私
お互い傷つけあった日のこと
くだらないことで笑って、抱き合った日のこと
初めてひとつになれた日のこと。
今、あなたの隣にいる人は私ではなくて
でも、私の隣にいる人も、違う人で。
ずっと一緒にいようねなんて誓った永遠は安かった。
「久しぶり。」
偶然、
思い出されるあの日のこと。
忘れるには足りなかった時間、思い出。
「元気そう、だね。」
今更、なにを。
見せつけるように、彼の腕にぎゅっとしがみついた。
私は今、幸せで。
あなたも、同じで。
あの頃の君との幸せな思い出は
幸せな思い出でしかなくて。
それこそ、スティックシュガーのようなもので。
幸せな私を、
あなたの隣じゃなくても
幸せになれてしまう私を見て
傷ついて欲しかった。
傷つけたいと思ってしまった。
「またね。」
手を振る、くることのない「また」を投げて。
あなたに対する、
何年たっても変わらない
この感情の終着点は、いつも。
私