君と僕、みたいな
マスター・・・KAITOとレンの二つのボーカロイドを持つボカロP
KAITO・・・マスターの初めてのボーカロイド。少しツンデレで王子様系
レン・・・同じくマスターの初めてのボーカロイド。寂しがり屋で可愛い
この物語はフィクションです。
性別気にしたことある?
「おーい、KAITOー、レンー」
マスターの声が聞こえる。今度は何だろうと思いつつ、俺はドアを開ける。
「何ー?マスター」
俺は少々不機嫌な声で答える。しかし、マスターはそんなことを気にするようでもなく。
「おう、KAITO!なあなあ、これ、着てくれない?」
うちのマスターは・・・いわゆる腐女子。腐女子。そう、女子。なのに!!!おかしい!!!だって、男らしいんだもん!!!なんで!?
「これ、着てくれよー」
マスターが出してきているのは、メイド服。マスターは俺とレンの二人のボーカロイドを持ち曲もそこそこの支持を受けている。しかし、この人は動画撮影だろうが、何だろうが俺達にコスプレをさせたがるんだ。いや、ね。マスターのことは好きだよ。曲も良いと思うし、何かと気遣ってくれるし、コスプレだってマスターがしてほしいって言うなら・・・・ってああああ!!!何言ってんの!!俺は!!べ、別にマスターがどうしてもって言うから・・・ほら、男のプライドってもんが・・・
「何?一人で何百面相してんの?んで、着てくれるの?着てくれないの?」
俺より身長が低いマスターが下から睨んでくる
「あ!ほらマスター!まだレンが来てないし!」
俺はそれとなく話を逸らしてみる
「まあ、それもそうだな・・・」
マスターが単純で助かった・・・そんなことを思った矢先だった
「マスター?どうしたの?」
ぎぎっと振り返ってみれば柱の陰から上目遣いでレンが覗いてる。
「お!レン!こっちこい!」
おいでおいでと手招きをするマスター。トコトコとやってきたレンを膝に座らせて満足そうに笑ってるマスター。マスター曰くレンの調教が物凄く上手くいったらしい。色んな意味で。
「よーし、二人とも!これを着るんだ!!」
ズイッとつきだして押し付けてくる。
「マスター、これ着るの?」
レンが上目遣いでマスターに問う。レンは可愛いなー
「うん、そうだよ」
マスターがニッコリ笑ってる。マスター、怖いよ・・・
ガチでやります
「マスター・・・着替えたけど・・・」
メイド服に着替えた俺は顔だけ出して部屋を覗く
「似合ってるじゃないか」
マスターがニヘラって笑う。
「よし!それじゃあ、久しぶりにガチで行くかー!」
おお、珍しくマスターが本気だ。うちのマスターは凄くテンションの高低が激しくて、ガチ曲を1ヶ月に1曲、気に入った曲を半年に1曲というペースでうpしてる。他はネタとかトークをうpしたり・・・みたいな感じかな
「今回はデュオだかんな。」
俺はマスターに貰った楽譜を眺める。良いメロディーだと思う。
「マスター、今回はどんな感じで歌えば良いの?」
レンが問う。レンは凄い。ホントに凄い。何が凄いって・・・いや、ホントに、引き出しが多い。
「レンはえろい感じかなー」
「マスター、俺は?」
「いつも通り」
「よし!!それじゃあ、最初のメロ、レンからな」
レンが歌い始める。その瞬間聞き入ってしまう。少し低くして普段の可愛い声や顔からは想像出来ないような・・・
聞き入っていたらマスターに名前を呼ばれる
「KAITOーここのコーラスちょっとやってくれ」
「はーい」
マスターのコーラスが好き。マスターはコーラスもメロディーも全部それぞれに合わせて作ってくれる。元のメロディーから全然違うメロディーになったりすることもある。俺はそんなマスターが好き。
