2月の短歌(2018年)
窓口でおとな一人と告げて買う おとな一人で浸かるひだまり
懸垂でからだ鍛えてみようかななんて思って買った三日月
使用済みTENGAを放置していたら何かの白い芽が生えてきた
ぶよぶよの水母の死骸ごっこして仰向きながら云う ここはどこ
生きている証 たとえばこの冬の渚の砂のやわらかなこと
対等な愛は些か重すぎる わたしチョウチンアンコウなので
SourceHanSansでとても読みやすくデザインされた不幸の手紙
パラグラフ・ライティング的構成で説得力のあるラブレター
幼妻ということばが持つ魔力を弾にして撃ち出すレールガン
「寂しい」と話しかければ徐ろに「辛かったね」と返すサボテン
黒魔術的製法で消しカスにいのちを込めてつくるゴーレム
袋のままレンジで2分 それだけで俺も大人になりたかったな
「推しという言葉で擬態しているが、それは実質的に恋では?」
期待して買ってきたのに青空の袋とじってこんなもんかよ
2月の短歌(2018年)