
優しさの反対は?
ささやかな反対は?
控えめで普通じゃなければ?

羨んだだけか。

出会い

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-02-26

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  1. 幼さ