「ふーむ・・・ちょっとなー」
また納得がいなかったみたいだ。パソコンに向かう
歌う、編集を何度か繰り返した後に漸くマスターが納得する。
「さあ、これから暫くは徹夜だー」
マスターが軽く伸びをする。マスターは仕事をたまにしかしない。依頼を受けて出向いて2日程で帰ってくる。でも生活が苦しくなったことはないし、きっと1回で貰えるお金が大きいんだと思う。まあ、つまり、時間をもて余しているから調教し放題ということ。
何だかんだで朝までかけて1番の歌が終わる。マスターは終わった途端寝始める。マスターをベッドに寝かして、俺とレンも自分達のベッドへ行く。レンはとても眠そう。部屋に入ってベッドで寝ているとレンが声をかけてきた。
「ねぇ、カイ兄ーそっちで寝てもいい?」
レンはマスターが甘やかしてこだわって調教したため寂しがり屋。そんな レンを可愛いななんて思いながら良いよと笑ってみせる。そしたらレンが安心したように俺のベッドにやってくる。
流石はマスター。こだわっただけあってちゃんと調教している。レンはとてもえろく可愛くて・・・思わず欲情しちゃうような・・・って毎日欲情してるんだけどね。
可愛い俺の弟 18禁・・・かな?注意だよ!
「あっ、カ・・イ兄・・んあっ、やっ」
「レン、可愛いよ」
優しく微笑むとレンの顔が赤くなる。俺たちは毎日マスターに内緒でこうしてヤッてる
「んんっ、はぁ、あっ!ああんっ!」
胸の突起を摘まんだりしてあげると可愛い喘ぎ声をあげる
「ね、カイ兄!あっ、おね・・・がい、下触ってぇ!あっ、んんっ!」
レンが腰を振って誘ってくる。
「ああっ!やっ、んんっ!ああん!」
布越しに中心に触れてやると一際高い喘ぎ声をあげる。そんなレンが可愛くてつい笑みが溢れる。布越しがもどかしいのか腰を振って押し付けてくる。
「お願い、カイ兄、もっと激しくぅ・・・!ああっ!」
もうそろそろ俺も限界だったからレンのズボンを乱暴に脱がす。手の動きを激しくするとレンは呆気なくイッてしまう。
「はぁ、はぁ、お願い、カイ兄・・・射れて・・」
俺はレンの秘部に指を入れる。
「あっ、んんっ!ああっ!はっ、あっ!!」
レンが腰を振って俺のに自分のを擦りつけてくる。そんなレンが可愛くて仕方がない。俺は指を引き抜くと自分の熱く固くなったのを射れる。慣れきっているレンのそこは俺のを簡単に受け入れていく。
「あぁぁああぁぁ!!!ああっ!!!んあっ!!カ・・・イ兄!!気持ち良い!ああん!そっ、こ・・・!!ああっ!!!」
激しく腰を打ち付けると高く喘ぐ。腰をガクガク揺らして淫らに喘ぐレンが可愛くてつい激しくしてしまう。
「いっ、あっ!!!イッちゃう!イッちゃうよぉ・・・!ああぁぁぁああん!!!」
レンが精を吐き出すと同時に俺もレンの中に自分の欲望をはきだした。
流石はマスター
レンが俺の横で眠ってる。先程の行為を終えて疲れたんだろう。徹夜したのに悪かったかなー。取り敢えずレンの体を綺麗にしなきゃ。俺は風呂場へ向かうためにレンを抱きかかえて扉を開ける。
「!!」
俺はレンを落としそうになった。もちろんそんなことはしないが。
「よう、KAITOーお盛んだねぇ」
そう、マスターがドアの横にいたのだ。それ事態は問題ない。しかし、さっきの台詞だ。つまりは、マスターに俺とレンがヤッてるのがバレたわけ。
「ホントにお前らそんな関係なのな。」
マスターの声がどこか冷たい気がする
「お前らのことは兄弟として調教した筈なんだがなー」
「で、でも・・・!!」
俺は思わず反論してしまう
「何だ?」
