馬の埴輪

馬の埴輪

ある日私が風邪をひいて

馬の埴輪

私は子供の頃直ぐに風邪をひく子だった。

私は小学5年生。ある冬の日風邪を引き学校を休んで、布団の中で寝て居た。

同じ班の永井さんと言うクラスの女の子皆が永はんと言う愛称で呼んでいた。

先生が「お見舞いがてら、この学級新聞持って行ってあげてね。」

永はんは、先生に頼まれた。

「こんにちは。同じ班の永井です。先生に学級新聞渡しに行くのを頼まれて来ました。」

母が玄関先で永はんと話して居る声が聞こえる。
そして布団の中に居た私を呼んだ。
さそさ
「きいちゃん、永井さん来てくれたよー。」
私は慌てて起きて玄関に向かった。

「永はん、来てくれたんだ。」
「これ先生に頼まれた学級新聞と、あとこないだの日曜日に登呂遺跡に行って来たお土産だよ、はい。」

と私の手のひらに小さな紙袋をくれた。

登呂遺跡とはこの私が住む隣の市にある弥生時代の遺跡のこと。

「あっ、永はん、ありがとう。」
「風邪早く治るといいね。じゃあ、又学校で待って居るから。」
「本当にありがとね。」
私は直ぐ様言った。
母も背後からお礼を言った。

「じゃあ、お大事に。」

そして永はんは家に帰った。

私は、お土産を早く見たい一心で紙袋を開けた。
手のひらには小さな可愛らしい馬の埴輪が乗っている。

私の手のひらが、ジーンと温かくなっていた。

馬の埴輪

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  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-02-16

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