ひきずる

思い出にすがって生きても結局自分です

人の生き死にに直接、当事者として関わって悲劇のヒロインで生きていけるのも若さゆえ。
結局は死んでいった人に責任を委ね、貴方が居ないからだと泣き叫び、人生が上手くいかないことすら貴方のせいにして、逃げて逃げて上手いこと生きてきて、煮詰まったら貴方のせい。
そんな私に愛はあったのでしょうか。

本当に貴方を愛していたのでしょうか。
今はそれすらもわかりません。
でも、貴方のせいだと生きています。
貴方がいないからだと生きています。

すがる

貴方はいない。
そして私は、居ない貴方のお陰で人生の全てを貴方のせいにして生きていく。
生きていけないとき、全てを貴方のせいにして生きていく。
何十年と経った今でも、今の私を形成したのは貴方だと、全てを貴方のせいにして。

逃れる

辛いときに現状から放たれる術は、誰かのせいにすれば良いことは学んだ。
ただ、現世に共存しているもの達は、なんらかの弊害を伴う。
いなければ、放ったものの勝ち。
学んだ。
だから全ては貴方のせい。
貴方が居なくなったことを悲しんで、悲劇のヒロインでいることに心地よさを感じている。

気づく

心地よさを感じながら、貴方の居ない世界に不安を感じる。
貴方の年齢を超えたとき、どうしようもない不安に襲われる。
どうか死ねますように。

ひきずる

ひきずる

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-02-26

Copyrighted
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