マスターの冷たい瞳が俺を見ている。それに耐えられなくなり俯いてしまう。
「・・・・別にな、俺はお前らがそんな関係でも構わない。ただ、しっかり休め。これから徹夜だって言うのにそんなんじゃ体もたねぇぞ。休むときは休め。じゃないと、お前らを一緒の部屋で寝させることはできねぇ」
マスターがため息混じりに言う。
「マ、マスター?」
「何?」
「怒らないの?」
「なんで怒るんだよ」
「だって・・・・」
「愛の形はそれぞれだろ?てか、こんな美味しい話があるか!!!」
カッと目を見開き大声で叫ぶマスター。忘れてた・・・そう言えばマスター腐女子だった・・・
「ほら、早く風呂へ入ってこいよ」
笑うマスターに俺は元気良く頷く。マスターが認めてくれたと嬉しくてニマニマしながら風呂場へと向かうと背後からマスターの声が聞こえる
「2ラウンド目はやるなよ。風呂から出たらまたやんぞぉー」
マスターにそう言われあからさまガックリと肩を落とした・・・
ついに完成ですよ
「ほーら、やんぞぉー」
「「はーい」」
マスターの一声に俺とレンが同時に返事をする
「次はKAITOがメロなぁー」
「はーい」
俺は曲に合わせて歌い始める。うん、やっぱりマスターの曲は大好きだ。今回は恋の歌でわりとゆったりとした曲だなぁ
「よし、こことここを直して・・・と」
パソコンに向かって物凄いスピードで編集をし始めるマスター。
編集したものを歌うとマスターは満足したのか、ニヤけ始める。
「レン、次お前コーラスだぞー」
レンに声をかるとレンが曲に合わせてコーラスを入れる。やっぱりレンの声は綺麗だなぁ・・・俺はそんなことを呑気に考えながらぼけっとしていた。
「よし!!!このまま行くか!!」
マスターは妙に意気込んでいる。
それからずっと歌う、編集を繰返しいつの間にか夜中の2時。
「よっし・・・曲は完成だ!よし、この位にして、と寝るかぁー」
マスターの言葉に返事をして自分の部屋に帰ろうとしたらマスターから声がかかる。
「たまには一緒に寝ようぜ」と。
レンは無邪気に喜んでいる。俺も勿論嬉しい。・・・しかし!!若干憂鬱。だってマスター寝相が悪いんだもん!!マスターの仕事部屋は相当の広さで撮影機具に録音機具、パソコンそれからクローゼットにTV、小さい冷蔵庫にオーブン、トースター、ポット、極めつけはダブルのベッド。マスターは基本動画を作ったり小説を書いたりで仕事部屋に籠ることが多いから置いたらしい。
まあ、何だかんだで午前2時過ぎ、就寝。
午前5時、俺は物音で起きた。冷蔵庫の開ける音、缶を開ける音にキーボードとマウスの音。寝惚けた頭でそこまで聞いてマスターだとわかる。起きてみるとマスターが起きた?なんて笑顔で話し掛けてくるから困ったものだ。
「マスター・・・あのね、もうちょっと睡眠をとりなさいって何度言わせる気?」
「いやぁ、ちょっと曲の微調整をね」
ははっと苦笑いをするマスターに思わずため息がでる
「ほら、お前は寝ろ」
笑いながら俺に布団をかけてヘッドフォンを渡してくるマスター。その笑顔に何も言えなくなって取り敢えず横になった。
俺が横になったのを確認するとパソコンに向かうマスター。凄く真剣な顔してる。良い曲が仕上がるんだろうな・・・そんなことを思いながら俺は再び眠りについたのだった
「ほらお前ら起きろー9時だぞー飯だぞー」
マスターの声が聞こえる。良い臭いがする。
「マスタァ・・・朝ごはんはー?」
レンが起きたらしい。いや、まあ俺は起きる気がないんだけど
「ほら、レン。こっちこい」
「うん」
レンが布団から出ていく。いや、ホントに俺は起きないよ。
「おい、KAITOーKAITOってばー・・・・テメェKAITO、コラ、起きろつってんだろぉぉぉぉぉが!!!」
目を開けた瞬間マスターの飛び蹴りが俺の顔面を直撃した・・・がまあ、ダメージを受けたのはマスターの方で。
「はいはい、今起きましたよ♪」
「テメェな・・・・」
睨んでくるマスターをスルー。
「全く・・・・お前、早く飯食えよ。撮影すんぞ」
「はーい」
適当に返事してテーブルに向かうとバランスのいいおかずが並んでいるわけで。当然仕事部屋にテーブルがあるわけで。はい。
取り敢えずささっと飯を食べ終えた俺達は衣装に着替え動画の撮影を始める。マスターの大声が飛び交う。それから20時間を費やして動画の撮影を終了す
「よーし、これで撮影終わり!!お疲れさま!!」
マスターのその声が聞こえた俺とレンは意識を手放した
「寝ちゃったか・・・」
KAITOとレンが眠りにつく
きっと疲れたんだろうな・・・・無理させちゃったかな・・・
さすがに運べないから毛布を掛けておく
さて、俺は後四時間かけて最後の仕上げをしますか!
俺は物凄い衝撃に目を覚ます。衝撃と重さで。
目をうっすらと開けると俺の上に乗っかってるマスターが視界に映る。てか、寧ろ頭が真横にある。何でだろうと試行錯誤し、辺りを見回した瞬間原因がわかった。発光するパソコンの画面、時計は撮影を終了してから4時間後、つまりマスターは徹夜続きなのに撮影が終わってから一睡もせず4時間ぶっ通しでパソコンと格闘していた、ということになる。
「お疲れ、マスター」
そう静かに囁いて起きたレンとマスターが起きるまで一緒に寝た。
それからマスターが起きたのは1時間後だった。
起きた第一声が「よっしゃぁ!!!うpすんぜぇぇぇぇ!!!!」だ。
マスターは動画を最終チェックして、満足そうに某動画サイトにうpした。
過去最多
「おおー、スゲーじゃん!!おい!!お前らちょっと見てみろよ」
マスターが大声で呼ぶので何事かと思い、仕事部屋に行くと・・・マスターが嬉々として目を輝かせていた
「ほら、コレ!」
パソコンを指差しているマスター。何事かとレンとパソコンの画面を覗けばそこにはうp2日とは思えないほどの再生回数。
「凄いじゃないですか!!!マスター!!!」
「うん!!!作ってよかったよ!!二人ともありがとう!!!」
狂喜乱舞するマスターが何だか可愛く見えて俺たちも嬉しくなってレンと顔を見合わせて笑った
「今日はパーティーや!!!お客様も呼んでー」
「楽しくなりそうですねぇ」
俺が笑ったらマスターが満面の笑みでうん!と元気に頷いた
その後買い物を三人で済ませ、料理を大量に作り有名なボカロP様や歌い手様をご招待し、その夜はみんなで楽しく騒いだ。誰よりも嬉しそうなマスターの顔を見るのは本当に嬉しかった。
「この曲を仕上げるのに何日かかりましたか?」ととあるボカロP様の質問にマスターは5日かなーと笑顔で答えていた。みんなの驚いてる顔が面白くて俺とレンとマスターは顔を見合わせて笑った。マスターはその5日間睡眠時間は2~3時間にして毎日パソコンと格闘していたんですよと俺が説明を加えるとみんな笑ってた。
マスターのあんな嬉しそうな顔を見たのはいつぶりだろう。俺とレンも心から嬉しかった
その曲が殿堂入りを果たしCD発売が決定しマスターと歌い手様方の47都道府県ライブが決定したのはそれから一週間後のことであった
終わり
君と僕、みたいな
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ちぇりぷにというものです。
結局何がしたかったんだ自分。ということなんですけども。
次の作品はいつになるかしら。